IS~この世界の宙が見たくて~   作:塊ロック

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第三十八話 「奇妙な協力関係」

 

一言で言えば、ラウラ·ボーデヴィッヒと言う女は今まで俺の知る代表候補生の中で最も規格外だった。

 

戦闘に対するためらいは一切なく、引き金を引く判断を微塵も鈍らせない。

本人のISの性能抜きにしても、素の実力が桁違いだった。

 

「すげーな」

 

思わず声が漏れる。

それを、ラウラのISが拾ったのか通信が入る。

 

「何だ、見てるだけか」

「んな事言われてもな……素人の俺からすりゃ何もかもすげーんだわお前」

「当たり前だ。貴様らとは経験が違う」

「お前さ、ここ来る前に何かやってたのか?」

 

セシリアも鳳も代表候補生として何かしらの訓練は積んでたっぽいしな。

マジでずぶの素人なのは俺と一夏くらいだろ。

 

「私は代表候補生であると同時にドイツ軍人でもある」

「へー……え、軍人?」

 

マジかよ。

そりゃバリバリに戦闘経験がある訳だ。

 

「……IS使って?」

「そうだ」

 

兵器転用の禁止思いっ切り破ってんじゃん。

とは言え、相手もISを出すならこっちも出さないと蹂躙されるのは目に見えている。

ぶっちゃけ抑止力としての側面もあるのだろう。

 

「そりゃすげー訳だ。俺も操縦もっと上手くなりたいもんだ」

「ほう……見せてみろ」

「え?」

「貴様のISをだ」

「なんだよ急に……まぁ良いけど。コアチェンジ、ドッキングゴー!」

 

アーマーはアースアーマーを選択。

一瞬でアースリィガンダムに換装する。

 

「第1世代をカスタムした……1.5世代型のISか。装着は随分と早いな」

「まぁ早くしろと散々言われたからな……」

 

織斑先生のあの冷たい視線を思い出す。

 

「誰からだ」

「え?そりゃ織斑先生だよ」

「ほう……貴様の様な素人をもそれなりに仕上げるとは……流石教官だな」

「教官?」

 

先生のことを教官か。

あれかな、翻訳の差異みたいな話かな。

 

「知らないのか?教官……織斑教官は一時期ドイツで私達を鍛えていたのだ」

「へぇ……あの人ドイツでそんな事を」

 

さも当たり前の様に言ってるけど普通知らねぇって。

 

「あの人もあの人で大概だな……」

「ああ、教官は素晴らしいお方だ。だからこそ、こんな場所で……いや、何でもない」

「?」

 

何やら含みがありそうな。

……まぁ、そんな深入りする事も無いだろう。

 

「まぁ良い。貴様の動きを見てやる。いつでも来い」

「え?お前私闘は……」

「これは訓練だ」

「……分かったよ!」

 

こいつ相手に俺の力はどこまで通じるだろうか。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

結論から言うと、何も通じなかった。

奴の持つAIC……アクティブ·イナーシャル·キャンセラーによるものだった。

捕らえられたら最後、ISの動きは止められてしまう。

その間向こうは殴り放題なのだからたちが悪い。

 

「こんなものか」

「そりゃ無理って話だ……」

 

肩で息をしながら立ち上がる。

あーあ、アースリィのアーマーがほぼ残ってない。

 

「貴様のIS、サイズが変わっているな」

「え?ああ。俺のISはコア部分と装甲を入れ換える換装型だ」

「ほう?戦闘中に変えられるのか?」

「まぁ一応な」

「見せてみろ」

「イチイチ上から目線だなお前……コアチェンジ、アーストゥマーズ!」

 

ボロボロのアースアーマーを脱ぎ捨てて、真紅のマーズアーマーを身に纏う。

 

「……装甲を変えるとは言ったが、武装まで丸ごと交換しているのか」

「そうだ」

「第1世代型であるが故にレスポンスや能力が現行機より低いが……単騎であらゆる状況に対応し得るポテンシャルだな」

「お、おう?」

 

何だ?

思ってたより悪くない反応してる。

 

「他にアーマーはいくつある」

「え?」

 

今手元にあるアーマーはアース、マーズ、ヴィーナス、マーキュリー。

 

「……4つだ」

「少なくとも4通りの戦法が取れる訳か。そして、私との戦いで他のアーマーを出さなかったと」

「こっちも色々制約があるんだ、勘弁してくれ」

「まぁ良い。次はそのアーマーで来い」

「マジかよ」

 

結局全部使って相手することになってしまった。

 

 

 

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