マジで……この世界⁉️   作:タク-F

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あってはならない悲劇も

ついに悪夢の夜が始まる。

 

「お二人共……ごめんなさい。」

 

僕は今回の悲劇を最後にする為に証拠を押さえる事にしたけど、その代わりにこの会場の人の命を切り捨てた。

 

「だから最後まで見届けよう。そして一人でも多く救おう。」

 

僕はライブが始まった時から警戒を始めた。そして自分の潜むエリアには〈ザドキエル〉を展開させて最低でも百人ぐらいは助けられるだけの結界を準備した。この人達は救う人達であり証人だ。だからなんとしても守り抜く!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんな~ありがと~う!

 

翼さん達が僕達観客に手を振っていたその時……錬金術が発動した。

 

「これは……〈アルカ・ノイズ〉!でも……なぜここに!」

 

翼さんは嘗ての悲劇の記憶がフラッシュバッグして崩れ落ちた。すると上空から〈彼女〉が現れた。

 

「よう歌姫達……あたしが相手だぜ!」

 

「パヴァリアの残党か!何が目的だ!」

 

翼さんは……まだ立ち上がれない。代わりにマリアさんが立ち上がったが、ミラアルクさんは観客の一人を引き寄せ、こう告げてきた。

 

「大人しくしてな歌姫共。あたし達には果たすべき目的がある。まずは動くなよ?」

 

ミラアルクさんは翼さんに〈刻印〉を刻み込み、翼さんは胸を抑えて叫び出した!

 

う……あああアアアアアアアア!

 

「翼ァ!」

 

「動くなっただろぉがぁ!!」

 

更にミラアルクさんは人質の女性の胸を貫いた。目の前で人の死を見せつけられたマリアさんも絶望から膝を着いた。

 

「やめろ……やめろぉ!やめてくれぇ!

 

マリアさんも戦意を喪失する。そして僕はなぜ彼女達がここで心を折られてしまったか気付いてしまった。

 

「僕のせい……だな。僕は知らず知らずの内に皆の成長の機会を奪っていた。今までは万全以上の状態で挑んだからこそできた勝利だったけど、その前提が崩れた皆の心は脆い。それは僕が手を回しすぎた責任なんだね。」

 

僕は自分の行いを後悔しながらアルカ・ノイズの殲滅を始めた。

 

「時間はかけない。すぐに終わらせる!〈一の弾!〉〈八の弾!〉〈ラファエル!〉」

 

僕は殲滅の手数を増やす為に一の弾と八の弾を自らに撃ち、ラファエルの機動力で分身達は殲滅を始めた。そして僕はミラアルクさんに接触した。

 

「なぜ貴女はこんな事を!」

 

「そこを退くんだぜ勇さん!あたし達はやるべき事がある!そこを退かないなら力ずくで押し通る!」

 

ミラアルクさんは翼を広げると僕を蹴り飛ばした。しかし彼女も接触の瞬間に僕の手にチップを握り込ませた。

 

「ガハッ!……本気なのか!もう止められないのかよミラアルクさん!」

 

僕は膝をついた。(ようにしてチップを確実にラボへ転移させた)しかしすぐに立ち上がり彼女へと向き直る。

 

「貴女達が犯した罪を僕は許さない!だからここで捕える!覚悟しろぉ!」

 

僕は〈メタトロン〉を展開して接近して彼女に攻撃を開始した。そして〈天羽々斬〉と〈イチイバル〉で更に追い詰める。

 

「逃げるな!僕達と……ここにいた人達と向き合え!」

 

イチイバルの銃弾とメタトロンのビームが徐々にミラアルクさんの事を追い詰める。

 

「ッやっぱり勇さんは強い!だけどあたし達もまだ負ける訳にも捕まる訳にもいかない!だからここは退くぜ!」

 

そう言って彼女はジェムを起動して撤退した。僕はそれを確認した後に結界を解除して僅かながらの人達を助け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「司令……解析結果は出ましたか?」

 

「ああ。彼女が託してくれたチップには親父殿との取り引きもとい脅迫の映像及び音声とそれを裏付ける材料が記録されていた。」

 

『これを基に私は奴の悪事を証明しよう。だが気をつけてくれ。鎌倉が妙な動きをしている噂を耳にした。前回の報告通りならばそろそろ査察という名目の足止めに入るだろう。』

 

「分かりました。こちらのメンバーの動きに気を配ります。」

 

そう伝えると八絋さんは通話を終了した。しかし僕の不安はもう一つ存在した。

 

「司令……今は翼さんだけではなく、()()()()()()目を覚まさないんですよね?」

 

「ああ。二人共トラウマを刺激された事による心因性の昏倒だろうと医療班より報告があがっている。」

 

マリアさんも……か。神の力の生け贄に検討がついたな。恐らく訃堂は〈マリアさん〉を使うつもりなんだね。なら……こっちも乗ってやるよ。僕の全力で必ずアンタは倒す。

 

「それと勇君……サンジェルマン君から君宛の連絡だ。後で折り返して欲しい。」

 

「わかりました。ありがとうございます。」

 

僕は司令室を出て師匠へと連絡を始めた。

 

「お久し振りです師匠。」

 

『要件を伝えるわ。神の力は儀式を行えばすぐに降臨するわ。だけど生け贄には見当がつかないの。今は目下調査中だから待っていて貰えるかしら?』

 

「わかりました。こちらも彼女達より確実に証拠を集めています。師匠達に協力していただいているので今は順調ですが……」

 

「次の一手が気になるのね?わかったわ。次はセレナと来日するからその時に話を詰めましょう?」

 

「ありがとうございます。では次の機会にお願いします。」

 

僕は師匠との通話を終了した。そしてエルと打ち合わせをする事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕が人質にされる……ですか?」

 

話を伝えるとエルは驚いていた。

 

「うん。間違いなくエルは狙われる。次の査察の時に休暇が出る筈だからそこで操られた人にね。」

 

「僕にできる事はありますか?」

 

「恐らくファラさん達が本気を出せば襲撃者の撃退自体は可能だと思う。だけどその作戦は囮なんだよね。もちろん敵にとってはどちらの作戦も本命なんだけど、今回もその作戦に乗ろうと思う。エル達はこちらの作戦が終わるまで時間を稼いで欲しい。」

 

「時間を……稼ぐ……ですか?撃退ではなく?」

 

「うん。時間稼ぎだよ。彼女達は脅迫をされている。僕達がその黒幕を倒すまでは撃退を待って欲しい。」

 

エルは悩んでいた。そして答えを出してくれた。

 

「わかりました!勇さんの作戦に乗ります!」

 

「ありがとうエル。その時はキャロルが救援に来るから安全は保証するからね。」

 

「もう!勇さんは過保護です!」

 

僕達はまた一つ仕込みをした。だけど不安は拭えなかった。

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