IS~この世界の宙が見たくて~   作:塊ロック

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第十六話「襲撃」

……海面に近づく。

妙だ。

さっきから通信が音沙汰無い。

 

と、言うよりずっと砂嵐状態だ。

そんなに電波の通りが悪いのか?

兎に角浮上してから考え……。

 

《ロックオン警告》

「!?」

 

ISがけたたましい警告音をかき鳴らす。

浮上を中止し、周囲を見渡す。

ISのハイパーセンサーは何も捉えない。

 

(なんだ……?)

 

少なくとも水中には何も居ない。

なら、海上から?

 

だとしたら、待たれていると考えるのが妥当か。

視界を上げる。

センサーが海面から更に上空に何か居るのを捉える。

 

《UNKNOWN》

 

データベースに無い機体。

ますますきな臭い。

先生達は無事だと良いんだけど。

 

メルクワンガンダムは水面から上空へ攻撃する術が無い。

両腕に付いているフィンザンバーで格闘戦を仕掛けるのが関の山。

 

(先生達が逃げるスキ位作らねーと)

 

なるべく勢いよく水中から飛び出す。

水飛沫で視界を潰して……。

 

「……?」

 

攻撃が来ない。

疑問符が止まらない。

兎に角、相手の姿を視界に収めた。

 

……なんと形容すれば良いのだろうか。

IS、なのだろうが人の居る部分にぶら下がる人型は、まるで生気がない。

と言うより、全身装甲に近いのか。

頭に該当する箇所に、赤い点が無数に付いている。

そして、不釣り合いに大きな腕。

 

何もかもがアンバランスだった。

 

そいつは、じっと、空中で静止して俺を見ていた。

 

(何だこいつ)

 

気味が悪い。

人が本当に乗っているのか?

 

とりあえず、オープンチャンネルを開く。

 

「所属不明機に告ぐ。そちらの身分を開示されたし」

 

こんな感じで良いのかな。

それっぽく言えているだろうか。

 

……反応が無い。

感なし終わり。

 

さて、どうする。

この手の奴はこっちが何かしらアクションを起こせば来そうな気がしなくもない。

 

そのアクションが何であろうと。

背中を向けて飛ぼうものなら撃ち落とされかねない。

現に奴は俺をロックオンしている。

 

どうする。

ここでじっとしていても状況は良くならない。

 

「………………」

 

俺は、そっと横を通り過ぎようとして……。

 

「星海くん!離れて!!」

「エッ」

 

先生が、ラファール・リヴァイヴを駆って飛んできて。

その、不気味なISに射撃を開始してしまった。

 

《高熱源反応》

 

「「!!」」

 

先生の射撃を、凄まじい反応速度で回避する。

……早い!

 

巨大な両腕に備え付けられた2問の砲台を向けられる。

 

「っ!逃げて!」

 

咄嗟に海に飛び込む。

足のつま先を凄まじい出力のビームが掠めた。

 

「ひぃ!?」

『星海くん!そのまま海中を移動してスタッフさん達と合流してください!』

「先生は!?」

『私は大丈夫です!元代表候補生です、上手くやります!』

「俺だって……」

『生徒を守るのは、先生の約目です!危険な目には遭わせられません!』

「けど!」

『きゃっ……!』

 

どうする。

このまま逃げる事は簡単だ。

メルクワンガンダムなら、次世代機相手でも海中においてアドバンテージがある。

 

しかし、戦闘エリアは海上。

アースアーマーがあれば、少しは戦力になれたかもしれない。

 

(くそっ……)

 

俺は、見てる事しか出来ないのか。

これじゃあ……あの時と同じじゃないか。

目の前で両親を失ったあの日と。

何も出来ずにただ見てるだけだったあの時と!

 

(嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!)

『大丈夫だ』

 

……声が聞こえる。

通信は何処とも繋がっていない。

 

『プラネッツシステムに、限界は無い』

 

……ああ、そうか。

そうだったのか。

 

あの声は、コアガンダムの。

 

「……そうだな。そうだ」

 

セシリアと戦った日。

プラネッツシステムに限界は無いと聞いた日。

 

そもそもアーマーを置いてきたと()()()()()()()

そうじゃない。

 

コアガンダムに搭載されているプラネッツシステムと言うOSでは無い。

プラネッツシステムと言う装備だ。

つまり、

 

「コアチェンジ、」

 

アースアーマーは、此処にある!

 

「マーキュリートゥアース!」

 

 

俺は、海上へ飛び出した。

 

 

 

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