それでは本編へどうぞ!
響と未来が戦場に到着し、キャロルも現れた。
「二人共、キャロルとおもいっきりケンカしてきなよ。大丈夫、二人はきっと呪いに打ち勝てる。だから出せる全力で行ってきてね」
「うん!キャロルちゃんに私達の方が勇君を好きなんだって伝えてくるね!」
「私達が最初に惚れたんだから、この想いは譲らないよ。絶対に負けないから、私達の姿を見届けてね?」
響と未来がそれぞれの決意を僕に伝えてきた。だから僕も見届けよう。二人が呪いに負けない強い想いがあることを。
「ではまず、こいつらと戦い今までとの違いを見せてみろ!」
そう言ってキャロルはアルカ・ノイズを二千体は召喚してきた。
「未来、いけるよね?」 「もちろん!響も大丈夫だね?」
「「たかだか二千体!ウォーミングアップで片付けてあげる!」」
そう言って二人はノイズとの戦闘を始めた。その間にキャロルに確認するか。
「キャロルから見て二人はどう?」
「目が変わったな。自信を取り戻した顔つきになった。それでこそオレが手を下すに相応しい!」
「なら、ダヴルダヴラを纏いなよ。僕はあの姿の君だって好きだから」
「ああ。勇にそこまで愛されてるならオレは今何でもできる気がするぞ!」
僕達が話していると響達はノイズを全て片付けたようだ。
「うん。もう解剖機関からの攻撃も恐くないし、体も調子が良い!負ける気がしない!」
「さあ!ウォーミングアップは終わりだよ。やろうかキャロルちゃん!」
「そうだな。お前達の評価を下すのはこれからだ。簡単に倒れるなよ!」
そう言ってキャロルは大人の姿になり、ファウストローブを纏った。
「まずは私から!」
響が一番自分らしい最短・最速・真っ直ぐな拳を突き出した。
「ほう。あの時より速度・重さ・動きの迷いがないな。良い変化だ。だがまだ足りんなあ!」
弦で作った壁は響の動きを絡みとり、キャロルから手痛い反撃の火球が飛んできた。
「うう………あの糸が突破できないと、攻撃が届かない!」
「なら私が次は行くよ?」
そう言って未来は閃光を放って、キャロルを牽制して触手攻撃を浴びせる動きに出た。
「なるほど、目眩まし兼致命傷の一撃で動きを制限して近接に持ち込んだやり方か。だがその動きは知っている!」
そう言うとキャロルはメタトロンの光で相殺し、触手を風で弾いた。ん?キャロルは天使も使えるの!?
「キャロル!いつの間に天使を!?」
「ああ。この力は勇がシャトーを離れてすぐの頃から発現したぞ?あの時の勇が見せてくれた力をオレも使いこなさねばならんかったからなぁ!」
マジか。アレは霊力任せじゃないな。てことは、響達も切欠があれば発現するかもしれないってことだな。
「未来!今の私達じゃあキャロルちゃんに届かない!今からアレを使いこなそう!」
「そうだね。絶対に使いこなそう。だから響、手を握ってくれる?」
「うん!私達二人で必ず乗り越える!」
「「イグナイトモジュール抜剣!!」」
〈ダイン=スレイフ!!〉
そのモジュールを使った瞬間から、二人の体を闇が覆った。
「始まったな。呪いに打ち勝てよ小娘共。でなければ意味がないからな」
「大丈夫だよキャロル。二人は必ず乗り越えるから」
そう言って僕達は二人が呪いに打ち勝てるのを待った。
「ああそうだ。膝枕をしてくれ勇。オレもご褒美が欲しい」
「はあ………良いよ。おいでよキャロル」
響達が戻って来たら別の意味でも修羅場な気はしたが、僕は大人しくお願いを聞いた。
~~響side~~
ダイン=スレイフが見せた悪夢は、私が初めて行った翼さん達のコンサート後の迫害の日々だった。家族でまた過ごす為に必死でリハビリをしたのに、お父さんは家から逃げて、私達は近所から人殺し扱いをされて、政府からの見舞い・補償金の受け取りは税金泥棒の扱いすらされた。あの時程世界を憎んだことはなかったな。
〈へえ。それが貴女のトラウマですか?〉
知らない声が聞こえた。
「貴女は一体だれなんですか?」
〈私は貴女の婚約者の方の力の一部を、嘗て持ってた存在ですよ。わかりやすく精霊さんとでも呼んでください〉
勇君の力?あの力の一部?なんで私にそんなことが?
〈うーん………「何で?」って顔をしてますね。簡単ですよ。貴女が私の力を受け取るに相応しいか見定めに来たんですから〉
「勇君の力を受け取る?」
〈はい。だから私が質問をします。貴女はそれを正直に答えてください〉
「わかりました!お願いします!もう私は何も失いたくないんです!皆と手を繋ぐ為に!」
〈では聞きます。貴女は「手を繋ぐ」と言いましたが、どうやって実現するつもりですか?〉
「相手と向き合って話をします!本当は拳を振るう前に話がしたいです!わかり合う切欠を作る為に!」
〈なるほど。確かにぶつかり合いになる前ならそれはできますね。でも、相手の想いが他者を受け入れ難い程強硬な時はどうしますか?〉
「相手の想いを受け止めて、私の話を聞いて貰えるようにします!絶対に私はもう逃げないと、あの時に誓ったんです!」
〈貴女の覚悟は伝わりました。
貴女には人に「声を届ける力」を与えます。
その力で、彼女に自分の覚悟を伝えてきなさい〉
「精霊さん!ありがとうございます!その力で私の想いをキャロルちゃんに伝えてきます!」
待っててね。未来!勇君!キャロルちゃん!もう私は迷わない!この声を必ず届ける!
~~響sideout~~
~~未来side~~
〈ダイン=スレイフ〉が見せた悪夢は、私が神獣鏡を纏う前の無力な自分だった。勇君が私達の前からいなくなった九年前。響がノイズに襲われた三年前。そして響が戦い出した一年前。勇君が帰って来てから拐われた半年前。私は何も変わらなかった。神獣鏡を手にいれるまではただ守られる存在でしかなかった。だから力を手に入れた時は勇君を今度こそ守れると信じていた。だからキャロルちゃんが勇君を私達から奪う宣言をした時から辛くなった。また私から太陽が奪われる。
〈ダメよ。その考えでは貴女の想い人に振り向いて貰うことはできない〉
「貴女は誰ですか?いきなり人の想い出に入ってくるなんて」
〈それは申し訳ない。でも、今の貴女は見ていられなかった。〉
「どういう意味ですか?」
この人は私に何を伝えたいのだろう?
〈貴女は何の為に戦うの?〉
「私は私の太陽を奪われない為に戦います。絶対に離さない為に、泥棒は排除します」
〈その信念は立派。しかし手段が良くない。力で相手を排除しても意味はない。嘗ての私がそうだった〉
「嘗ての貴女ですか?」
〈そう。私は想い人の「士道」をライバルから奪うつもりでいた。でも、彼は既に想い人がいた。だから私は持ち得る手段を駆使して彼に近づいた。しかし成果には至らなかった。強引に行けば行く程、彼は私を受け入れなかった〉
言われて気づいた。勇君の意思を無視して成果をあげようと、すればする程勇君に逃げられてた。
〈だから貴女は工夫をすべき。貴女の望みは何?〉
私の望み………勇君を失わない。彼を守ること。
「私は、無力だった時に救ってくれた彼を、今度は私が守りたい。だから力を望みました。でも今は強大な敵がいます。自分が無力に思える程の。だからって今の私は逃げたくありません!勇君を取り戻す為に立ち向かいたいです!」
〈そう。それこそが、あるべき覚悟。その覚悟を失わないなら、貴女はいつか必ず望みを果たせる。だから忘れないで〉
「何故貴女は私にそこまでして助けてくれたんですか?」
〈貴女が嘗ての私に似ていた。力に溺れる前の私と。だから助けたかった。〉
「ありがとうございます。貴女のおかげで、大切なことを思い出せました。だからお名前を教えて貰えますか?」
〈私の名前は「折紙」。そして貴女に託す力は「光」。未来を照らす為の力よ〉
「ありがとうございます。折紙さん!私はもう迷わないです!折紙さんに託された光で、必ず私達の未来を照らします!」
私が力を継承すると、闇が晴れてきた。待っててね、響!勇君!私の信念が折れないことをキャロルちゃんにも伝えるから!だから見守ってね。
~~未来sideout~~
「闇が晴れたね。キャロル」
「ああ。奴等の信念を受け止めて見せるさ。そしてオレの意思も奴等に見せよう。だから勇!このケンカが終わった時はオレはお前を手に入れる。今回は絶対に逃がさん。お前の魂までオレの存在を刻み込んで、肉体にも証を残すからな」
「わかったよ。降参だ。このケンカが全部終わったら、キャロルの望みを叶えるよ。僕も君を愛してるし、僕自身の初恋はキャロルだからね。」
「約束だからな!必ず刻み込んでやるからな!」
そして響達が、イグナイトギアを纏った姿をした。
「良い顔つきだ小娘共!さあ!始めるぞ!」
響に力を与えた精霊 〈ファントム〉
フロンティア事変の頃に響に聞こえた声の主。本来は美九さんの予定だったが、彼女では試練にならないのでファントムさんが〈霊結晶〉を与えた。
未来に力を与えた精霊 〈鳶一 折紙〉
思想や行動力にシナジーがあった。393の暴走的な既成事実の作り方では勇君に逃げられると指摘。キャロルちゃんに勝てなくて反転化するリスクもあることから、未来がどう覚悟を決めるか見定めた。
………ひびみくの覚醒シーン中にいちゃラブする主人公とメインヒロイン。あー本作品はキャロルがメインルートでしたね。
〈キャロルの心は舞い上がった!〉
ん?あの光は………?(暁光と砲冠に飲み込まれた作者)
未「役に立たない作者に代わり私が予告します。
次回〈対決!キャロル〉です。
更新をお待ちください。
さて!作者にオシオキをしなきゃね!」
(次回の更新まで作者を見た人は393以外いない)
感想やメッセージをいただけると、執筆意欲が上がります。よろしければお願いします。
一話の長さはどちらの方が好きですか?
-
一話を濃密にして話数を少なく
-
このまま切りの良い範囲で
-
どちらでも良し