「は?まだ逃げてなかったのか?ここは危険だ」
呼び止めた女子生徒……よく見ると二年生だ。
「いやいや、ちょっとお手伝いをね?」
「手伝い?別に必要ないよ今は。それよりアンタの安全の方が大事だ」
「あら嬉しい。でも篠ノ之さんは良いのかしら?」
「一夏がなんとかする」
「へぇ。信頼してるんだ?」
「あそこで応えなかったら、篠之野さん惚れないだろ」
「あっはっはっは!よく見てるわねぇ!」
何が可笑しいのかこのひと腹抱えて笑い出したぞ。
扇子まで広げて……待って、座布団一枚って書いてある。
「ほら、行くぞ」
手を取ろうとしたら、ヒョイと軽い身のこなしで躱された。
「お姉さんに触ろうとするのは、10年早いわよ」
「アンタもそんだけ歳食うだろうが」
ガン!
と頭に何か当った。
「いってぇ!!」
……今の一瞬で、女子生徒は消えていた。
「何だったんだ今の」
アリーナが揺れる。
俺は頭を振って一夏達の元へ急いだ。
――――――――――
……一夏と鳳は無事だった。
と、言うより無人機の前で何もせず立っているだけだった。
だが、今はそれが正解だ。
あの無人機は、手を出さなければ動かない。
「那由太さん!」
ブルーディアーズを展開していたセシリアが上空から降りてきた。
「セシリア、状況は?」
「にらみ合いのままですわ」
「……シールドが復旧して手出しが出来ない、か」
流石にコアガンダムの装備ではシールドを突破する事は出来ない。
マーズフォーがパワー特価とは言え、馬力が足りない。
セシリアに関しても同じだ。
ビーム兵器に依存しどちらかと言うと手数で補うタイプだからだ。
「待て、一夏と鳳が動いた」
鳳が衝撃砲で一夏の背中を撃ち抜く。
気でも狂ったか!?
いや、
「セシリア、行くぞ!」
「えっ?!」
衝撃エネルギーをブースターにしたんだ、あの大馬鹿野郎は!
「援護のチャンスは来る!」
あいつの一撃が決まる。
当たっても当たらなくても関係ない。
何故なら。
瞬間、一夏の雪片弐型が無人機を掠めた。
恐ろしく早い加速。
「アリーナのシールドが……!」
「飛び込めぇぇぇぇぇぇ!!」
セシリアが一斉射撃。
俺もセシリアのビームに並走して突っ込んだ。
背中のヒートレヴソードを抜く。
「うおらぁぁぁぁぁ!!!」
背後からの奇襲。
セシリアのビームの嵐に動きを鈍らせていた無人機の腕に、赤熱した刃が当てられる。
浅いッ!!
マーズフォーの脚のブレードで無人機を蹴り、一夏達の場所まで跳んだ。
「よう大馬鹿野郎。生きてたか」
「なんだと!……生きてる。来てくれて良かったよ。それが新しいアーマーか?」
「ああ。近接特化仕様だ」
「次やる時も負けねーからな」
「抜かせ」
「アンタ達こんな時にまで何言ってんのよ!」
俺は一夏の目の前にヒートレヴソードを突き刺した。
「おいおい」
「零落白夜、撃てるのあとイッパツだろ。使えよ」
「ったく、お前はどうすんだよ」
「言ったろ?近接特化仕様だ」
背中にマウントされている二本一対の実体剣を抜く。
「しくじるなよ!」
「ああ!」
俺達は剣を構える。
白と赤が並び立つ。
「「行くぜ!!」」