結局、エネルギーの問題も解決できないまま当日を迎えてしまった。
あれからセシリアとも一夏とも会話していない。
一夏の奴はシャルルと組んだらしい。
部屋の空気が悪いのでシャルルが遠慮がちにそう話していた。
さて、目の前のモニターに対戦表が表示される時間だ。
「……!」
思わず一夏のほうを見た。
向こうも同じ様にこちらを見る。
……その表情は、笑っていた。
「フン……初戦からか」
「望むところだ」
拳を反対の掌に打ち付ける。
初戦にして、最大のライバル。
俺の対戦相手は一夏&シャルルのペアだった。
――――――――――
アリーナに響く歓声。
マーズフォーガンダムで着地する。
……目の前には、白式と……シャルルの専用機であるラファール·リバイヴⅡが既に居座っていた。
「……来たな」
「ああ」
俺と一夏が視線を交わす。
互いにこの日までろくに言葉を交わさなかった。
けど、目は語っている。
「俺は」
「お前と」
「「戦いたい!」」
ずっと競い合いながら努力して、お互いに勝負して。
一瞬仲違いしようが根底の想いは変わらない。
いつか、公の場で。
いつか、お互いに全力で。
白黒はっきり着けたいと!
「「決着を付けようぜ!!」」
完全にシャルルとラウラは思考の外。
「おい貴様」
「俺は貴様なんて名前じゃねえ」
「忘れていないだろうな。織斑一夏は私が完膚なきまでに叩き潰す」
「知るか。一度も同意してね―よ」
「邪魔をするなら貴様ごと排除する」
「なら俺もお前を叩きのめしてから一夏とやる」
「「………………」」
試合開始のアラームが鳴る。
即座に一夏をロックオン。
一夏が何の打算もない前ブースト一直線でこちらに向かってくる。
俺も負けじとマーズフォー最大出力で飛び出した。
「「行くぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」」
――――――――――
「見に来てたんだ」
観客席。
既に座っていた鈴音に、セシリアは声をかけられた。
「ええ、今来たところですわ」
「そ。始まったみたいよ」
「ええ……」
視線をアリーナに向ける。
そこでは、那由太と一夏が剣をぶつけ合っていた。
射撃戦も戦闘のセオリーも一切無し。
まるで子どものちゃんばらの様に切り合っていた。
「バッカみたい」
「ええ……本当に馬鹿みたいですわ」
「意外ね、アイツの肩持たないんだ」
「ええ。だってあの人、わたくしの仇を取ってくれませんもの」
「そう言えばそうじゃない。那由太のヤツなんでラウラと組んでるのよ」
「……一夏さんと戦いたいからでしょうね」
「あっきれた……そんなにやりたかったワケ?アイツらずっと模擬戦とかしてたじゃん」
「理解できませんわ……」
途中でラウラに背中を蹴り飛ばされて転がった後、ラウラに向けて双剣を投げ付けていた。
「ちょっとちょっと何やってんのあれ」
「……完全に仲間割れしてますわね」
その矢先、シャルルが放った弾丸を那由太が切り落としヴィートルーガンダムへ換装、シャルルと射撃戦を始めた。
「え、何あれ……」
「意味がわかりませんわ……那由太さん、何をしてますの……??」