IS~この世界の宙が見たくて~   作:塊ロック

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何とか生徒を逃し、俺も戦列に加わろうと踵を返した所で……呼び止められた。


第二十六話「交差する赤白」

「は?まだ逃げてなかったのか?ここは危険だ」

 

呼び止めた女子生徒……よく見ると二年生だ。

 

「いやいや、ちょっとお手伝いをね?」

「手伝い?別に必要ないよ今は。それよりアンタの安全の方が大事だ」

「あら嬉しい。でも篠ノ之さんは良いのかしら?」

「一夏がなんとかする」

「へぇ。信頼してるんだ?」

「あそこで応えなかったら、篠之野さん惚れないだろ」

「あっはっはっは!よく見てるわねぇ!」

 

何が可笑しいのかこのひと腹抱えて笑い出したぞ。

扇子まで広げて……待って、座布団一枚って書いてある。

 

「ほら、行くぞ」

 

手を取ろうとしたら、ヒョイと軽い身のこなしで躱された。

 

「お姉さんに触ろうとするのは、10年早いわよ」

「アンタもそんだけ歳食うだろうが」

 

ガン!

と頭に何か当った。

 

「いってぇ!!」

 

……今の一瞬で、女子生徒は消えていた。

 

「何だったんだ今の」

 

アリーナが揺れる。

俺は頭を振って一夏達の元へ急いだ。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

……一夏と鳳は無事だった。

 

と、言うより無人機の前で何もせず立っているだけだった。

だが、今はそれが正解だ。

 

あの無人機は、手を出さなければ動かない。

 

「那由太さん!」

 

ブルーディアーズを展開していたセシリアが上空から降りてきた。

 

「セシリア、状況は?」

「にらみ合いのままですわ」

「……シールドが復旧して手出しが出来ない、か」

 

流石にコアガンダムの装備ではシールドを突破する事は出来ない。

マーズフォーがパワー特価とは言え、馬力が足りない。

セシリアに関しても同じだ。

ビーム兵器に依存しどちらかと言うと手数で補うタイプだからだ。

 

「待て、一夏と鳳が動いた」

 

鳳が衝撃砲で一夏の背中を撃ち抜く。

気でも狂ったか!?

 

いや、

 

「セシリア、行くぞ!」

「えっ?!」

 

衝撃エネルギーをブースターにしたんだ、あの大馬鹿野郎は!

 

「援護のチャンスは来る!」

 

あいつの一撃が決まる。

当たっても当たらなくても関係ない。

何故なら。

 

瞬間、一夏の雪片弐型が無人機を掠めた。

恐ろしく早い加速。

 

「アリーナのシールドが……!」

「飛び込めぇぇぇぇぇぇ!!」

 

セシリアが一斉射撃。

俺もセシリアのビームに並走して突っ込んだ。

 

背中のヒートレヴソードを抜く。

 

「うおらぁぁぁぁぁ!!!」

 

背後からの奇襲。

セシリアのビームの嵐に動きを鈍らせていた無人機の腕に、赤熱した刃が当てられる。

 

浅いッ!!

 

マーズフォーの脚のブレードで無人機を蹴り、一夏達の場所まで跳んだ。

 

「よう大馬鹿野郎。生きてたか」

「なんだと!……生きてる。来てくれて良かったよ。それが新しいアーマーか?」

「ああ。近接特化仕様だ」

「次やる時も負けねーからな」

「抜かせ」

「アンタ達こんな時にまで何言ってんのよ!」

 

俺は一夏の目の前にヒートレヴソードを突き刺した。

 

「おいおい」

「零落白夜、撃てるのあとイッパツだろ。使えよ」

「ったく、お前はどうすんだよ」

「言ったろ?近接特化仕様だ」

 

背中にマウントされている二本一対の実体剣を抜く。

 

「しくじるなよ!」

「ああ!」

 

俺達は剣を構える。

白と赤が並び立つ。

 

「「行くぜ!!」」

 

 

 

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