「少年。君に夢はあるかい?」
昔、変な格好した変なしゃべり方をする変なお姉さん。
そんな人が公園のブランコで遊んでたら取り合えずビビる。
「……え?」
どうやらその変な人は僕に声を掛けているようで。
「夢、ゆめか……」
思わず真面目に考えてしまっている。
夢、か……。
「宇宙に行きたい」
「……へぇ?」
「約束したんだ。僕は宇宙に行きたいんだ」
「自分の為じゃないの?」
「うん」
「それってさ、本当に夢なの?」
「夢だよ。僕だって行きたいんだ」
「そっかー。叶うと良いね」
「うん。ありがとね、変なお姉さん」
「いやいや、お話ありがとうね少年。所で……君はロボットに興味ないかな」
――――――――――
目覚ましの音が鳴る。
……何か、昔の事を思い出していた気がする。
「……起きるか」
頭が痛い。
夢の中で夢について思い出すとか言う奇妙な夢だった。
「結局、誰だったんだあの人」
あの後は……確か上空に向かって飛んで行ったんだっけ。
いや意味わかんないけど。
意味が分からないと言えば、俺の置かれた状況も意味が分からないと思う。
元々俺は宇宙飛行士の家系に生まれた……のだけれど、謎のテロを受けて当時のプロジェクトも頓挫、両親もそこで死んでしまい天涯孤独の身になった。
それだけなら良いのだけれども……いや良くないけど。
IS……インフィニット・ストラトスと呼ばれるパワードスーツが世に出現して、世界は変わった。
そのパワードスーツは女性にしか動かすことはできない。
この仕様により世間は女尊男卑の世界へと様変わりをした。
お陰で施設での風当たりも少々強く、女子グループにいびられるなんてしょっちゅうだった。
ただ……もう一度、俺は人生の転機を迎える事になる。
動かせてしまったのだ。
インフィニット・ストラトスとやらを。
男の俺がである。
そして俺は……このくそったれな生活を強いられた施設を出て……IS学園に入学する運びになった。
今日はその入学初日。
遅刻する訳にはいかないので早めに起きている。
「女性しか動かせないパワードスーツの為の学園。正直嫌な予感しかしないんだよなぁ……」
俺以外に今年入学する男子が一人だけいるらしい。
そう、一人だけ。
もうこの時点で女子高に二人だけって。
施設で過ごしている方がマシか、これからの生活がマシか……。
「……なるようになるさ」
それが、人生ってもんなんだろうな。
ただ。
元々、ISというのは宇宙に進出する為に開発されたものらしい。
ならば。
「俺も、宇宙に行けるんだろうか」