「うおおおおおお!!」
「星海くん!?」
水中から勢いよく飛び出し、ビームサーベルを振り抜く。
先生に今から掴みかかろうとした腕に、刃を……。
「硬ッ!?」
ビームサーベルを装甲で受け止めている。
なんだこの強度は。
「先生!」
「!」
片腕を抑えている間に、そういった意図で呼んだのが伝わったのか。
先生がライフルを構える。
その瞬間、もう片方の腕に手を掴まれた。
「う、げぇ!?」
そのまま投げられた。
……先生の射線を遮る形で。
「っ……!」
こいつ、硬いし馬力があってかつ早い!
全く可愛げがない……!
「こんにゃろ!」
ビームライフルを撃つ。
二次ロック、エイムアシストの補正を掛けていても外れる。
いや、撃つ瞬間に相手はもう射線上に居ない。
こちらの撃つタイミングを把握しているレベルの反応。
ISが欠陥機だと言う前提を覆す程の性能。
第2世代機と第1.5世代機の2機がかりで有効打が与えられない。
第3世代機とか言うやつなのか、これは。
ただ、1つ気になる事が。
「先生」
「……何でしょう」
二人並んで油断なく構える。
「あいつ……人、乗ってるんですかね」
いくら360°全てを見る事が出来るISであっても、背後を見るには少なからずラグが発生する。
人間は後ろを見る事にまだ対応できていないからだ。
流石に訓練された軍人ならそれを最小限に出来るだろう。
それにしたって速過ぎるのだ。
それに、首の動きが一切無いのも気になる。
本来、ISは人間を搭乗させる事が大前提の機体だ。
これだけで判断するには早計かもしれない。
「……同じ事を思っていました。あまりにも機械的過ぎる」
先生も同じ考えだった様だ。
しかし、これが分かっても対抗策は……。
「現にこうして私達が話している間攻撃はしてきていません。その説は濃厚かも」
……確かに。
しかし、ここでじっと待っていても事態は解決しない。
「……応援要請はしましたが、ジャミングでどこまで届いているかどうか」
「俺達でやらなきゃいけない、と」
「こうなった以上、やるしかありません……本当は星海くんだけは逃がすつもりだったんですけど」
「それは了承出来ません」
「頑固ですね、君は」
「そう言う性分ですんで」
「さて、そうとなればこの場をどう切り抜けるか、ですが」
一度情報を整理しよう。
相手は並のIS以上の装甲と馬力、火力を持っている。
辺りは一面の海。
遮蔽物も一切無い。
……海?
「先生」
「はい?」
「なんとか、あいつの動きを少しでも止められますか」
「……私の実力では恐らく20秒程度でしょう」
20秒。
確か、ビームライフルのチャージ時間は……。
「作戦があります」
「良いですよ」
「まだ何も言ってませんけど」
「生徒を信じるのも、先生の仕事ですから」
「……あなたみたいな人、もっと早く会いたかったですね」
「え?」
「行きます!」
マーキュリーアーマーを呼び出す。
先生も即座に続き、俺を追い抜いた。
「はぁっ!」
「うおおお!!」
サーベルを抜く。
先生がアサルトライフルを二丁腰に抱えて連射する。
不明機はまず射撃を避けようとした。
そこへマーキュリーアーマーを
なんのロックも攻撃もせずただ飛んだだけの物体になんの反応もせずにそのまま体勢が崩れた。
「うらぁ!!」
サーベルを突き刺す。
面で切れないのなら、点で刺せ!
相手の左腕が咄嗟に上げられ、サーベルが腕に突き刺さる。
「星海くん!」
先生の投げたグレネードが目の前を通り過ぎる。
俺はシールドを構えて真上に離脱。
そのままシールドとビームライフルを連結させる。
「やぁぁぁぁぁっ!!」
爆発。
先生が爆炎の中に吶喊、不明機に組付く。
「今です!」
「当たれええええええ!!」
アースリィガンダムの最大火力。
ビームライフルの最大出力を放つ。
即座に先生が離れる。
不明機の胴体に、ビームが命中する……だが、抜けない。
衝撃で不明機が海面に叩きつけられる。
「コアチェンジ!」
マーキュリーアーマーがバラバラに分解され、身体からアースアーマーが弾け飛ぶ。
「アーストゥマーキュリー!」
即座にメルクワンガンダムに換装、海面から上がろうとした不明機を蹴り、更に沈める。
「行けぇ!!」
ニードルガンから水中ビットをパージ、不明機の両腕に接続し海底に向けて推進をさせる。
「うおおおおおおおお!!!」
メルクワンガンダムの出力を限界まで上げる。
そのまま不明機を抑えて一緒に海底まで突き進む。
……所属不明機の動きが明らかに鈍くなっていく。
やはり、
(水中戦は想定されていない!)
本来、ISは空戦を行う為に調整が為されている。
水中で戦う事など稀だからだ。
周囲が暗くなる。
相当深くまで潜ってきた。
その瞬間、ビームサーベルで穴が空いていた不明機の左腕が爆ぜた。
それに連鎖するように機体が軋んでいく。
水圧に耐えられなくなっているのだ。
ここまでくればもう満足に動けまい。
「くたばれええええええええ!!」
俺は、ニードルガンをビームライフルが焼いた胴体に向かって放った。