奇妙な特訓から数日が経ち。
いよいよタッグトーナメントの参加を悩んでいた時。
「おい貴様」
「俺は貴様なんて名前じゃないんだけど」
ざわっ、と教室がざわ付く。
セシリアなんな凄い顔してる。
「アリーナを使う。来い」
「いやお前あの時だけだろ」
「私だけでは利用出来ん」
「そうだな、お前がやらかしたからな」
「だから来い」
「頼むから話をしてくれ」
「?だからこうして来ているだろう」
「いやそうじゃなくてな……」
どうしよこの子。
話が通じないよ。
「那由太さん」
「うん?どうしたんだセシリア」
「……なぜ彼女を手伝ったのです?」
「困ってたからな」
「っ……!」
セシリアがぎゅっとスカートを握った。
「どうして……!」
「どうしてって言われてもな……」
「おい、早く行くぞ」
「わーったっつの!まぁそう言うことだからまた後でな」
「あっ……」
心なしかクラスメイトの視線が冷たい気がする。
(……何でだ?)
――――――――――
「おい貴様」
「俺は貴様なんて名前じゃねーけど」
「私と組め」
「……なんだと?」
アリーナでのトレーニングもそこそこに、ラウラがそう言った。
意外だったのは、こいつがタッグトーナメントに出るつもりでいたことだ。
「なんでお前と」
「有象無象と組むよりかは貴様の方がマシだと判断した」
「そうかい……」
3回くらいこいつとやり合ったが、まぁ手も足も出ない。
あの停止結界の突破の糸口が掴めないのだ。
何か、一点に火力を集中出来れば……。
(……今度、久しぶりに不動さんに連絡してみようかな)
案外そんなアーマーを作っていたりして。
しかしマーズアーマーやヴィーナスアーマーで火力が足りないとなるとどうするべきか……。
やはり俺は他の代表候補生達と比べるとどうも一芸に劣る気がしている。
セシリアのブルーディアーズ、一夏の零落白夜、鳳の衝撃砲、ラウラの停止結界。
そういやシャルルの専用機ってどうなってんだろ。
「おい、返事はどうした」
ラウラの声で思考を目の前に引き戻された。
「……つっても、お前の突破口見えないし、俺は手の内バレてるからな……選択肢がない」
「それは肯定と捉えるぞ」
「ご自由に。書類は出してくれよ」
なんと言うか、よく分からん組み合わせになっちまった。
ただ、
(……一夏と戦えるな)
こいつは一夏と確執があるし、俺も一夏と戦いたい。
利害は一致していると言える。
まぁ端からチームプレイなんて期待してないが。
「貴様が誤射しない限り私も貴様に銃口を向けるつもりはない」
「しねーって」
はてさて、どうなることやら。