シャルロットが上空からグレネードランチャーを双方の真ん中に打ち込む。地面に着弾し、ナイトキラーとVTSボーデヴィッヒがそちらに反応する。俺はそれを待っていた。
ナイトビームブレードを準備し、後方を確認すると向こうも斬り込む準備をする。
ほぼ同時に互いの敵に斬りかかる。もちろん敵側も斬りに来るが、これが狙いだ。俺たちは紙一重で回避をする。
ナイトキラーのビームブレードと、VTSボーデヴィッヒの雪片擬きがぶつかり合う。
「どちらかが抜けば、どちらかは倒される。そんな状況じゃ……もう動けないよな!」
向こうは織斑先生の刀に生徒会長殿の水を纏わせて中身のボーデヴィッヒを救出するようだ。
俺はシンプルにナイトビームブレードで、ナイトキラーの背後からエネルギーコアのような部分を貫き、爆破させずに機能を停止させる。
向こうの巨大なものも、ドロドロと溶けていく、生徒会長殿の腕には、ボーデヴィッヒの姿があった。
「デュワッ!」
俺はナイトキラーの開けた穴から、飛び去った。
ちぃ!まぁいい、アレはプロトタイプ。「アレ」の完成の為の良いデータ収集ができた。
「あーあ、スコールに怒られんのかな…。」
「ほんと、仕方のない娘ね。」
「げっ!…スコール。」
「本当ならしばらくは、謹慎処分が妥当なのだけれど……データがデータだからね、1週間自粛で勘弁するわ。」
「す、スコール…。」
「さ、さっさと撤収……ってわけにも、いかないかしら?」
振り向こうとすると、スコールに抱き寄せられた。喜びに浸ろうとした瞬間、先程まで立っていた場所に、青い光が見えた。そのまま後ろを見ると、そこにはツルギが浮いていた。しかし、それ以上の追撃はなかった。
彼が飛び去ったあと、私と織斑先生は一先ず保健室に向かい、ボーデヴィッヒちゃんを預け、一度各々の処理をしに別れた。
私は生徒会室に向かい、今回のアリーナの修理費用やVTシステムに関しての問い合わせや対応、それに篠ノ之さんに対する処分…今日一日だけでもやることは多い。特に、篠ノ之さんの処分に関しては、政府も口を出してくる。篠ノ之博士の妹だから、という理由で、コアの没収や停止を恐れているのだ。まぁ、私のコアはロシアのモノだから問題はない。
「っつ~!さすがにこの量は堪えるわね~。さて、様子を見に行ってみますか…。」
粗方処理が終わり、保健室へ向かうべく生徒会室を後にした。
保健室に着くと、中から織斑先生が出てきた。
「更識か。すまなかったな、教え子が迷惑を掛けた。」
「い、いえ、そんな…。」
「それじゃ、私は篠ノ之の方に行く。もしよければ、顔を見てやってくれ。」
「はい。」
それだけ言うと、織斑先生はいそいそと、何処かへ行ってしまった。
私は、部屋に入るとそこにはデュノアさんが居た。
「……ボーデヴィッヒさん?」
そっと声をかけてみると、こちらに顔を向け、頭を下げた。
「今回は、迷惑をかけた。私を助けてくれたのはあなた方だと聞いた。すまなかった、そしてありがとう。」
「私たちだけじゃ、助けられなかった。」
そうだ、あの時……
『お二人に伝言です!!僕のグレネードランチャーで、互いの相手の気を引いて、敵同士でぶつかり合ったタイミングでとどめの攻撃を仕掛ける…、だそうです!」
この作戦が、そしてシャルロットちゃんが居なければ、あのままどうなっていたか…。
「それで…織斑一夏は?」
「彼は…。」
「明日また会えるよ。」
「そうか。」
そう呟くと、ボーデヴィッヒちゃんは再び眠りについた。
ファントム・タスクの二人に攻撃を仕掛けたが、仕留められず、一先ず簪の病院に向かった。
「簪、待ってろ…絶対、仇は…テロリストは必ず……俺がこの手で…。」
誰と遭遇するかもわからなかったので、すぐに病室を後にした。
しかし、その直後だった。口から血が出てしまった。俺の体がボロボロなのはわかっていた。
「もう、時間がない…。」