下手くそながらに執筆感覚を取り戻すために頑張ってます。
あの謎の会から解散した俺と櫛田は一旦寮部屋に帰り私服に着替えてから待ち合わせすることにした。待ち合わせは別にどこでもいいのだが、とりあえず エレベーター前でいいか? とメッセージを送っておく。イチャイチャデートとは称したものの別にそんなものではなく俺は池と山内とやらの虫よけスプレーみたいなもんだ。服が欲しかったのは本当らしいが。
話は変わるが、あの時、あの屋上で櫛田は付き合うとは言ったものの俺たちの関係性の本質に変化は見られず、見てくれは俺が桔梗を脅して付き合っているような形である。厳密にはそうではないと言いたいが。奴は脅されているのではなく脅されに来たのだ。
今思うと己のくそみたいな失言を呪いながらそそくさと私服に着替えてエレベーター前へと向かうのだった。
◇
「遅い」
第一声がそれとかもう帰りたくなりますよこれ。ここにくるまでに十分もかかってないのにこの言い草とかひどくない?逆にお前が早すぎるんじゃい。 とか言ったら殺されそうなのでなにも言わなかった。否、言えなかった俺はエレベーターに入っていく彼女の後ろをついていったのだが中には見知った顔がもう一つ見えた。
「あれ?田中君」
「うっす一之瀬」
一之瀬だった。彼女も私服のようで先程までどこかに出かけていたようでエレベーターから出ようとしてるところから今が帰りなのが疑える。
「二人が知り合いだったなんてちょっと意外かも」
「まぁちょっと訳ありでな」
間違ってはない。「俺が櫛田の秘密を握ったから脅して付き合ってる」なんて言おうものなら櫛田から顔面パンチ食らうどころか一之瀬からも敬遠されクラスの中の立ち位置が危うくなってしまう。
というか、この様子だと一之瀬も櫛田と知り合いのようだし本当に顔が広いんだな。コミュ力の化身だわ。俺たちにも少しくらい分けてもらえても天罰は下らないのではないのだろうか。
「一之瀬はどこ行ってたんだ?」
「友達とご飯食べに行ってたんだ。そろそろ中間試験もあるし勉強したいからあんまり長話しないよう早めに切り上げてきたところ」
そういえば中間試験だし俺も勉強しなければいけないのだが特にやる気がみなぎるわけでもなく部屋でずっとダラダラと過ごしている気がする。池や山内ならともかく普段の授業をしっかり聞いてるから赤点はとることはないだろうし別に良いんだけど。
「君の友達の……綾小路君はこの前の小テストであんまり点数よくなかったよね?」
「え? あーー、まぁあいつは大丈夫だよ」
名前を呼ぶまでの空白の時間が気になったが最後にはしっかり名前をだしてくるのはさすがだと思います。
あいつが本気を出したら嫌でも名前を覚えるさせるくらいの実力はあるだろうが能ある鷹は爪を隠すどころか爪を出す気すら毛頭ない清隆は完全に今のところ陰のものである。俺もそうならないように気をつけなきゃ(もう手遅れ感)。
そっか。と彼女は言うとそろそろ私は行かなきゃと続けて言い、ひらひらと手を振る。
「じゃ、またね田中くん。それに櫛田さんも」
「おう」
「うん」
あいも変わらずいつのまにかいつものニコニコ笑顔の仮面を纏った櫛田に少しドン引きしたのは言うまでもないがそんなことを喋ったら殺されそうなので何も言わなかった。
◇
ショッピングモールの服屋に無事辿り着いた俺は櫛田が中に入ってくのを見て近くの柱に背中を預けて暫く待つことにした。服のセンス皆無の俺には手伝えることはないからな。
「なにしてんの」
「ここで待ってようかなって」
「そんなの許すわけないでしょ」
首根っこを掴まれて連れてかれました。そうですよね許されませんよね。
櫛田に連れられてだいぶ服屋の奥の方に連れて行かれた俺は周りに女性服と女性しかいない状況なわけでめちゃくちゃドギマギしている。これが未知の領域……!男子禁制の場!人生は冒険や!。
「あんましキモいと通報するよ?」
「すんません」
よほど俺が挙動不審だったのか櫛田から釘を刺される。でもしょうがなくない? こんな機会でもないとこんなところに来る可能性なんて微塵もないし。
それから一時間程だろうか。櫛田が色んな服を試着したりこんなのどう?とか聞いて来たり、そんなことをしている内におおよそそんな時間が経っていたであろう。
人生初めてとも言える女性とのデート()で俺が思ったのはーー
女はクッソ買い物の時間が長いということだ。