マジで……この世界⁉️   作:タク-F

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神の力

~~翼side~~

 

私達はパヴァリア光明結社統制局長の〈アダム・ヴァイスハウプト〉と対峙し、神の力の降臨を阻止するつもりでいたわ。だけど私達の到着時には既に準備が終わっており、〈自動人形〉を依り代に神の力が宿る直前だった。

 

「遅かったね……少し。だけど見ていくと良いよ……せっかくだからね。」

 

彼は笑みを浮かべながら私達に語りかけた。

 

「何故貴方はこんな事をするんですか!わざわざこんな事をしなくても!」

 

立花は何故彼がこの力に拘るのか問いただすつもりだった。そして彼は律儀にも私達に答えてきた。

 

「せっかくだから伝えておくよ……僕の目的を。神々に復讐するのさ……この力で僕はね!」

 

「神々に復讐……?」

 

「なんて恐ろしい男……」

「マジでヤバい奴デスね。」

 

「そんな事って……」

 

マリア・月読・暁・小日向も疑惑の反応を示し、私自身も正直状況を理解しきれていないわ。だけど彼は更に驚きの言葉を告げてきた。

 

「通過点なんだよ……この儀式はね。彼女を破壊するのさ……手始めにね。」

 

「〈彼女?〉貴方は何を言っているの!まるで今もこの世界に神の生き残りがいるかのようなその発言は!」

 

「いるんだよ……本当にね。だけどそれは僕の役目だよ……譲れないね。」

 

アダムが言葉を終わらせると人形が本格的に輝き出してまさに力が宿ろうとした瞬間に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

起こっているんだい……何が?

 

今です翼さん!合わせてください!〈S2CAヘキサゴンバージョン!〉

 

響がこの隙に〈S2CA〉を発動させて、私達はエクスドライブに至り完全礼装を纏った。

 

ア……ダム……

 

人形はそう呟き崩れ落ちた。

 

ふざけるな!ふざけるなふざけるなふざけるなぁ!何故邪魔をされる……ここにきてぇ!

 

その答えを告げたのは槍を投げた人物だった。そしてその姿はこの場所にいる全員……特に私と立花が動揺する事になった。

 

「久しいな〈完成体〉。しかし貴様の願いを叶えるつもりは我にはない。この世界の我を屠ろうとしたお前には……な。」

 

何故ここにいるの奏!

何故ここにいるんだいシェム・ハ!

 

奇しくも私とアダムの声は重なった。

 

「どちらの問いも答えは否である。我の名は〈シャルロット〉だ。そして貴様の探していた物はこれだろう〈完成体〉?」

 

そう言うと奏は懐から腕輪を取り出して砕いた。

 

「あんまりだろう……それは。どうすれば良いんだい……僕は?」

 

崩れ落ちるアダムに奏は炎の球体を操りその体を包んだ。そしてその時アダムは悲鳴を上げ始めた。

 

あり得ない!あり得ないよ!完璧だった筈だよ!僕の計画は!なのに……なのにこうなったのは何故だぁ!何を間違えたんだ!僕はあぁぁぁぁ!

 

炎が消えるとそこにはアダムだった何かが存在していた。

 

「さて……では我の説明を始めよう。先程も言ったが我の〈今〉の名前は〈シャルロット〉である。そして嘗ての我の名は〈シェム・ハ〉……人が仰ぎし神代の改造執刀医……それだけだ。」

 

その言葉で一気に雰囲気が重くなり、皆はより強い警戒をした。しかし当の〈シャルロット〉と名乗る奏は戦闘態勢に入らない。何か理由があると言うの?

 

〈悪いんだけどさシャルさん……一度あたしと変わってくれない?どうせ勇君達が揃って始めるんだからさ。〉

 

「えっ?奏?どういう事なの!?」

 

すると奏は雰囲気が変わり、私達がよく知る〈天羽 奏〉の雰囲気へとなった。

 

「じゃあ勇君が来るまでの間にあたしの名前だけ明かすぜ?あたしの名前は〈天羽 奏〉だ。ただし異世界の……な。」

 

「異世界の奏……さん?」

 

響の言葉は誰もが呟きたい言葉であり、私達は余計に混乱してしまった。

 

「ならあとは勇君達が来た時に話すよ。それまでは皆ゆっくりしていてくれよ?」

 

私達は訳もわからないままに勇達の合流を待った。

 

~~翼sideout~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~勇side~~

 

僕達が姉さん達と合流するとそこには困惑している響・翼さん・姉さん・切歌ちゃん・調ちゃん・未来と、状況を把握しようとするサンジェルマン師匠とセレナさんがいてその視線の先には〈天羽 奏〉さんがいた。

 

「なぜ……ここにいるんですか?奏さん!

 

〈やっと会えた……〉

 

小声で何かを呟いた奏さんが僕を抱き締めた。……何が起こっているんだ?

 

お前は何者だ!勇になぜ抱きついている!そこはオレの指定席だ!今すぐ勇から離れろぉ!

 

「ごめんなキャロル・マールス・ディーンハイムさん……ほらシャルさんも謝ってくれよぉ。絶対勇君達に誤解されたからさぁ!」

 

奏さんが僕に抱きついてキャロルが激怒、だけど奏さんはもう一人の奏さんに謝罪を要求している……何が起こっているんだ?(二回目)

 

「とにかく全員揃ったわね。ならば説明して貰うわよシャルロット……いえ、〈シェム・ハ〉さん?」

 

師匠が冷静に話を切り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~15分後~~

 

「それじゃあ改めてあたし達の自己紹介を始めるぜ?あたしの名前は〈天羽 奏〉だ。ただし異世界のって付くし、実は今から紹介するシャルロットさんに命を助けて貰ったガングニールのシンフォギア装者さ。」

 

〈そして我の名はシャルロットだ。嘗ての名前はシェム・ハだ。そして我はこの世界のシェム・ハではない。〉

 

「なんだと!?お前達はこの世界の〈天羽 奏〉でも〈シェム・ハ〉でもないと言うのか!ならばどこの世界の人物だと言うんだ!答えろ!」

 

キャロルは想像以上に動揺していた。正直僕がシェム・ハさんに好かれた理由がわからない。そうしていると説明できる人物が転移してきた。

 

「その気配……やはりお前かシェム・ハ。やはりあの時に感じた気配はお前だと言うのだな?」

 

「ダ・カーポさん?どういう……意味……ですか?」

 

僕はその意味を知るべく彼女に尋ねたけど、答えは返って来なかった。

 

「お前は気づいているんだろうキャロル?」

 

その言葉でキャロルは全ての点が線に変わった顔をしていた。

 

「やはり……そうなんだな?〈あの時〉の人物がこの二人だと言うのだな?」

 

「ねえ?どういう意味なの?なんで三人はわかっているの?」

 

僕の言葉を聞いてダ・カーポさんは〈やはり〉といった顔をした。

 

「その為には嘗ての〈凶禍楽園〉の話をしよう。恐らくだがそこの天羽奏は嘗て私の住んでいた世界の奏だ。違うかシェム・ハ?」

 

「シャルさん……あたしの体を貸すよ。おもいっきり話してくれよぉ!」

 

〈感謝するぞ奏。〉

 

すると奏さんの雰囲気が少し重くなった。

 

「さて……その質問だが答えは肯定だ。しかし巫女よ……今の我の名はシャルロットである。覚えておけ。」

 

「了承した。そしてシャルロット……お前は勇の世界の存在ではないな?しかし関わりのある人物のいた世界の筈だ。違うか?」

 

「その質問の答えも肯定だ。我は閉じられた未来のシェム・ハだ。具体的には巫女よ……お前を倒す為に、勇とキャロルが共に肩を並べて戦った戦士である〈白黄 七海〉の世界の〈シェム・ハ〉それが我だ。」

 

「七海さんの世界の……シェム・ハさん?……でもどうして?」

 

僕の予想を大きく外れた答えが出てきた。まさかここで七海さん達の名前が出てきたなんて……。

 

「七海の世界のシェム・ハか。しかしなぜここで……。」

 

「すまないキャロル。その〈白黄 七海〉とは何者だ?」

 

師匠の問いは最もだった。だからキャロルは異世界での戦いをかいつまんで師匠達に説明するためにザフキエルを呼び出した。

 

「全員に一度に伝える為に〈十の弾〉を使う。受けとれよ!」

 

キャロルは全員に〈十の弾〉を放った。すると皆大雑把には理解してくれた。

 

「これが勇の体験した異世界なのね。よ~くわかったわ。あーし達もその功績には驚いたわよ?」

 

カリオストロ師匠が少し空気を和やかにしてくれたが、ここからが説明の本番だった。

 

「我は七海の世界では存在する事がなくなっていた。しかしあの時の戦いは偶然にも他の世界を観測した。それが勇……お前の世界だ。」

 

「僕の世界……まさかシャルロットさんはギャラルホルンを通じてあの戦いを……?」

 

「勇は我の事を〈シャル〉と呼んでくれ。そしてその通りだ。楽園での戦いを通じて勇は自らの信念を示した。しかしそれは我も見る事が出来たし、我も勇の心残りを救いたいと考えた。」

 

〈それがあたしだよ。あたしは翼とライブをしていたけど、了子さんの企みでノイズに襲われた。そして絶唱を使い命が果てる時にシャルさんに助けて貰ったんだ。〉

 

「それが奏さんがここに立つ理由なんですね。でも……僕が好かれた理由は……?」

 

「簡単だ。勇は自らに見返りを求めずに救うと決め、行動に移し続けた。神代にもそういた訳ではないタイプだ。そして天使の輝きに我は見いられた。そしてその瞬間に我は〈愛〉を知った。勇……お前が教えてくれたのだ。」

 

シャルさんの顔はとても美しく見えた。

 

「ならば私は問いかけよう。〈バラルの呪詛〉とはなんだ?」

 

「神代の時代に我を封じる為に〈エンキ〉が残した封印だ。改造執刀医である我を……な。」

 

「確かシャルさんは言語の中に潜む事が出来た筈です。だからエンキさんはやむを得ず呪詛を起動したんですよね?」

 

「然り。あの封印は強固な物だ。精神を呪詛に、肉体を先程の腕輪に封印した。まあこの世界の我は先程封印を壊したのでいずれ復活するであろうな。その時が勇達の〈最後〉の戦いになるだろうな。」

 

アニメで観た戦いか。そして僕が知っている!範囲の最後……僕自身の未来なんだろうな。

 

「お二人は僕達と行動を共にしませんか?」

 

「ありがたい申し出だが断るとしよう。我等はまだするべき事がある。その時に再び出会うとしよう。」

 

〈じゃあな勇君……案外可愛い顔をしてるよな!〉

 

二人はそう言うと姿を消した。そして僕達は最後の敵を見据える事になった。

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