スコール・ミューゼルが告げた名前には聞き覚えが…否、聞き馴染みがあった。
「え、エンペラ星人?かつてメビウスたちが倒した暗黒皇帝を…。」
「そこの…メビウスと同化している少女は詳しいみたいね。」
「…私がメビウスと同化していることを知っている?」
「フフフッ。私の体内の宿るエンペラ星人の力の欠片は、因縁あるウルトラの力に大きく反応したわ。」
そう言うと、纏っていたISの腕部の展開を解除した。そこには、アーマードダークネスを彷彿とさせる黒と赤の模様が刻まれていた。
「あなたは詳しいでしょうけど…エンペラ星人は幾度と復活することを図ってきた。かの皇帝は強大な闇の力があれば何度でも復活するわ。今まで起こしてきたテロもその一環。人間たちの負のエネルギーを闇に変換して集めるため。」
「暗黒皇帝を蘇らせたところで、あなた達が宇宙を征服できる保証はない!」
「もちろん、我々はあくまで皇帝の配下として仕えるだけ。ちっぽけな地球人が広大な宇宙を支配する力なんてないもの。」
「……なら、貴様らに得などないではないか。」
「いえ、我々はこの地球の支配権を頂ける。暗黒に包まれたこの
「……その話の真偽はともかく、貴様を止めなくては。学園への被害もバカにならんしな!!」
織斑さんは刀を構え直すと、再び顔がザムシャーになる。私も再び構え直す。
「……今日のところは撤退させてもらうわ。インペライザーの状況を見に来ただけだったしね。それに私のISは調整が済んでないのよ。」
「それを聞いて、逃がすと思うか?」
「簡単には逃げられないでしょうね。でも…」
突然、空に向けてスコール・ミューゼルが指を鳴らした。すると、レーザーの雨が降ってきた。私はメビウスディフェンスドームを展開し、自信と織斑さんを守る。
私も織斑さんも無傷だったが、スコール・ミューゼルを逃がしてしまった。
「すみません、逃がしてしまいました。」
「いや、無事ならいい。さて、事後処理が増えてしまったな。私は行く。」
「あ、はい。」
そう言うと足早に何処かへ向かっていってしまった。
戦闘を終え、一夏の病室に戻ろうと病院の廊下を歩いていると、少しふらっとしてしまった。が、誰かが支えてくれたおかげで、倒れずに済んだ。
「す、すみません。」
「大丈夫か、簪?」
「え?」
支えてくれていたのは、一夏だった。病院服で点滴のついた棒を持っていたが、右手で軽々と支えてくれていた。
「はは。いくら光の力で戻っていても、急に動くとダメだね。」
「無理はしないでくれよ。」
「う、うん。それより、なんでこんなところに居るの?」
「……トイレだ。」
「そ、そっか。」
「先に部屋で待っていてくれ、すぐ戻るから。」
「う、うん。わかった。」
私は先に部屋へと向かった。