「やったわ!これで私も強くなれるわ!見てなさいガリィ!この力で必ずリベンジするわ!」
いや今回は天使の継承回ですよ!?
それでは本編へどうぞ。
〈自動人形〉のガリィが、装者を襲撃した。
「今回のアタシの獲物はアンタだよ。〈マリア・カデンツァヴナ・イヴ〉!前回と違うところを見せてみな!」
「敵の襲撃!?誰も気付いていなかったのか!?」
翼さんが動揺していたが、マリアさんは素早く反応した。
「切歌・調・翼!貴女達は付近の避難誘導を促しなさい!響・未来・クリスは私とアイツの迎撃兼足止めよ!この敷地からアルカ・ノイズは一体も出させないわよ!」
「暁!月読!私に続け!この周囲一帯の人々を避難させてマリア達が戦い易いように立ち回るぞ!」
「了解」「わかりましたデス!」
そう指示を出してザババコンビと翼さんは避難誘導を始めた。そして迎撃組の方は………。
「くそ!この場所じゃあ奴の土俵か!攻撃が悉く防がれる!」
「未来!アルカ・ノイズの数が多くて殲滅しきれない!」
「響!弱音を吐いちゃダメだよ!ここで倒さないといけないんだから!」
アルカ・ノイズ迎撃組は場所の都合もあって、殲滅が困難な状態となっていた。実際場所は原作の海と違い屋内の為に、その苦労は相当なものだろう。そして肝心のマリアさんの方はガリィに翻弄されていた。
「アイツの動きを捉えられない!どうにかしないと………」
「マリア!あたしは響達の援護に行く!多分あたしはノイズの殲滅に回った方が良さそうだ!」
「ッ!頼むわよクリス!」
「あたしに任せな!そしてその手柄であたしが今日のMVPだ!」
姉さんが離れてマリアさんとガリィの一対一になった。
「ようやくサシでやれるわね!マリア・カデンツァヴナ・イヴ!さあ!テスト本番よ!」
ガリィが手加減をやめて戦闘態勢に入った。遊びをやめたガリィは本当に対処が難しい。水の分身をはじめ、氷による物理攻撃は凶悪だし、何より相手がどう負担を感じるかよくわかる。
「本当に貴女が最弱か疑わしいわね!これだけやって攻撃が届かないのだから!」
「それは間違いないわ。ガリィちゃんの出力は最弱よ。他の三人の方が絶対に火力が高いわ!」
そのやり取りの際もマリアさんは、蛇腹剣での攻撃や、短剣の投擲、銀腕を用いた接近戦等の周囲の被害を最低限にする立ち回りを余儀なくされていた。
「クッ!近距離と中距離だけでは埒があかない!せめて射撃能力が使えれば!」
「あらあら、これだけ自分が不利で尚周囲の心配をするのね。それがアンタの信念なのはわかったわ。だからガリィちゃんもその流儀に乗ってあげる。ついて来なさい!そこで自分の甘さも教えてやるよぉ!」
そう言ってガリィはマリアさんの剣をつかんで引き寄せた。そして結晶を砕いて転移を開始した。
「クッ!引き剥がせない!」
マリアさんも逃れることはできずに巻き込まれた。なら、僕も追いますか!
「みんな!僕はマリアさんの覚悟を見届ける!後は頼む!」
僕はラジエルとミカエルの二つを展開してマリアさんの転移先に向かった。
~~転移後~~
転移した僕が見たのは、余裕を見せるガリィと、既に肩で息をしているマリアさんだった。
「アンタの信念は立派だったわ。だけどアンタには実力が足りない。モジュールを使いなさい!それでアンタの最後の評価をしてやるよぉ!」
なるほど、今から抜剣するのか。見せてくれマリアさん。貴女の心の強さを!
「………勇………来てくれたのね。………なら、これ以上無様は晒せないわ!嘗て貴方は私の全てを支えると言った!だから私は!もう迷わない!
イグナイトモジュール抜剣!」
〈ダイン=スレイフ〉
その瞬間マリアさんの体を闇が覆った。
~~マリアside~~
私の悪夢は、セレナを失ったあの日から強くなった。それまではどんなに辛くても、切歌・調・セレナを守りたいと思って過ごしてきた。でも、ネフェリムの起動実験が行われたあの日に、私は妹と離れ離れになった。後に再会することはできたが、あの日までは残された二人を守れるのは私だけだと、自分に言い聞かせることしかできなかった。だから宿ってもいないフィーネを演じたり、アメリカ兵を不慮の事故とはいえ、殺害してしまった。そうすると私は、偽り続けた自分に対して何が残されたかわからなくなっていた。
〈あらあら。それが貴女の闇ですか?〉
「………!貴女は一体!?それに何故私の過去を!」
〈いえ、私は貴女を見極めに来たのですわ〉
「どういう意味かしら?見極めるって」
〈そんな殺気を向けないでくださいまし。ただ貴女に幾つかの質問をするだけですわ〉
得体が知れない。底知れない闇そのものとでもいうような雰囲気の女性に、私は警戒と恐怖を抱いた。
〈貴女は何の為に戦いますの?〉
何の為に?私は嘗て、セレナが残した皆を守りたくて立ち上がると決めた。でも、守られていたのは私の方だった。
「何の為に………ね。私は目標が探せなかった。変わり続ける状況に流され続けて、いつも周囲に助けられていたわ。本当は私が守りたかったのに………ね。」
〈やはりですか。嘗ての私と貴女はよく似てますわね〉
「嘗ての貴女?」
〈ええ。嘗て私にこの力を授けた者がいましたわ。しかしその人物は、周囲の人間の命を目的の為に利用し続けましたわ。私の親友も例外ではありませんでしたわ。〉
「貴女にも救いたい人がいたのね。私はそう思うことすら………」
〈私は与えられたこの力をもって、彼女に復讐しようとしましたわ。ですが、それは叶いませんでしたわ。ある人物に出会ってしまったのですから〉
そう話す彼女は、一人の恋した乙女の顔をしていた。
〈そして彼、「士道さん」に、私は勝負を挑みましたわ。彼が勝てば私の、私が勝てば彼の力をいただくという勝負を。〉
「一体どんな勝負をしたの?」
〈「先に相手の心を掴んだ方が勝ち」という勝負ですわ。〉
そう話す彼女の顔は幸せといった様子だった。
〈貴女にもいるのでしょう?全てを捧げたい殿方が〉
「ええ。私は彼を、勇に全てを捧げると誓ったわ。でも彼は今、私から奪われそうになっているの。それが悔しくて仕方ないわ!だから彼へ見せたい!私の決意を!見届けて貰いたい!そして彼と添い遂げたい!」
〈そう。その気持ちですわ。それがあれば、貴女は闇には落ちませんわ。そして私の力を使いなさいまし。きっと役にはたちますわ〉
「私に?良いの?貴女の力なのでしょう?」
〈ええ。ふさわしい方に継承したくて私は待っていたのですから。ああでも、貴女の殿方にお伝えくださいますか?〉
「ええ。必ず伝えるわ。どんな内容かしら?」
〈貴方の力の代償は、既に対価が支払われていますわ。ですから、貴方自身が負うことはありませんわ〉
「必ず伝えるわ。最後に貴女の名前を教えて貰えるかしら?恩人なのだもの」
〈そういえば名乗っておりませんでしたわね。私の名前は「狂三」ですわ〉
「ありがとう狂三さん。必ずこの力を使いこなして見せるわ!」
〈ええ。私はいつでも見守っていますわ〉
そう言って私の意識は現実に引き戻された。
~~マリアsideout~~
マリアさんに力を与えた精霊 〈時崎 狂三〉
マリアさんの自分の本心を偽ってでも目的を達成する覚悟に、嘗ての自分の姿をかさねた。そして自分の守りたい人を守る為の強さを知っている彼女は、マリアさんにザフキエルのリスクが霊力のみになっていることを伝える。
この伝達のお陰で黒幕達は安心して何かを行っているらしい。詳しくは本章の最後で明かされます。
次回〈マリアの決意〉
更新をお待ちください。
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