IS~青き鎧の復讐者~   作:proto

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第二話 復讐の二人

俺を他薦する声がクラスから上がる中、ただ一人それに待てを掛けた人物がいた。

「納得いきませんわ!」

やかましい奴……確かイギリス代表候補生……とか喚いていたが、なるほどハッタリではないようだ。

「こういう事は、本来実力を見て判断するべきですわ!それなのに、ただ珍しいからという理由で男を推薦するのなんて納得いきません!だいたい、文化的にも後進的な国で暮らす事自体、私には耐え難いのですわ!」

「そもそも、誰もこのクラス内の実力なんて知らねぇよ……。」

「なんですって!!」

「いちいち騒ぐな、鬱陶しい。俺は日本に対してとくに何も思っちゃいないが、あの人の名誉のために言っておくが……お前が使っているISの開発者はその文化的にも後進的な国の出身だぞ?」

「なっ!……グヌヌ、なら……決闘ですわ!」

「いやだよ、メンドクサイ。拘束時間が1秒でも長くなるのはよろしくない。」

「織斑、お前は他薦されている。もし、そこの小娘が自薦するのなら、必然的に何かしらの方法で決めねばならん。」

「マジか…。」

「なら、自薦いたしますわ!」

「仕方ない。なら、勝った方がクラス代表を()()()でいいか?」

「それで構いませんわ!」

「他に居ないな?では織斑とオルコットによるクラス代表を決める試合を行う。日程は追って伝える。では授業に入る。」

そして俺は無になった……

 

 

 

 

その調子で昼休みまで、無の極致で居続けた。

「さて……おそらく来るならこの時間だろう。場所は……アリーナなら被害も少ないか。」

俺はアリーナへダッシュで向かう。

 

2分足らずでアリーナに着く。すると、おそらく向こうさんのものと思われる気配が感じ取れた。

「来たか」

右腕のナイトブレスから短剣型アイテムのナイトブレードを左手で抜き、右手に持ち替えた瞬間だった。突風のごとき勢いで、接近してきた少女は大きな槍を俺に向け振りかざす。俺はそれを短剣で受け止める。

「さすがに、短剣だとキツイか。」

少女は無言で距離を取ると槍を構え直し、今度は俺に向け突進刺突を放つ。俺はそれを左手で掴み止めようとするが、15m近く後ろに下げられてしまった。

「ふんっ!」とすこし気合を入れ、槍を蹴りあげ、前方に吹き飛ばす。槍が手元から消えた少女は、一度距離を取り槍を取ろうとするが、槍の柄部分を狙ってブレードショットを牽制目的で放つ。掴むのを一瞬躊躇いはしたが、すぐに槍を地面から抜く。すると、今度は槍を投げつけてきた。短剣で上に弾き飛ばしたがそれが間違いだった。それを待っていた、と言わんばかりに上空に飛んでいた。回転しながら空を舞う槍をキャッチした少女は、そのままこちらに向かって……

「おりむー!カイチョ―!」

先の声で槍の先端が俺の喉元で止まる。俺も少女も声がした方に顔を向ける。まぁ、俺のことを【おりむー】と呼ぶのは、本音くらいなものだが……

少女は本音を見ると、即座にこの場から離れた。

「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」

流石に死にかけたので、呼吸も荒くなってしまったが、すぐに元に戻す。

「おりむー、なんで攻撃し返さなかったの?」

「……俺にその権利はない。それに、向こうもまだ本気で俺を殺しに来てはいない。」

本音の言う通り、俺は彼女へ本格的な攻撃を仕掛けてはいない。捌くか、牽制か。この二択しか、存在していない。

「っていうか、その言い方いいのか?自分の主人に対して攻撃してください、って言ってるようなもんだぞ?」

「そ、それは……。」

「ま、いいさ。彼女が本気で殺しにかかる前に……俺も復讐を終えないと……。」

俺は立ち上がり……アリーナを後にした。

 

 

 

 

その日の放課後。

「あ、織斑君。待ってください!!」

副担の山田先生……っだったか?が話しかけてきた。

「なにか、ご用ですか?」

「あ、えっと、今日から急遽寮のお部屋に住んでもらうことになりまして……。」

「なるほど。ま、そんな気はしてましたので、大丈夫です。念のため最低限の荷物は準備済みですので」

そう、最低限にして最大限。そもそも物が少ない生活だったため、全て持ってきても大き目の鞄で事足りていたのだ。

「では、こちらカギになります。で、これが寮の……まぁルール的なものですので、目を通しておいてください。」

「えぇ、ありがとうございます。」

カギと紙を受け取り、予め用意しておいた荷物を回収し、その場を後にした。

 

 

 

 

寮の廊下を部屋を探しながら歩く。その間にしっかりと内部構造を頭に叩き込む。そういえば、同居人の有無の確認を忘れていたな……、ミスったな。

カギの番号と一致する部屋を見つける。

「ここか。」

カギを解除しノブに手を掛けたが、一旦ノックする方が良い気がしたので、ノックする。

3…4…5…、返事なし。一人部屋か。

再びノブに手を掛け、ドアを開ける。

「誰もいない……。」

部屋に誰も居ないことを再確認し、荷物を置く。

「とりあえず、さっとシャワーでも浴びてしまおう。」

バスタオルと替えの下着を鞄から取り出し、浴室へ向かう。

 

シャワーヘッドから出る水が暖かくなるまでに、頭から足先まで洗い終え、お湯が出た時点ですぐに洗い流す。およそ5分足らずでシャワーを終え、さっとバスタオルでふき取り、着替えを終えベットに腰掛ける。

「しかし、急遽……ね。なのに一人部屋か。……気にしたら負けか?……まぁいい、さっさと寝るか。」

……カギをかけて、さっさと寝ることにした。

 

 

 

翌日

朝起きて、侵入者の痕跡を探すが、見当たらない。

「……とりあえずは大丈夫か」

制服に着替え、カ〇リーメイトとポカリスエ〇ト、それにオロナミン○を摂取し、教室へ向かう。ギリギリまで寝ていたので、着席するのもギリギリだが、問題ない。

「皆、席に着け。HRを始める。えー。連絡事項は……織斑、オルコット。試合の日程が決まった。二人とも専用機を所持していることから、本日の放課後に行うことにした。……ま、問題あるまい?」

「えぇ」「ありませんわ」

「では、その日程で行う。では、準備しておくように。連絡は以上だ。さ、授業を始めるぞ。」

授業が始まるが、再び無の極致へと入って行った。

 




次回 戦慄のツルギ
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