クラス代表決定の日。
「こう言うのは自薦を待っていても決まりませんので他薦で結構です」
先生が爆弾を投下しました。
「はい!星海くんが良いと思います!」
「他にはありませんか?」
「いやいやいや!?俺オルコットさんに負けたんだぞ?!俺より適任いるだろ!」
はいー知ってましたー。
絶対こうなるって。
さて、オルコットの方を見る。
じっと俺を見ていた。
まるで、何かを確かめるように。
「……あら。星海さんは、期待されれば尻込みするタイプでしたのね?」
かちん。
なんだとこの野郎。
「……」
「……」
お互い、無言。
ただ、まぁ……こいつの目に前ほど軽蔑の色は無い。
試している?
よく分からん。
「……なぁ、オルコット」
「何でしょう」
「あんたは、どうしたい」
「……わたくしは、まだ殿方に信頼を置くには些か疑問を持っています」
「知ってる」
「ですので……わたくしは貴方を推薦します」
「……それはなぜ?」
「貴方がどこまで誠実に尽くせるか、見せて頂こうかと」
「試金石、って事か」
「その様に取っていただいても構いません」
「なるほど」
俺とオルコットの会話で静まっていた教室を一望する。
「なぁオルコット」
「何でしょう」
「俺はISについては素人だ。そいつを戦える様に鍛えるのは勝者の役目じゃないか?」
オルコットは、驚いた様に目を丸くした。
その後、ふっと微笑む。
「わたくし、厳しくってよ?」
「よし、先生。クラス代表……俺やりますよ」
――――――――――放課後。
「と、言うわけだ」
「お前もクラス代表になったのか……」
アリーナへ向かう道すがら。
たまたま会った一夏とそんな話をする。
一夏は一組のクラス代表。
お互い苦労するな。
「もしかしたら近々ガチで戦うかもな」
「お、望む所だ。お前とはまだ引き分けだからな」
「ハッ!6:5で俺のリードだ」
「算数からやり直せ!俺が上回ってるっての!」
ISスーツに着替える。
このスーツ、元々男性規格の物は存在しなかったので俺も一夏も特注品である。
「今日こそ決着、着けてやるぜ」
「望む所だ。俺とコアガンダムに限界は無い!」
「お二方。白熱するのも結構ですが、少しお時間よろしくて?」
手を叩く音。
俺と一夏が振り向く。
ISスーツ姿で呆れたように苦笑しているオルコットだ。
「……早速来てくれるとは思ってなかった」
「何事も最初が肝心ですわ。例えば殿方のお誘いでも誘われたからには応えなければ淑女の恥」
「しっかりしてんだな」
「育ちが良いもので」
「左様で」
「お二人が何をしているのか少し気になる事もあったので見に来たのですが……もしや、ずっと模擬戦を?」
俺と一夏は操縦訓練と称して結構な頻度でやり合っている。
その事を素直に話た。
「……はぁ。論外ですわね」
「え、何でだよ」
「基礎が成ってないのにそんな事をすればそうなりますわ!良いです、わたくしがきちんと叩き込んで差し上げます!良いですわね?!星海さん!!」
「えっ、俺は?」
「お前には私だ、一夏」
「箒……」
全くの余談だが、篠ノ之は教える役に微塵も向いてない事をここに添えておく。
「まぁ、なんだ。俺の事は那由太で良い」
「あら、でしたらわたくしの事はセシリアで構いませんわ」
「嫌がるかと思ってた」
「フェアではありませんので。それでは、早速やっていきますわよ」
今日から、代表候補生によるシゴキが始まった。