それでは本編へどうぞ。
約束の日時と場所で、僕達は洸さんを待った。
「お父さん………来てくれるかな………」
「来なかったらその時は、その程度の認識ってことだろうな。おじさんがそうじゃねぇと信じてぇがな」
「流石にドタキャンはないと思うよ………仮にも大人だから」
そんな話をしていると洸さんが入店をしてきた。
「おっ!この席だな。すみません!サンドイッチとコーヒーを追加でお願いします!」
店員さんにオーダーする洸さん。原作なら文無しだったからな。少し釘を刺すか。
「洸さん。今日は来ていただきありがとうございます。ですが、今のオーダーは勿論貴方のお支払で間違いないですよね?」
「いやー勇君ごめんな。今持ち合わせが心もとなくてな。出して貰えると助かるんだが………」
やっぱりか。多めに持って来て良かったな。
「………正直このやり取りだけで貴方の魂胆がわかった気がしますが、念の為に確認します。貴方は響とどうありたいですか?また、どうして欲しいですか?」
「ふーむ。俺としては、また家族で過ごしたいし、響には母さん達の説得を頼みたいな。俺の話だけだと取り付く島もないからな」
「お父さん!そんなの自分勝手だよ!私が一番側にいて欲しい時にいなかったお父さんには!虫がよすぎるよ!」
「まってよ響!」
響は泣きながら走って退店して、未来が響を追いかけた。
「勇………手の力を抜け。お前は何の為に耐えたんだ?」
姉さんの言葉を聞いていくらか冷静になれたので、僕は洸さんと話し合いにのぞんだ。
「自分勝手か………わかってはいるんだが………時間では解決しないか………」
「洸さんはわかっていますか?時間が解決するって意味がどういうものか」
「ん?お互いに冷静になれる為じゃあないのかい?」
「僕は違うと思っています。時間が経てば、対象にかける興味や関心が薄れるんですよ。
それこそ〈好きの反対は無関心〉と言える程にね。このままの貴方なら、貴方の為に努力すること自体がいずれ響達には苦痛になるでしょう。」
「ははは。勇君は手厳しいなあ。なら聞かせてくれないか?君の考えってやつをよ」
僕はその言葉を聞くと、姉さんにアイコンタクトをとった。どうやら話しても良さそうだ。
「僕達がパパとママの夢に同行する為に響達と別れたのは覚えていますか?」
「ああ。響も未来ちゃんもあの時は泣いていたなあ。あれから九年か………懐かしいなあ」
「ええ。九年前に僕達姉弟はテロで両親を失いました。僕は姉さんを逃がす為に囮になり、姉さんは難民キャンプに保護されました。そこで僕達は離れ離れになりました」
「そんなことが………だが二人は再会できたようだね」
「ええ。僕を保護してくれた組織は世界情勢に聡いので、姉さんの発見を期に日本に帰国して、未来・響とも再会し、姉さんとも再会できました」
「そうだったのか。君達も色々あったんだな」
「だけど僕は雪音家に引き取られるまでは、本当に絶望していました。覚えていますか?11年前に父さんが亡くなった事故のことを………」
「そうだったな。君は二度も目の前で親父さんを亡くしているんだったな。そんな君からすれば俺は殴りたいんだろう?」
「ええ。その考え方通りなら、とても殴りたいですよ?
しかしあくまでも余所の家庭です。だから何もできませんから。」
「勇………お前………」
姉さんの心配する声が聞こえて冷静さを取り戻した。
「洸さん。もう一度よく考えて貰えませんか?自分が何をしたいのか、何ができるのか。響達と一緒に暮らしたいならお願いします。お会計はこちらで済ませますから。行こう姉さん」
「お、おう」
こうして僕達は、最悪の再会をしてしまった。
家族との距離感の問題は、私自身の経験や価値観を投影しました。なので不愉快に感じた方々は申し訳ありません。
次回〈襲撃!ミカちゃん!〉
更新をお待ちください。
感想やメッセージをいただけば、執筆意欲が上がりますので、よろしければお願いします。お待ちしています。
一話の長さはどちらの方が好きですか?
-
一話を濃密にして話数を少なく
-
このまま切りの良い範囲で
-
どちらでも良し