それでは本編へどうぞ。
「ほう。イグナイトを制御してみせたか!面白い!それでこそ倒しがいがあるぞ!立花響!小日向未来!」
「うん!今度は簡単には負けないよキャロルちゃん!」
「私達が想い続けた九年間の大きさを見せてあげるよ!」
三人の雰囲気は重い。それこそ時間の流れを遅く感じる程に。そして静寂を崩したのは未来だった。
「最初は私からいくよ!」
閃光を発動して、牽制に入ったがこれは先程見た流れだ。キャロルも見ずに回避して見せた。
「同じ芸が何度も通じると思うなよ!」
「もちろん!私達も思ってないよ!だから私がここにいるんだから!」
すると響が閃光を屈折させて軌道を変えて見せた。なるほどね、アレは未来のマーカーか。
「まさかギアの分解攻撃を屈折させてオレを狙うか!面白いぞお前等!」
キャロルも今のは予想外だったみたいだ。顔に焦りが出てたからね。
「惜しいなぁ。初撃なら当たると思ったんだけどなぁ」
未来の呟きにキャロルが答えた。
「なかなか上手い作戦だったな!相手がオレでなければ良い一撃だった!だがオレも本気でな!勇を手放す気はないぞ!」
「なら今度は私からぁ!」
響が突撃して近接戦闘をする為に間合いを詰めようと動いた。
「甘いな立花響!お前の愚直さは知っている!」
キャロルは響を弦で絡めとる動きをしてきたが、響の表情に焦りはなかった。
「ガヴリエル!〈輪舞曲〉!」
ガヴリエルだって!?あの力は天使の………いや、嘗て令音さんが言ってたな。僕とのキスで霊力が流れて、いずれ精霊に至ると。なら僕の言うことは一つだけだ!
「二人共!天使は自分の心の象徴だ!だから!今までと同じだ!恐れることはないよ!」
「チィ!お前達も天使を使いこなしたか!だとしても!オレは勇を手に入れてお前達を越える!その為にもお前達に負けるわけにはいかんのだ!」
キャロルはメタトロンの力を展開し始めた。髙機動力と出力が合わさったあの天使は、使いこなせばダヴルダヴラとの相性はかなり良いぞ。
「響!そのまま突き進んで!道は私が作るから!」
キャロルは弦を巧みに操り、簡易的な結界を作り出した。アレに腕を絡められたら、響は次の一撃を回避できないだろうな。
「未来の作戦ってなんだろうな………」
そう呟くと、弦の結界が崩れた。響は何もしていなかった。つまり未来がやったことになるが、一体何をしたんだ?
「小日向未来!随分面白い戦い方をするな!今の攻撃は驚いたぞ!」
キャロルは結界が崩れて直ぐに距離をとって直撃を避けた。
「惜しい!今のを避けるなんて流石キャロルちゃんだよね!私達の攻撃が全然当たらないからジリ貧だよ!」
今の響の一撃は致命傷になる。キャロルはそのレベルの一撃だと理解してたみたいだ。
「ならキャロルちゃん!次の攻撃はどうかな!」
さらに未来はマーカーを大量展開してきた。一つ一つの大きさでようやく天使の検討がついた。
「ふん。お前もメタトロンを使ったようだな。さっきのが〈日輪〉で、今のは〈光剣〉だろう?なるほど。上手く使いこなしたか。面白い!」
本当に三人共楽しそうに戦うから、僕の存在感が弱くなってる気はする。
「ねぇキャロルちゃん!次の一撃で決めないかな?」
「良いだろう!全力で来い!」
キャロルがグラビトンエンドを発動して、強大な一撃をぶちかましてたけど、未来が前に出た。
「メタトロン〈砲冠〉!」 「ガヴリエル〈行進曲〉!」
最大火力と後方支援の同時展開で両者の技が一時的に拮抗した。だけどその時間があれば………
「最速で最短に真っ直ぐに!」
響がギアのバーニアをふかしてキャロルに突撃した。そして攻撃を抑えていたキャロルの顔面をおもいっきりぶん殴った!
「ぐあぁ!」
そして生まれた致命的な隙に未来が〈天翼〉を使って接近して追撃の蹴りをぶちかました。
「「これが私達の勇君への想いだよ!!」」
瓦礫に叩きつけられたキャロルの体は、カマエルの再生が始まっていた。氷の破片もあったから、咄嗟にザドキエルを展開して威力の減衰もさせたんだろうね。流石がキャロルだ。器用だね。
「はぁっ!はぁっ!今のお前等がここまでやるとはな………。認めよう!今のお前達はオレの敵だ!次はオレ自身の歌を聞かせてやる。全員でイグナイトを使いこなしてくるんだな!」
そう言ってキャロルは転移して行った。
「キャロルちゃんの歌?」
響が「わからない」って顔をしていたので、僕が説明することにした。
「フォニックゲインだよ。もともとダヴルダヴラは琴だからね。本来なら記憶を消却するけど、今のキャロルにはガヴリエルがあるから、次は全ての天使を使うだろうね。間違いなく全力だよ」
「まだ力を隠してたんだ。なら次はそんな余裕もない程追い詰めないとね………」
未来の呟きは怒りが隠れていなかった。手加減されてたことが気に食わなかったようだ。
「なら、次は7人で虹の旋律を奏でなよ。それこそ嘗ての統一言語だから、自分達の想いを最も形にしたものになるからね」
「うん!キャロルちゃんとは仲良くなれる気がするよ!勇君は渡さないけど!手は繋げるってわかったから!」
響は花のような笑顔で言ったけど、それ嫉妬も隠す気がないな………これは先が長そうだ。
〈 響は 勘違い を している 〉
あの場所にその勘違いを正せる者はいない。
〈 393は 怒って いる。〉
手加減されたことが悔しかった。これでは勝った気になれない。
次回〈水着とプール〉
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