僕が司令から受けた連絡はある意味予想通りの内容だった。だからこそ受け止められるモノでもあった。
「じゃあ皆は戻っていてね。そして翼さんとマリアさんは頑張ってください!」
「えぇ……わかったわ。私達のライブを楽しみにしていてね。」
「勇……後は任せるわよ。でも何かあればすぐに向かうからね?」
「まずは僕が引き受けます。お二人のライブを楽しみにしているのは僕達だけじゃあないですからね。」
マリアさん達はそう言って日本へと向かった。
「じゃあキャロル達も休んでいて。僕が引き受けるから。」
僕はキャロルに声をかける際に念話を併用した。するとキャロルは笑みを浮かべつつ了承した。
「……成る程な。ではオレ達も休むとしよう。行くぞ凛祢……先程の戦闘で疲れたからな。」
キャロル達もこの場所を後にして僕だけが棺の護衛として残って五分立つと彼女が動いた。
『アルカ・ノイズの反応を検知!勇君は対応をお願いします!』
「任せてください!敵の目的を探ります!」
僕は彼女が現れるのを待ち続けた。そしてとうとう待ち人は来た。
「勇さん……でありますか。しかし私達には退けない理由があります!そこをどいて貰うであります!」
「……エルザさんか。一応言っておくよ。退いた方が君達の為だ。そして師匠達は君達の捜索を今もしている。」
真っ赤な嘘だけどここは彼女達の為に敢えて合わせるのが僕の役割だ。
「私を嘗めると痛い目をあいますよ!」
エルザさんはそういうと僕にボディブローを仕掛けて来た。しかしこれを敢えて反応せずに受け入れた。そしてその際に服の内ポケットに何かが投入された。
「……この早さ……まさか今も!」
「想像通りであります!さあ!早く戦闘態勢に入るか撤退するであります!」
「こっちも任務中でね!なら覚悟して貰うよ!〈アガートラーム〉と〈ガングニール(黒槍)〉を展開!」
僕はマリアさんのアームドギアを展開した。やっぱり礼装とアームドギアの併用はありがたいな。戦術の幅が広がるからね。
「ッ!装者の武器でありますか!ならば容赦しないであります!」
「さて……まだまだ行くよ!〈イガリマ〉と〈シャルシュガナ〉も展開!」
「武装を四つもでありますか!……ならば私も全力であります!」
エルザさんは僕の展開した武装を見て真意を理解してくれた。そして僕は〈銀の左腕〉に〈ガングニール〉を所持して右腕に鎌を持ち指にはヨーヨーを見える用に持ち直した。
「しかしそんなに欲張れば隙が生まれるであります!それも右腕に注意を向ければ!」
予測通り彼女は〈左側〉に回り込む。だけどここは南極なんだ。だから〈ザドキエル〉も容易に出力が上げられる。
「僕の本来の戦い方を忘れましたか!」
エルザさんの進行方向左側に氷壁を作り出して僕は彼女を牽制した。そしてその動きを見て僕に恐怖の爪を振り下ろして来たけど、僕は鎌と槍を使って攻撃を受け止めた。
「やはりシンフォギアは強固であります!しかし弱点もわかっているであります!」
「僕達は常に進化してきた!だから簡単には行かせないよ!」
僕は一度全ての〈ギア〉を解除した。そして〈ダヴルダヴラ〉を展開した。そして氷壁に向かって弦を飛ばして簡易的だが凶悪な結界を作り出した。
「ッ!まさかこの糸は!」
「遅いですエルザさん!」
動揺する彼女を僕は蹴り飛ばした。そして彼女の体は氷壁に直撃した。
「これは……致命的であります……一度撤退させていただくであります。」
そう言って彼女は転移して行った。そして僕は懐に先程彼女が入れた物を確認する事にした。
「これは……手紙か。そして内容は……」
僕は渡された手紙を読み進めた。そして予想通りの内容が書かれていた。
〈次のライブコンサートで襲撃を行います。そこで証拠を押さえてください。〉
内容はそれだけだが充分だ。後は司令達と協議をしよう。
「司令……今すぐにファラさん達をここにお願いします。僕は一度本部に向かい、皆さんに話すべき事を話します。」
『わかった。すぐに連絡しよう。』
司令は短くそう伝えてくれた。そして僕はファラさん達の到着を待った。すると十分程で彼女達は現れた。
「到着致しましたわ旦那様。何なりとご命令を。」
「じゃあここの護衛をお願いするよ。僕は少し急ぐからね。」
ファラさん達に後の事を任せて僕は本部へと転移した。
「まさか勇君……それは本当……なのか……?」
司令は僕が到着してすぐに話した内容に驚愕していた。
「事実です。南極で襲撃してきたエルザさんからの情報で判明した次の襲撃ポイントは、横浜で行われる翼さん達の合同コンサートです。」
『そしてそこで次の一手を打つという事か。』
「はい。しかしまだ訃堂は実害を出してはいませんし、彼女達も非道な行動を起こしてはいません。〈今はまだ〉証拠が足りません。しかし現在彼女達は訃堂に命を握られており、その証拠までは師匠達の協力もあり確保してあります。」
『そして次が確実に容疑を確定する機会か。確かにこの期を逃せば奴は更に手を広げるだろうな。』
「では勇君は何を考えている?一体何を知っているんだ?」
「僕の持つ平行世界の知識も今のペースで事態が動けば後三週間以内に追い付きます。なので最後の悲劇だけは防ぎます。」
『君が知る知識も底を尽きるのだな。ならば遠慮する事はない。君は今まで我々に協力してくれたのだ。最後くらいは甘えて行け。』
ごめんなさい八絋さん。僕はこの後の悲劇を防ぐ事はできないでしょう。
「次のライブ会場には僕が潜みます。そして八絋さんは、その時にこれから送る資料を元に訃堂の罪を確定させてください。これを最後の犠牲にする為に。」
司令は険しい顔をしていた。僕が犠牲を出せないとはっきりと言ってしまった為だ。
「……俺にできる事があれば言ってくれ。」
司令は良い人だ。だから最後までその言葉に甘える事ができる。
「訃堂の策略で本部に査察が入ります。僕達はその時に別行動を取りますので、〈知らぬ存ぜぬ〉を貫いてください。そうした時に奴と最後の準備をします。」
「わかった……。ではその時もしアルカ・ノイズ反応が出れば連絡しよう。」
「助かります。そして八絋さんが証拠を押さえて風鳴本邸を捜索する時には合流します。その時はこの端末を起動してください。」
僕は使い捨ての端末を二人に渡した。そして僕はライブ会場の悲劇までの時間を過ごす事にした。
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