モノレールに揺られる。
昨夜はしっかり寝たハズなのに少しウトウトする……が、この状況で眠ってしまえば何が起こるか分かったもんじゃない。
「………………」
視線。
視線視線。
四方八方から注がれる視線。
視線の主は10割女性。
というよりこのモノレールに乗っている男性は、俺だけ。
周囲の少女たちは皆同じような白い制服を身に纏っている。
……この車両の行きつく先は人工島に設立されているIS学園。
この周囲で奇異の目を向けているやつら全員が学友になるのだ。
気が滅入る。
前に居た施設は男女比もそこまで離れていなかったが……これは、息が詰まる。
俺自身も女性に対してあまりいい思い出を持っていないせいもあるが。
車窓から空を見上げる。
良い天気だ。
雲一つ無い快晴。
今夜は良い星が見られそうだ。
そんなことを考えていたら電車は到着。
女子生徒の荒波に飲み込まれる前に急いで離脱した。
――――――――――
教室の中も地獄だった。
幸いにして窓際の一番後ろというポジションを獲得したので左と後ろに人はいない。
その代わり廊下やどこやらもう人だかり。
よりにもよってもう一人の男子とは別のクラスにされたので運命を呪うしか無かった。
(空、たけー……)
手を伸ばしても届かない、彼方。
この空の向こうに俺は……。
「………………」
ふと、隣に座る金髪の少女がじっと俺を見ていることに気が付いた。
明らかに日本人ではない。
ふと、このIS学園の設立された理由を思い出す。
……日本の生み出してしまった産物。
パワーバランスを崩壊させてしまったそれの正しい運用を日本に尻ぬぐいさせる為に世界各国が金を払わせて誕生したのである。
良いように使われたな日本。
話を戻す。
青いヘアバンドが特徴的な金髪の美少女。
並みいる男なら舞い上がったりするだろうが……生憎と、俺は女という生き物に夢は見れなくなっているので無視した。
「皆さん、ようこそIS学園へ。私たち教員一同、盛大に歓迎しましょう」
スーツ姿の人が好さそうな教師がそう声を発した。
「まずは自己紹介から。あで始まる……」
俺の番はまだまだ遠い。
「イギリス代表候補生、セシリア・オルコットですわ。皆様、よろしくお願いいたします」
隣に座っていた少女は、セシリアというらしい。
……オルコット?
何だろう。
聞き覚えがあるような気がする。
というか、代表候補生だったのか。
国の未来を背負ってやってきた……スポーツ特待生の様な人間。
国のバックアップを受け、専用機を携えてやってきているとか。
……そんな事を考えていると、俺の番が回ってきた。
視線が集まる。
この空気感は嫌いだ。
ため息を吐いて、立ち上がった。
「……星海那由太(ほしみなゆた)。このクラスで唯一の男子らしいんでお手柔らかに」
空が、青いな……。