精神衛生上、聞くか聞かないかどちらが良いんでしょうね。
技研から渡された4つのアーマー。
これらは全てプラネッツシステムというくくりでコアガンダムの中に格納されている。
戦闘中始めからサポートメカとして飛ばしていても良いのだが、なんとマニュアル操作が必要な代物だった。
コアガンダムで戦闘しながら各アーマーに指示を飛ばすなんて芸当、流石に出来ない。
聞けば、セシリアもビット、ブルーディアーズを動かしているときもそんな感じらしい。
今日の放課後は、生徒用のメンテナンスハンガーでISのOSを弄っている。
弄る、と言ってもISは思考のとおりに動く代物。
大体これはこういう風に動くぞ、というコードを見たりとか、そんな事しか出来ない。
後はちゃんとアーマーを装着した時、そのアーマーにあった動きが出来るかどうか。
「おっす、那由太。精が出るな」
「一夏」
ISと繋いだ画面から目を離して、声の主の方を向く。
「どうしたんだ、今日は篠ノ之や転校生と一緒じゃないのか?」
「え?あー……二人とも、何かバトルに熱が入っちゃって」
大方それはお前の取り合いなんだろう、とは言わぬが花か。
「お、新しいアーマーか?」
「ああ。ヴィーナスアーマーだ」
金星の名を冠する、緑のアーマー。
額のアンテナは3本角になり、真ん中にカメラが取り付けられている。
特徴はなんと言っても背中のビームキャノンにミサイルラック、腕部や膝に取り付けられたグレネード。
アースリィガンダム以上に射撃戦に特化させたアーマーだ。
その名を、ヴィートルーガンダム。
「良いなぁ、お前の機体は色々出来て」
「そうは言うが、お前の方は
「そうだけどさ」
俺のコアガンダムには、
元々は第2形態に移行した際に獲得するものらしい。
「機体の傾向はまさしく玄人向け。でも一対一じゃなくてチーム戦になった時闇討ち狙ったりすれば活躍出来そうだな」
「でもなぁ……エネルギーのやり繰りが本当に厳しいんだよ、ホントに」
一夏との模擬戦での勝因が大抵向こうの自滅。
欠陥機と揶揄されるISの中でも、本当に輪をかけて欠陥のあるシステムだと言わざるを得ない。
ただし、当たれば強力だと言うのは言わずもがな。
どうやって当てるか。
そこに焦点を当てれば……。
「ペアトーナメントとか、那由太と組んだら結構良い所まで行けそうな気がするな」
「お前がちゃんと働いてくれないと俺が2機相手にする羽目になるんだぞ?さすがにゴメンだ」
俺の機体はアーマー単体では並のISの50%程度の力しかないのに。
「ははは、何とかなるって」
「お前なぁ……」
「那由太」
「あん?」
「そろそろ、動くだろ?」
一夏と話している最中でも手は止めていなかった。
ほんと、こいつ聡いくせに自身に対する好意には無頓着と言うか。
「良いぜ。今日はヴィートルーガンダムの試運転だけどな」
「そうこなくっちゃな!」
ああ、またセシリアにどやされる。
素人同士の模擬戦に意味は無い。
けど、やっぱり楽しいのだ。
手足のように動かせるISで空を飛ぶのは。
「コアチェンジ、ドッキングゴー!」