IS~この世界の宙が見たくて~   作:塊ロック

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第十四話「プラネッツシステム」

コアガンダムに搭載されている特殊システム、「プラネッツシステム」。

 

通常のISは量産を前提とした簡易化、もしくはエース用の高コスト化が進められている。

……軍用にしようしてはいけない前提がこの時点で崩壊しているのには触れない。

 

このプラネッツシステムはコアガンダム単騎で全ての状況に対応しようとしたシステムだった。

 

……だった、と言うのはこのISがそもそも第1世代の産物だと言うことを鑑みて欲しい。

 

コストパフォーマンスが余りにも悪過ぎた。

アーマーの分だけコアガンダムはシールドエネルギーを分配する。

常に最低でも通常ISの50%で戦っているのだ。

そして、アースアーマーとドッキングすると100%のエネルギーになる。

……仕様書によると、アーマーを格納するほどアーマー単位のエネルギー総量が減るらしい。

 

ここまでが、俺がなんとか理解した相棒の仕様である。

 

「それで、例の新アーマーってのは?」

「3つだ」

「多くないか……?」

「元々用意してあったものを俺用にチューンしたらしい」

「ああ、なるほど……」

 

夕方。

部屋の窓際で涼んでいた一夏とそんな話をしていた。

そろそろ初夏の足音が聞こえてくる今日この頃。

でもまだ日が落ちると肌寒いものがある。

 

「どんな奴なんだろうな。ちょっと楽しみじゃないか?」

「別に……」

「付き合いそんな長くないけど、お前隠し事苦手だろ」

「どうして」

「めっちゃ顔ニヤついてる」

「………………マジ?」

 

先生にも同じ事言われたな……そんなに顔に出やすいか俺。

 

「それはどうだって良い」

「そうか。どんな奴なんだ」

「それぞれ、接近戦用、遠距離戦用、水中戦用だそうだ」

「ISで水中戦……実際どうなんだろ」

「宇宙に行けるんだ。行けるだろ」

 

そういえば名前とか付いているのだろうか。

アースアーマーは第三惑星地球をもじってアースリィ。

プラネッツシステム、と銘打っているからには惑星の名前なんだろう。

 

「人類は何処にだって行ける」

「……それは?」

 

俺の呟きに、一夏が反応した。

 

「……宇宙飛行士だった俺の父さんの言葉」

「何処にだって、か……良いじゃん」

「そうか」

 

俺もいつか、世界中の空が見られるだろうか。

 

(あの子、元気にしてるだろうか)

 

ふと、思い出す。

あの日、約束を交わした女の子。

 

顔は朧げで、そこだけは思い出せない。

名前も、たぶん聞かなかったんだと思う。

会ったこともきっとその一度だけ。

 

人の出会いというのも結構適当なんだな……。

その記憶のせいで、女という生き物を心底嫌う事は無かった。

酷い目に遭ったとしても、何故か憎み切れなかった。

 

そういう事なんだろう。

 

(また、遭えるだろうか)

 

空を飛ぶ力は得た。

後は、宙を目指すだけ。

 

約束を、果たしたい。

 

 

 

 

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