「あー、疲れた……」
アリーナから出て、妙な疲労を抱えて寮に戻る。
なんかどっと疲れた。
「今日はとっとと出よう……うん?」
部屋のドアが施錠されていない。
一夏が先に戻ってるのか。
「ただいま」
「あ、お帰り那由太」
「うん……???あ、シャルルか」
なんとなく呟いた一言に思ってもない人物から応答があり、戸惑ってしまった。
そういや部屋が用意できるまで俺達3人部屋だったな。
「何か疲れてるみたいだけど……」
「あー?まぁ……ちょっとな」
「そう?なら良いんだけど」
「おっ。お帰り那由太」
一夏は奥のテーブルで今日出された課題を広げていた。
対面に筆記具が一式出されていたので恐らくシャルルが教えていたのだろう。
「オイオイ、転校生に教わってたのか?」
「し、仕方ないだろ!お前は教えてくれねーんだから」
「教えないじゃない。教えられないんだ」
「んな堂々と言うなよ……」
いつもの様に二人で軽口を叩きあう。
そんな様子にシャルルが目を丸くして口を開いた。
「二人とも仲がいいね。会ってどのくらいなの?」
「「……一ヶ月くらい??」」
そういやそんなくらいしか経ってないのか……いや、色々起こり過ぎだろ。
「まぁ、色々あったからな……」
「そうだな……あ、那由太もポッキーどうだ」
「貰うわ」
しかし、3人部屋か。
ちょっと手狭だし何より風呂は部屋のシャワーで済ますしか無いから大変だな。
「まぁこれから色々ある……まぁ絶対何かあるから協力していこう、二人とも」
「おう」
「うん」
――――――――――
「ちなみにシャルルってさ」
「何?」
俺がシャワーを先に使って戻ってきたところ。
一夏は完全に集中力を切らして雑談モードに入っていた。
「ここ来る前は何やってたんだ?」
……一瞬、シャルルの顔が引き攣った様に見えた。
「この野郎」
「なんおぶぁっ!?」
一夏にヘッドロックをかます。
「ちったぁ考えろお前。時期ズレてんだからなんかあったんだろ」
「いたたたたたそりゃそうだ!!悪い!!」
「う、ううん……気にしてないよ。ありがとうね」
「良かったな、シャルルが寛大で」
「いい加減手を離せ、よ!!」
「うおっと!」
一夏が俺を背負投の要領で前に投げる。
既のところで手を離し一夏の後頭部を小突いた。
「イテッ」
「ふはは、甘いな」
「やったな!」
「いつまではしゃいでる!時間を考えろ!!」
いきなり部屋のドアを蹴り開けた織斑先生に二人揃ってグーパンされた。
「「ぐえぇ」」
「静かにしろ」
「はいぃ……」
「ぷっ……アハハ……!」
織斑先生が帰ったあと、シャルルが笑い出した。
「君たち、おかしいよ……何その、アハハ……!」
俺たちはお互いに見合って、揃って口を開いた。
「やっと笑ったな」
「え?」
「ああ」
まぁ、なんとかやっていけそうだな。