マブラヴ オルタネイティヴ episode HAGAKURE 作:不屈闘志
2001年11月19日
午前10時03分
国連軍横浜基地演習場
「♪♪♪♪♪♪♪♪ーーー!!!」
朽ちたビルの三階から空中に飛び出した覚悟は、口から衝撃波のような大音量の美声を防爆服を着た五人の兵士に放った。
『零式防衛術・桜歌七生擊』
『桜歌七生擊』とは、特殊な吸力にて大気力を体内に取り込み、それを一気に放出することで一定範囲のすべてを対象とした音声を発する攻技。元は密閉空間で使用するのが正攻な為、破壊力が低く静物破壊には向かないが、屋内であれば人体殺傷には十二分な威力を持つ。
その手に持つゴム弾を放つマシンガンより早い覚悟の特殊な美声を浴びた兵士達は、ゆっくりと倒れた。
もし覚悟が『桜歌七生擊』を屋内で生身の兵士に使用していれば、兵士は容赦ない振動波のような美声で全身の穴から血を吹き出し、即死だっただろう。しかし、広い屋外の演習場の上、音をあまり通さない防爆服に身を包んでいたゆえに鼓膜が破裂する程度の大音量で済み、全員気絶に収まった。
夕呼は、気絶した兵士達のバイタルデータを調べ、鼓膜破裂以外の外傷がないことを確認し笑みを浮かべる。
(ふふ、やるわね。確か、あんたがくれた46文書にそんな零式の技も載っていたものね。兵士達も鼓膜形成手術をすればその日の内に通常の任務に戻れるし、骨折や打撲させるよりも理想的な制圧の仕方だわ。)
カチッ
夕呼は、通信機をのスイッチを入れる。
「第一関門突破よ。葉隠訓練兵、次の演習場に向かいなさい。」
「了解!」
覚悟は、夕呼の指示を聞き、次の演習場に向かった。
第一関門を余計な時間を消費せず、その上無傷で突破した覚悟を、 何故か夕呼のとなりで不安げに見守るみちる。
(葉隠、あれがこの総合演習の山場ではないんだ。決して油断するな。多分、お前は私が担当した最初で最後の…たった一人の教え子なんだ。こんなことを演習中の訓練兵に願うのは間違っているかもしれんが、落第してもいい。せめて死なないでくれ……。)
時は、一週間前に遡る。
2001年11月13日
午前11時05分
国連軍横浜基地
夕呼の執務室近くの男子トイレ
ジャァァァー
数分前、みちるからきついご指導を頂いた覚悟は、最初に案内する予定であった医療室に行く前に、化粧を落とすべく男子トイレに案内され顔を洗っていた。
「まだか葉隠、早く化粧を落として治療を受けに行くぞ。」
みちるはトイレの外から、覚悟を急かす。
「了解。今、参ります。」
数秒後、化粧をすべて落とした覚悟は顔を手拭いで拭き、背後からみちるに声をかける。
「お待たせして申し訳ありません。伊隅大尉。」
「よし、では…………行くぞ。」
振り向いて化粧を落とした覚悟の顔を見たみちるは、わずかに返事が遅れた。化粧を落とした故に、数分前には解らなかった覚悟の顔に残る生々しい傷痕を見たからである。
そして、トイレを後にし、覚悟を連れて長い廊下を進むみちるは、何気なく覚悟に告げる。
「足を止めずに聞け、葉隠。先程、私に挨拶をした時、傷だらけの顔で応対するのは失礼だと考慮し、痕を隠すために化粧をしたと言ったが、そんな傷程度で私は失礼な奴だとは微塵も思わない。だから、これからはどんな時であろうと化粧は禁止だ。後は、この一週間の間だけだが私のことは大尉ではなく、教官と呼べ。わかったな。」
「了解、お心遣い感謝致します。伊隅教官。」
みちるは、その無表情ながらも素直な覚悟の返事に笑みをわずかに浮かべた。
「よし、わかったならさっさと医務室に向かうぞ。しかし、貴様は普段からどんな訓練をしているのか知らないが、その重たそうな鉄のブーツを履いているくせに足音を一切立てずに歩くことができるのだな。先日のBETAとの一戦を見る限り戦闘面や、体力面は期待できそうだ。」
「お褒めに預かり光栄です。幼き時より訓練を重ねて参りましたので……。」
そう会話を交わす二人は、一つしかない足音を響かせながら、医務室へと向かっていった。
同時刻
夕呼は、覚悟とみちるを見送った後、一仕事終わったかのように勢いよく椅子に座りこんだ。そして顔を天井に向け、目を閉じてゆっくりと覚悟と過ごした数時間を振り返る。
(悪鬼の末裔、葉隠覚悟か……またとんでもないやつが平行世界から来たものね。本人は常識がないくせにくそ真面目だから、白銀よりも扱い方が難しいわ。それに白銀の未来の記憶と違って、葉隠の記憶にはあまり価値がないし。けれど、あの零の武装と月狼の自立型AIはこれからの戦闘にきっと役に立つはず。それに46文書の真実は、米国のあの兵器を楽に取り寄せる交渉カードに使えるし、何としてでもあの兵器達の作成方法を……あら?)
閉眼してこれからのことを考えていた夕呼は、袖を引っ張られている感覚で目を開けた。そこにはいつの間にか霞が立っており、その腕のなかには、夕呼が知らない分厚い冊子とメモリーチップがあった。
「霞?その手に持っているものは何?」
「葉隠さんから渡すように頼まれました……」
「ああ、あいつからか。随分分厚いわね……何かしら?」
そう呟きながら、夕呼は、霞から冊子を受け取り表題を読む。
「どうせ、葉隠一族の家系図とか心得とかが書いて……!『瞬殺無音部隊のすべて』ってこれは?!それと編冊者by葉隠散?」
急いで冊子の中を確かめる夕呼。
ペラペラと素早く内容を確認するとその中身は、瞬殺無音部隊の人体実験。強化外骨格、零式鉄球、戦術鬼の作成方法。零式防衛術の習得方法であった。
(すごい……これこそ、真の46文書だわ。本当はじっくりとあいつの口から聞き取りを行う予定だったけれど、これが手に入ったなら、もうその必要はない。けれど……)
夕呼は、冊子から顔を挙げ霞に問う。
「霞、あいつがこの部屋に入室してから嘘をついたり、隠していることはなかった?」
霞は、無表情でその問いに答える。
「葉隠さんが今まで言ったことに嘘はありません。けれど、隠していることはあります。」
「もしかして、あの月狼の自動AIとか、話に出てきたG・ガランとか言うデカ仏を動かす核融合エンジンの作成方法が記載されている文書も所持しているのね?」
「……はい。その他にもイメージの中でワープ装置や空気を綺麗にする蝶々の映像も見えました。」
(私が見込んだ通りね。月狼を始めて起動したときから確信していたわ。あんな複雑な機械だもの、簡単な修理ならあいつもマスターしてると思うけど、私があいつの兄なら、万が一の時に備えて一から組み立て直すための設計図を持たせるはず。それに睡眠装置で目覚めた未来では発達し過ぎた科学で環境が汚染されている可能性や、喪失した技術もあると考えてそれに対処する技術が記載されてるものも持たせる。多分、蝶はあいつの話にあった環境浄化の益虫『極楽蝶』ね。)
夕呼は、瞬殺部隊の文書の散の名を見て、すぐにその考えに至った。
「その冊子は、どこにあるの?」
霞は、月狼と零のいる隣の部屋を指差して言う。
「あの子の荷物入れの中……オルタネイティブⅣのすべてを教えてくれるまで渡せないと考えてました。」
その霞の言葉で夕呼は考える。
(いっそ、今すべてを話して、味方につけようかしら……いや、あの性格、考え方では怒って逆に邪魔をしてくる可能性がまだ高い。もう少し、様子を見ましょう。この世界の絶望たる状況を思う存分解らせてからの方がいい。 だから、今だけは……)
「霞、私は今からこの文書とメモリーチップをチェックするわ。だから、それに没頭して、多分声をかけても無駄だから葉隠が来たら知らせてね。」
「……解りました。」
夕呼は、並外れた知識欲を満足させるべく、46文書を貪るように読み始めた。その様子を、もし武が見ていたなら、前の世界の南島で気分転換しているよりも遥かに楽しそうでリラックスしている風に見えたことであろう。
数時間後、
医療室に行き、治療と身体検査を終えた覚悟とそれに付き添っていたみちるは、互いに昼食を取ってないことが解り、共に昼食を取るべく案内も兼ねて食堂に来ていた。
食堂に向かう道すがら、みちるは数分前の医務室の覚悟の言動に意見を述べる。
「葉隠…この大馬鹿者。いくら、エクゾスカル計画は極秘と言えども、身体検査の時『この鉄球は死んだ父上からの形見ゆえ、肌身離さず所持する為に肉体に直接打ち込んで頂きました』という理由は、流石に苦しかったと思うぞ。大切なお守りや形見は肌身離さず持つものだが、刺青で名前を掘るのと違い体に直接大切な物を埋め込む奴は、中々いないことを覚えておけ。」
「申し訳ありません、伊隅教官。私の頭では、ああ誤魔化すのが限界でした。」
そう話し合いながら、やがて二人は食堂に着く。
「まぁ、いい。その辺りも私がこの一週間で矯正してやる。今はさっさと昼食を取るぞ。ここの食堂は旨いんだ。知っていると思うがここでは、食堂のことをポストエクスチェンジ、略してPXという、覚えておけ。」
みちるは、食堂の受け取り口から、割烹着を来た中年の女性に声をかける。
「すいませーん、京塚曹長。」
「ぁぁ、はいはい、あら伊隅大尉。今日は随分おそい昼食だねぇ。それと隣の子はもしかして、新兵?」
「はい。本日付で入校致しました葉隠覚悟訓練兵であります。どうぞ、よろしくお願い致します。」
「ああ、いいのよ。そんな畏まらなくても、新人さんなら大盛サービスしてあげるよ。」
「葉隠訓練兵、この人は貴様より位が上の曹長だが、民間から雇われた職員でもある。故に京塚曹長は敬語を使われるのを好ましく思われていない。だからあまり畏まるな。」
「そうそう、気軽に京塚のおばちゃんでいいわよ。」
「了解。京塚のおばちゃん殿。お心遣い感謝致します。」
「何か、呼び方に違和感があるけど、ほら二人前持っていきな。」
ゴクリ……
覚悟は、合成サバミソ定食を見て生唾を飲み込んだ。覚悟がこの世界に来て食したのは、懲罰房で出された薄いスープのみであり、元の世界でも、主食は奇形の魚と大ネズミゆえに合成食料で作ったサバミソ定食でもまさにご馳走であった。
(我が胸高鳴りたり、腹腔熱を帯びたり、息の限り芳香を吸い込みたり……)
ジーーー!
「もう昼を過ぎているから、結構空いているな、あそこの端に座るぞ。聞いてるか?葉隠……」
「了解……」
机の端に向かい合って席に着き、二人は、さっそく食事を始める。
(この世界に来て初めて食する固形物なり、噛むべし、存分に噛むべし。旨し、合成食料ながらもサバミソ定食旨し。)
ハムッハムッ!
ゆっくりと味わいながらも夢中になって食べる覚悟に対して、その様子を少し驚きの目で見るみちると遠くでニコニコと笑顔で見守る京塚曹長。
(てっきり、どんな食べ物でも無表情でつまらなそうに黙々と食べる奴かと思ったら、無表情ながらも本当に旨そうに食べるな。前の施設ではろくなものを食べていなかったのか?)
十数分後、先に食べ終わったみちるは未だに味わって食べる覚悟に告げる。
「食べながらでいいから聞け葉隠、私は明日から貴様をしごく為の指導要領を作成しなければいかん。ゆえにもうPXを先に出る。 貴様は、食べ終わったならすぐに副指令のところへ迎え。そして、副指令の用事が済めば、明日に備えて今日だけはゆっくり休め、わかったな。」
「了解。」
二十分後
夕呼の執務室
夕呼は、三時間以上の感動大作映画を観た後のように目を閉じて天井を仰ぎ余韻に浸っていた。
(すごい……捕虜の体を殺傷しながら練り上げた零式防衛術、高射砲で肉体をわざと破壊し、特殊金属を癒着させ弾丸を弾く肉体にする零式鉄球、敵、味方関係なく改造を施し化け物に変える戦術鬼。そして、それすべてを比べても余りある強化外骨格の武装の数々。プロトタイプに零を作り、頂点に霞を置いて、戦術神風を陸海空で炸裂させるために雹、霆、霄を作成、極めつけは零改を大量生産。よし、もう一回、読み……)
チョイ、チョイ。
夕呼は、本日二回目の袖を引っ張られる感覚で現実に戻る。
「ん、何?霞?」
「葉隠さんが呼んでます。」
コンコンコン!
「……令!……副指令!おられないのですか!」
「え、もうこんな時間?葉隠!そのまま入ってきなさい!」
夕呼の返事で覚悟は、扉をゆっくりと開け、夕呼の机の前に行き敬礼する。
「葉隠訓練兵、傷の治療及び身体検査を終えて参りました。」
「もう敬礼は、いいって。それとありがとね。こんな大切なもの見せてもらっちゃって。今すぐにじゃないけど、この技術で救われる命も少なからず出てくるわ。」
「そうですか、それは長畳です。しかし、副指令、戦術鬼の転用だけは……」
「解ってるわよ。それに前にも言ったけどあんなのはこの戦争じゃあ全く使えないし、私の頭の中だけ留めておくわ。」
(本当に留めておかないと、国の威信を背負ってるどっかの国にバレたら、絶対に実験するのは目に見えてるしね。)
「そうしたら、さっさと零と月狼を連れて演習場に行くわよ。」
十分後
横浜基地演習場
高性能カメラを置いて、スタンバイが終わった夕呼は、覚悟に声をかける。
「まずは、葉隠、月狼の武装を見せて。」
覚悟は、バイクの振りをした月狼に命令する。
「了解!月狼、しゃべって良し!」
アウォーン!
二十分後
「ふぅん。月狼の武装は、後部に対戦車裂薬弾、タイヤの尖刃スパイク、両側面に4本の日本刀を装備、座席から狙撃銃、そして、最大の武器は30㎜の零式徹甲弾を一分で200発を自動で打ち出す零式連装機銃『残月』か。」
「他にも、本体がレーダーを狂わすほど赤熱化し、その鉄をも溶かす熱量を保ったまま敵に突進することもできます。月狼のデザインも突進を考えて作られているので恐らくは戦術機や要撃級なら、胴体を貫けるでしょう。」
(月狼は、量産して戦車級以下のBETAと戦闘させれば、戦術機のサポートとして戦車級の取り付きによる損傷率も下がるかもしれない。例え撃墜されても、機体に取り付く戦車級を撃ち殺しながら、バイクに乗って逃げることも可能だわ。)
「じゃあ、次、エクゾスカルゼロ!早速武装を展開して頂戴。」
「了解!瞬着!」
まばゆい光と共に高分子筋繊維が、体に取りつき、戦士でなければ骨折必死な力で覚悟を締め上げる。だれにも貫き通せない盾と何事も貫き通す矛を持つ奇跡の回答である鎧が出現した。
「へぇーこれが零なのね、葉隠四郎は、文書を読む限り、人間性は皆無だけどデザイン性は、悪くはなかったようね。じゃあ最初は、指先から出す放射火炎から……」
覚悟は、次々と戦術神風以外の武装を展開し、夕呼は月狼と同じくビデオ撮影しながら分析していく。
放射火炎で火柱を作り、超凍結冷却液射でそれを消火、超振動で朽ちたビルの壁を粉砕し、分裂昇華弾でビルごと崩す、偶然水が溜まっている大きな水溜まりに超脱水燐粉を放つ。そして、最後に戦術神雨の可燃性の液体、非致死性麻酔液、零の細胞の塊である筋繊維の欠片を回収し実験は終了した。
「葉隠、後出してない武装はない?」
「零本来の武器ではないのですが、これがあります。」
覚悟は、零の腰から零式防衛術正式拳銃 『曳月』を取り出し夕呼に見せる。
「え、これって陸軍の十四年式拳銃じゃない。あんたこんなレトロな銃使ってるの?。」
「レトロなのは、外装だけなり。中をお調べ頂いたら、解りますが、内部は多様な薬剤を選択し弾頭に着装する精密兵器です。通常弾の他には、打撃変わりに使用致す零式徹甲弾、肉体のなかで破裂する炸裂弾、対巨獣青酸カリ弾があります。」
「あんた……青酸カリまで持ってたのね。流石にこの弾だけは物騒すぎるから没収させてもらうわ。」
「了解。」
その後夕呼は、カメラを回収し、撤収作業を終えた。
「ご苦労様、葉隠。月狼は、兵士に命令して駐車場の端の目立たない位置に置いておく。零は、あなたの部屋に持っていっていいわ。けれど、授業には持っていっては駄目よ。ふぅ~今日はこれでおしまい。戻ったら、霞があなたの部屋に案内するわ。」
「了解。お疲れさまです。香月副指令。」
最後に夕呼は、覚悟に向かって妖しく微笑む。
「葉隠、最終演習は、少しも手を抜くつもりはないけど、明日から頑張んなさいよ。期待してるわ。」
「了解、暫しの別れだ、月狼。」
キュゥゥン……
五分後
霞に案内されて、覚悟は白銀武の隣の部屋に着いた。部屋の中には、恐らくはあらかじめ夕呼が手配したであろう教科書や制服、迷彩柄のズボンや黒タンクトップ、日用品が置いてあった。
それを確認し、霞にお礼を言う覚悟。
「霞さん、本日はどうもありがとう。また、香月副指令に呼ばれた時はよろしくお願いいたします。」
『霞よ、有り難う』
霞は、無表情でコクりと頷くと、
「バイバイ」
と手を振って夕呼の所に戻っていった。
その後、PXで夕食を済ませ、シャワーを浴びた覚悟は、部屋に戻り窓を少し開けもう暗くなった外を見ていた。
『覚悟、今更ながら未来どころか異世界に行き宇宙人と対決するとは、散でさえ思いも寄らなかっただろうな。』
「私もそう思う。しかし、零。我らの取るべく道は一つ。」
『ああ!』
『「牙なき者を守ること……」』
「明日も早いもう寝るとしよう。お休み零。」
『また明日……覚悟……』
同時刻
夕呼の執務室
覚悟が寝静まった時間、夕呼は眼を爛々と輝かせて、今日の兵器実験の映像を見ていた。
(やはり、戦術機に転用できるのは、展性神武合金、昇華弾、超脱水燐粉、超振動。特に戦場で一番活躍できるのはやはり『昇華弾』でしょうね。多分、ゼロの武装で連発が出来ないのは、プラズマの超高熱ゆえに全身で冷却をしなければ、駆動系が焼き切れるんだわ。けれど、あの当時の科学力なら、そうだったかもしれないけど、今は戦術機でも持てるくらいの冷却装置さえあればクリアできる。あれなら大量生産してBETAの集団の先鋒である突撃級の外殻をも貫け倒せる。
『超脱水燐粉』は、戦術機に搭載するのではなくal弾と共に直上で炸裂させる。光線級のレーザーをまともに受ければ流石に消し炭になると思うけど、初期照射で耐えれるくらいの殻で包み、それを受けたら自動で破裂するようにすれば、光線級を倒すことができる。あの細かい雪のような燐粉なら流石に認識されないと思うし。失敗して、戦術機に降り注いでも、平気っていうのも利点ね。
『超振動』は、長刀や短刀でBETAと近接戦闘するとき任意に発動させれば切れ味を何倍にも増すことができる。けれど、振動は戦術機自体にも有害だから時間がかかりそう。
そして、『展性神武合金』、46文書のデータによれば、突撃級の突撃でフレームが歪んでもその驚異の展性で元に戻ることができる。何よりも凄いのが致死量の放射能を一切通さないことね。この金属だけでも、政府は喜ぶでしょうね。
とにかく、展性神武合金と昇華弾は早く技術研に送って研究させ実用化させないと……
ああ、後はあいつの戸籍どうしましょう?捕まえたときに政府に確認を取ってるから、変な誤魔化しは効かないし。はぁ~、ここは政府のオルタナティブⅣ派に合金と昇華弾の作成方法を送って、裏で戸籍を作ってもらおうかしら?それも上手くやらないと確認の為に鎧衣が明日にでも来そう。ああ……こんなことで頭を使いたくない。やっぱり他人の戸籍を使わせるべきだったわ……)
夕呼の夜はこれからであった……
『桜歌七生撃』は、開花のススメのラスボスである巴御前が使用した、一応一般人でも使えるとされるれっきとした零式の技です。その技が炸裂したシーンは、敵ながらもすごくかっこいいんで、興味がある人は画像や文字でググって下さい。それにしても、なんで開花のススメは、Wikipediaに載っていないのでしょうね?
後はエクゾスカルの武装の戦術機への転用は、かなり素人考えなので大目に見てください。