マジで……この世界⁉️   作:タク-F

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ぶつけるべき想い

「マリアさんの事は頼んだよキャロル!」

 

「任せておけ!オレを誰だと思っている!お前の伴侶だ!だから安心して行ってこい!」

 

僕達はお互いの無事を信じて別々の目的地へと転移した。そして僕は風鳴邸に向かい翼さんをひっぱたいてでも目を覚まさせる!

 

「大丈夫だ。その為に覚悟を決めたんだから!」

 

「なら……あたし様も連れて行きな!愛しい弟の為に一肌脱ぐのが姉ちゃんだ!」

 

僕が本邸に入ろうとした瞬間に声をかけてきたのは姉さんだった。

 

「既に未来が邸内でアルカ・ノイズと交戦中だ。しかし勇も連れねぇなぁ!アイツらと仲が良くてその上に惚れられてたんだ!姉にあたるあたし様に態度がなってなかったからぶっ飛ばしてやろうと思ってたんだがな……」

 

姉さんの言葉のキレが悪くなった。

 

「姉……さん?」

 

「そしたらマリアと先輩があたし達に刃を向けて来やがった。先輩の刃だけなら未来の敵じゃあなかったんだが、マリアに宿る力は明らかにヤバイ力だった。」

 

「でも僕達はその正体を知っていたよね?」

 

「ああ。この世界のシェム・ハだろ?アダムを消し炭にした力の正体はあの力と同じだ。そしてフィーネの奴が調べてわかったよ。そしてマリアのアガートラーム自体が奴の力を受けていた聖遺物だったって事もな。」

 

ドゴォォォォン!!

 

すると屋敷から轟音が聞こえてきた。

 

「今の音はなんだよ!クソッ!早く中に急ぐぞ!」

 

僕達は急いで邸内に入り現場を目撃した。するとそこには、アルカ・ノイズと交戦する未来と、不敵に笑う訃堂と今までに見た事のない表情をしている司令が立っていた。

 

「出てこいよ先輩!まさかあたし様に怯えるなんてオチはねえよなぁ?」

 

姉さんは空へ閃光弾を放った。するとこちらへと剣が降って来た。

 

「甘ぇよ先輩!」

 

姉さんは飛来する剣をあっさりと撃ち抜いた。そして折れた剣を一瞥すると翼さんへと向きあった。

 

「雪音か。なぜここへ来た?私達は袂を別った筈だが?」

 

「ハッ!馬鹿かよ先輩!あたし様にとっては先輩ですらも義妹なんだよ!なら姉ちゃんとしてアホな事をしでかした義妹に教育する必要があるんだよ!」

 

「そうか。勇の姉たるお前にとって私は妹に過ぎないか。傲慢だな雪音……お前ごときに遅れをとる私だと思うなよ!」

 

「ならここで白黒つけようぜ翼ぁ!」

 

姉さんは手始めにいつものミサイルをぶちかました。だけどこれは翼さんも良く見る技だ。躱すことも防ぐことも表情一つ変わることなく対処されてしまっている。……まあ姉さんも対処される前提で放ったみたいだけどね。

 

「私を相手に定番の流れに持ち込めると思うなよ!」

 

千ノ落涙!

 

翼さんも面での反撃に撃って出た。だけど狙いは姉さんの足を止める事だろうな。そしてそこから近接に持ち込めるなら流れは翼さんに流れるかもしれない。

 

「足止めたぁ随分消極的だな先輩!ならあたし様の特盛をもって行けやぁ!」

 

MEGA DEATH PARTY!

 

もちろん姉さんもただでは攻撃を受けない。迎撃ついでに当たれば致命傷になるミサイルを放てるのは姉さんの強みだ。だから翼さんは一度体勢を立て直した。

 

「なんだよ先輩!接近戦がしてぇならさせてみろよ?あたし様の弾丸の雨を凌げるならなぁ!」

 

「フンッ!銃火器便りのシンフォギアで私の間合いを制する事が出来ると思わない事だ!」

 

翼さんは礼装を纏い出した……どうやら本気みたいだね。

 

「礼装を展開したよな?行くぞカマエル……あのアホな先輩をぶっ飛ばしてやるぞ!」

 

対抗して姉さんもカマエルを顕現させる。これで姉さんも幾分かは近接が出来る状態にはなった。

 

「カマエルを出したな?ならば遠慮は不要と言う事だな雪音!」

 

「ハッ!良く言ってくれるな先輩!あたしの怒りの限界も近いからなぁ!全力をくれてやるよ!」

 

姉さんはイチイバルの銃弾にカマエルの力を乗せて放った。すると翼さんは〈逆羅刹〉で戦場を駆け回る。

 

「チッ!やっぱり先輩の動きは早えな。だけどその攻撃には恐怖は感じねぇ!そこにあるのは〈怯え〉だけだ!」

 

そう口では言う姉さんだけど翼さんの動きは捕えきれてはいない。その証拠に斬られてはカマエルの炎が体を駆け回っていた。

 

「どうした雪音!口先は達者だが実力がついて来ていないぞ!」

 

……そろそろだな。

 

姉さんは何かを小声で呟いた。そして自分の上空に砲身を向けると矢の雨を降らせた。

 

「なっ!?自分諸ともだと!?」

 

動揺した翼さんは動きを一瞬鈍らせた。そしてその隙を逃す姉さんではなかった。

 

「その隙は致命的だぜ!」

 

〈RED HOT BLAZE!〉

 

必殺の一矢が翼さんに直撃した。

 

「うあぁ!」

 

壁に叩き付けられた翼さんは泣いていた。

 

「私は……防人……なのだ。人を……守れなければ……この身に……意味は……。」

 

姉さんはそんな翼さんの事をひっぱたいた。

 

「甘ったれるなよ先輩。今までの先輩が積み上げたモノってのはそれだけなのか?本当にその程度のモノしかなかったのか?」

 

続けて姉さんは翼さんの事を抱きしめてから続ける。

 

「あたしも間違い続けたよ。だけどこの手を引いてくれる奴もいるんだ。だから先輩も自分の事にきちんと向きあってみろよ?今日から〈風鳴 翼〉として生きれば良いんだからさ。」

 

「雪音……私は……。」

 

翼さんは姉さんの胸で泣き続けた。そしてもう一つの戦いも事態が動いていた。

 

ドゴォォォォン!!

 

その音が響いた先には倒壊した屋敷の一角と不敵に笑う訃堂……そして地面にめり込まされる司令の姿があった。

 

「オッサン!」

 

「悲しきかな。やはり貴様は甘い。今の一合も儂を殺す気であればあるいは……」

 

そして消えるような速度で振るわれた拳が姉さんを木へと叩きつけた。

 

「あぁ!」

 

「雪音!」

 

「翼……貴様に最後の機会をくれてやる。儂の剣と化せ。そうすれば使命は果たせるであろう。」

 

「……お断りします。」

 

「ほう?やはり貴様も出来損ない……か。ならば仕方あるまい。儂自ら世界を掌握しよう!その為にも貴様達は消えろ!」

 

訃堂は翼さんに銃を放つ。しかしその弾は〈降り注いだ光〉によって遮られた。

 

「未来!片付いたのか!?」

 

「終わらせたよ。だけど義姉さんの事を傷つけたあの人を私は許さない。」

 

未来は〈ダイン=スレイフ〉に手をかけようとしていた。しかし翼さんがその前に声を上げた。

 

「すまないな雪音……小日向。私にやらせてくれ。一人の人間として……〈風鳴 翼〉として歩き始める為に!」

 

その雰囲気に先程までの怯えた表情は見当たらず、代わりに皆を包むような雰囲気を出していた。

 

「任せて良いんですね?」

 

「〈防人の風鳴 翼〉は今日で別れを告げる。明日から立ち上がるのは〈一人の乙女としての風鳴 翼〉だ!行くぞ風鳴 訃堂!その怨念はここで砕く!」

 

翼さんは〈アマルガム〉を起動した。どうやらエルは間に合わせてくれたみたいだ。

 

「やはり貴様に防人は似合わぬ!ここで叩き潰してくれるわ!」

 

その雰囲気に違わぬ速度はギアを纏う皆を凌駕しただろう。だけど今の翼さんが纏うのはギアだけじゃない!

 

「行ってください翼さん!その胸に宿る想いを乗せて!」

 

訃堂は翼さんの豹変に対して怒りを露にしながら剣を振り抜いた。しかし翼さんは〈サンダルフォン〉でその斬撃を受け止めた。そして太刀の長さを縮小させて訃堂へと肉薄した。

 

「見えておるわ!」

 

しかしここで思わぬ出来事が訃堂を襲った。

 

「ぬおぉ!?」

 

すると横から矢が突き刺さっていた。

 

「姉さん!?」

 

「さっきあたし様に一撃をかましたお返しだ。そんじゃ決めろよ先輩……。」

 

「雪音!後で言いたい事があるからな!」

 

すると翼さんは手に持つ刃を訃堂の影へと放ち拘束した。そしてバーニアをふかして加速して一つの技を放った。

 

〈逆羅刹!〉

 

「ぬおぉ!?」

 

回避のできない訃堂はこの攻撃が直撃して意識を刈り取られた。

 

「翼……よくぞ踏み止めたな。」

 

「叔父様……私には愛する人がいます。その人の前で命を絶つ事は私にはできません。」

 

僕達がその光景を微笑ましく見守ると研究機関から光が上がった。どうやら彼女が動くみたいだな。

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