束さんは悩んでいた。いっくんに本当のことを話すべきなのか。いっくんが眠っている間に精密検査は済ませた。既に彼の肉体は人間としての限界を超えている。それどころか肉体に変化の兆候が見られる。ナイトブレスを一時的にとはいえ手放している。このまま…。
「いっくんは、どっちを望むんだろうか。……束さんには、わかんないよ。」
現代医療ではいっくんの体は治せない……戻せない、と言った方が良さそう。ナイトブレス無しでの変身だって……。
「IS……インフィニット・ストラトス。無限の成層圏、かつて私が
頭の中に設定図を広げつつ、二人を待つことにした。
私が外に出ると再びインペライザーが暴れまわっていた。
「修復を終えて戻ってきたんだ。」
私は左腕に出現したメビウスブレスを眺めた。前回、無意識に…メビウス本人の意思で戦った。今回も同じように行くかはわからない。でも……一夏を守るために…。
私は気合いを入れ左腕を上げ、右手でクリスタルサークルを回転させる。ブレスに炎が灯ったのを感じ、一度体を捻って勢いを付けてから、左腕を空に掲げる。
∞の光に体が包まれ、光の国の戦士ウルトラマンメビウスへと姿が変わる。
インペライザーがこちらに気付いた。私は上空でホバリングしながら、インペライザーのビームを回避・メビュームスラッシュで相殺しながら避難する時間を稼ぐ。すると、奥の方でインペライザーと戦う影を見つけた。刀を使っているようだ、織斑さんだろうか?
私は一通り避難し終えたのを確認して、流星キックでインペライザーを蹴り飛ばす。
体制を崩したインペライザーは、そのまま倒れた。
流星キックでインペライザーに隙を作ったので、試しに一夏に託されたナイトブレスを左腕に出現させてみる。体に金のラインが現れたので、メビウスブレスのクリスタルサークルに手をかざし、メビュームナイトブレードを展開し、メビウスブレイブへと変化した。
倒れているインペライザーの肩部目掛けて、メビュームナイトブレードからブレードシュートを放つ。インペライザー肩部には自己再生に必要な再生装置が存在する。そこを破壊することで、効率的な撃破に繋がるとされる。が、どうやら、ブレードシュート一撃で撃破に至ったようだ。これはおそらくメビウス当人の成長によるものだろう。
そのまま別個体に向き直りメビウスブレイブからバーニングブレイブへと変身し宙へ舞い、織斑さんと思わしき人物と戦っているインペライザーにバーニングメビウススピンキックを放ち、胴体を貫く。その後織斑さん?が刀での斬撃で細切れにし、爆散させた。
織斑さん?の方を向くとそこに居たのは……
「ザムシャー!?」
「私だ、織斑千冬だ。」
そう言うと、マスク部分だけ展開を解除し顔を見せてくれた。
「あ、よかった。」
「生身で相手をするには少々骨が折れそうだったのでな。適当なパワードスーツを用立ててもらった。」
「なるほど。」
「さ、最後の一機だ。さっさと仕留めるぞ!」
「は、はい!」
返事をし、最後のインペライザーの方を向くが、それは急に消えてしまった。
「「!?」」
「フフッ…。まさか、二機もインペライザーを失うとはね。恐れ入ったわ、織斑千冬。」
「貴様…ファントム・タスクの。」
「ええ、私はスコール・ミューゼル。」
「ミューゼル……ダリル・ケイシーがレイン・ミューゼルと名乗っていたな。」
「ええ、その節は姪が世話になったわね。」
「貴様の目的はなんだ?」
「あなた方があまりにも活躍するものですから、仕方なく計画を早めることにしたのよ。」
「計画?」
「えぇ、ファントムタスクの目的は……
暗黒の皇帝エンペラ星人の復活と宇宙の征服よ。」