そして二課と接触が進んでいく。
翼さんに見つかり、ヤケクソで自己紹介をしてしまった僕は、ひとまず二課に同行することとなった。
事情を知らない翼さんは、終始冷静だったが、戦闘による衰弱と情報量が多すぎるため、響は帰投中に倒れた。
なので僕は〈鑑定のための血液提供〉後に許可を貰い、先に未来と接触した。
「未来………久しぶり。」
「誰ですか?人違いでは?」
幼馴染みは気づかなかった。うん。前世で読んだラノベ知識は役に立たないことがよくわかった。
「ごめんなさい。最初から言います。10年前、幼稚園から小学校に上がる2年間だけいた幼馴染みで、親の都合で海外に行くことになり、大きくなったらまた、4人で遊ぶ約束をして、…………恥ずかしいけど結婚の約束をした、雪音勇だよ。やっと日本に帰れたんだ。ただいま、未来」
とりあえず僕は幼馴染みに再会した。
「遅くなってごめんね。あのあとの僕は海外で途方もない事態になって、パパとママが亡くなったんだ。そして海外を転々としながら、はぐれた姉さんを探したんだ。そして2年前、姉さんの〈国連経由の帰国〉をヨーロッパの方で聞いて、何とか今日帰って来たんだ」
嘘は言ってない。これで通じれば良いんだけど。
「あはは、もう私わかんないや。響は私に隠し事してたし、いなくなったと思った幼馴染みはようやく帰って来るし、クリスが帰って来てたって言われるとね。もう疲れたよ」
そう呟く未来の声に力はなかった。
「未来の情報がパンクする前にまとめると、僕は姉さんはこの近くで見た。だから僕の方は、準備ができたら来てほしい。」
僕はそう言って端末の番号を書いた紙を手に握らせた。
「じゃあ僕はいくからよかったら連絡してね」
そうして他のメンバーの揃った司令室に向かった。
~~side弦十郎~~
俺は一度にもたらされた複数の情報は整理を余儀なくされた。
まず、〈雪音クリス〉君は、2年前に俺たちが保護を試みた少女だった。しかし彼女は帰国後に行方不明となり、俺を除くメンバーが殉職した。
そして聖遺物〈イチイバル〉は、10年前、先代の司令である親父の代に、二課から紛失した聖遺物だ。その後任として現在は俺が司令になるきっかけとなった物だ。
その弟〈雪音勇〉君は8年前、バルベルテ共和国で発生したテロで行方不明となった先程のクリス君の義理の弟に当たる存在で、情報が一切入ってこなかったが、了子君たち裏方スタッフに行って貰った鑑定の結果から、
旧姓〈山田勇〉本人であることが確認された。
最後の方は本人の言葉を待つのみだが、少なくとも前者2つは関連していると俺の勘が告げていた。
~~弦十郎sideout~~
さてさて、おそらく血液鑑定の結果から僕が本人である裏付けはとれたはず。どこまで信じて貰えるかな。
「司令官さんは、僕が何故ここに戻って来たか知りたいんですよね?」
「そうだな。あまりにタイミングが良すぎるのでな。
そういうことは勘ぐってしまう性分なのだ」
「だからこそお話ししますよ。まずはし「弦十郎で構わん」弦十郎さんは。平行世界を信じますか?」
「この地下にその手の曰く付き聖遺物がある、と情報があるがそれがどうした?」
「僕は少し先の平行世界の人間だったのですが、僕の世界の聖遺物の暴走により、僕はこの世界へ転生しました。
そしてその記憶を思い出したのがちょうど姉さんとはぐれたあの事件です。」
「いきさつはわかったが、肝心な所はまだか?」
「では続けます。記憶を思い出した僕は同時に特異能力がありました。そしてその能力に目をつけて来た組織に平行世界におけるその組織の結末を語ることで、その組織に僕は保護されました。」
「なるほど、情報がないのは組織に身を潜めていたからか。だが、何故このタイミングで戻って来た?」
「僕自身も姉さんを探していました。その間僕は組織への貢献と引き換えに修練を行いました。姉さんを見つけても、無力なままでいる気には、僕はなれなかったので。そして2年前は情報が届いた頃にはふたたび姉さんは行方不明になりました。今回の帰国となりました。そして組織に所属し、日本を拠点にしているメンバーから連絡をうけ、急いで帰国したんですが、情報のタイムラグから今回の帰国となりました。」
弦十郎さんは苦い顔をしてるな。おそらく、日本を舞台に巡る各国の思惑を読もうとしているのだろ。
「確かに彼女は、過去二回此方の響君を狙っていた。つまり君は、厳密には一度目の事態で動いていたがタイムラグで今日に至ったと。」
「そうですね。どんなに急いでも数日はかかりますから。」
もうマジで。素人が気づけるのは、翼さんが入院したタイミングしかわかんないよ。ホントに。
「であるならば此方は君に頼みたいことがある」
「奇遇ですね。此方も頼みたいことがあります」
「「姉さん(彼女)の捜索に協力してださい(くれ)」
2人とも同じことを言ったなー。
「ならば君にはこれを渡そう。そして久しぶりに幼馴染みと再会してこい」
弦十郎さんは例の端末を渡して来た。
「良いんですか?間が悪かった時に来た、襲撃者の弟ですよ?」
「連絡手段だ、気にするな。それに君は日本円が不足しているだろう?信用の証として使うと良い」
ヤバい。対応が神すぎて涙が出そう。
「ありがとうございます。さっそく響を探します」
僕はそうして部屋をあとにした。
次回は響と絡みます。楽しみにしてください。
次回〈再会/立花響〉
OTONAは偉大ですね。
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