さあビッキーよ立ち上がれ!君の力はそこにある!
それでは本編へどうぞ。
あのあと僕は泣き止んだ二人から今の状況を聞いた。今コントロールルームにはマリアさんがいて、響が向かっている状況だった。
そして未来の方は、首尾よくやったみたいだな。ドクターがフロンティアの方へ飛ばされてたから。
「あー二人共今の見えた?」
「フロンティアの方に」
「ドクターが飛んで行ったデス」
「多分やったのは未来だと思うよ。だって余波がアレしかなかったから」
「マジデスか。未来さんはトンデモな人デス」
「うん。逆らったら私達は殺されるかも」
いやそこまでは………するかも。未来の何か大事なモノを奪おうとしたら。
「うーん………。っていうか!響とマリアさんを助けないと意味無いじゃん!ゴメン二人共!先に向かうわ」
「モチロンデス!」
「マリアのことは任せた」
その言葉を聞いた僕は転移を開始した。
~~side響~~
私は皆の助けを借りて先にコントロールルームに来た。だけどそこには、絶望した顔をしたマリアさんがドクターを討つ為にしたに降りようとしていたところだった。
「そこをどけ!立花響!マムはあの男に殺された!私はマムの仇を討たねばならない!」
「ダメです!マリアさんのステージの歌を、私はあの日見てました!あんなに素晴らしい歌を歌える人が手を汚す必要なんかありません!」
「私の手は既に血で汚れている!今さら構うものか!」
「それでもダメです!今のマリアさんは無理をしています!本当の貴女らしくありません!」
「うるさい!それでも退かないと言うなら!まずはお前から!」
マリアさんはそう言って槍を振るって来た。だけど私はその槍を掴んで!
「聖詠!バカな!一体何の為に!」
私にはわかる。マリアさんのガングニールから伝わる悲しみが!だから私が!これ以上悲しみを広げない為に立ち上がるんだ!
「何なんだそれは!?お前が纏うそれは一体何だと言うのだ!?」
「撃槍・ガングニールだぁぁぁ!!!」
「再び力を手にしたんだね響」
「えっ………なんでここに来たの!勇君!」
~~響sideout~~
~~勇side~~
僕がここに着いた時にウェルの姿は無かった。代わりにギアを手にした響とうなだれるマリアさんがいた。
「ウェルの奴、左腕をフロンティアに接続して重力を操作したのね。ネフェリムの心臓が接続されたフロンティアと奴の腕は繋がっている。戦う資格の無い私には、何も出来ることはないわ。だからお願い。」
すると響は笑顔でこう言った。
「私、ここに来る時に調ちゃんと約束したんです。〈マリアさんを助けて〉って。だから、私達に任せてください」
「なら、ウェル博士の追跡は俺達が請け負おう。響君達はネフェリムの心臓を何とかしてこい!」
「わかりました。師匠!ありがとうございます!」
そう言って響と弦十郎さん達はそれぞれの目的地に向かった。
「貴方は向かわないの?私は自分を偽り続けてきた。セレナが死んだと思ったあの日からは、あの娘の分まで生きようとしたわ。でもセレナは生きていたけど、私の前に姿を現したことは無かったわ。私を情けないとあの娘は思っているんじゃないかしら?」
そう言ってマリアさんは、不安と無力感を強く出した顔をしながら僕に尋ねて来た。
「僕はそうは思いませんよ。セレナさんは貴女達を助ける為に、本来は会ってはならない貴女達の前に現れた。貴女達がやりたいことを全力で支援するためです。
マリアさんの前に姿を現さないのは、その決心を揺らがせない為じゃあないですか?家族の側にいたら、思わず任務を放棄したくなります。でもそうしてしまうと貴女達を助けられない。だからマリアさんの前だけには姿を現さなかったんじゃあないですか?」
僕の主観だ。本人から聞きたいところだけど、今は時間が無い。事が終わったら、必ず師匠達にコンタクトをとろう。
「そんな………セレナは………私の為に………」
「あくまでも僕の予測です。本当のことは本人から聞くのが一番です。だから今はこの事態を乗り切る為に貴女の力を借りたいんです!」
「無理よ!私は!世界を救う為に立ち上がっても!人に力を振るうことさえ怖いの!実際にこの槍で命を奪ったあの日!私はあまりの状況に対して無我夢中で槍を振るったけど!あの日以降槍を持つ手は震えて仕方無いの!もう私には立ち上がる力は無いの!」
そうだ。マリアさんは本当に優しい人だった。自分の本心を隠してまで、仲間の為に危険な役割を背負い続けていた。それを僕は間近で見ていたじゃあないか。
「マリアさん。貴女は優しい人です。自分の為じゃなくて、自分の周りの人を助ける為に貴女は、自分を偽ってまで行動しました。それは誰でも出来ることではありません。そして貴女はナスターシャ教授を守る為にアメリカ兵を殺したことを悔いて、槍を持つ手が震えると言っていました。でもそれは、貴女が誰よりも命と真摯に向き合ってきたからだと僕は思います。だから貴女は優しい人なんです。」
「そんな!嘘よ!私が優しいなんて!」
「貴女が自分の不安な時に歌っていたあの歌を聞いた時、貴女の顔には陰が見えてました。僕は貴女の歌をまだ一度だってちゃんと聞けてません。もし貴女が不安で押し潰されると言うなら、僕は側にいます。貴女が立ち上がる為に僕はなんだってしますよ。だからお願いします。貴女の歌を聞かせて貰えませんか?」
マリアさんは涙を流しつつも、目に少し力が入ってきた。
「貴方は随分と勝手なことを言うわね。こんなに脆い女に立ち上がれなんて、よくもまあ残酷なことを言うわ。でも、そこまで言うなら見せてあげるわ。その代わりに責任をとりなさい。
私のステージをよく見届けなさい!世界でただ一人の為に歌う最高のステージにしてあげるわ!!!!」
「ええ!よろしくお願いしますよ!マリアさん!」
最後の装者が立ち上がる覚悟を決めた。
おや?マリアさんの様子が?まさか勇君!やってしまったというのか!君はどこまで………
次回〈希望が揃う時④〉
ネフェリム討伐間近です。更新をお待ちください。
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