何となく、セシリアは俺の事が気に入らないと言うのがこの2日で理解できた。
顔を合わせてもにこりとも笑わない。
消しゴム拾って渡してもお礼も無い。
……何か、釈然としない。
「あの……」
そんな時、セシリアが声を掛けてきた。
「どーも。なに?」
「いえ……消しゴム、ありがとうございました」
授業中に言わなかっただけか。
真面目な奴め。
「別に。たまたま届いたから」
「そうでしたか。その、良ければわたくし、ISの事について教えて差し上げましょうか?」
……この三日間で嫌と言うほど聞いた言葉。
このとき、慣れない環境もあったのかちょっとイライラしていたかもしれない。
思い返せば絶対聞いといて損なかったのに。
代表候補生だぞ。
「いや、良い。今のとこ間に合ってる」
「なっ……。わたくしの申し出を、蹴りましたわね!?」
「は……?」
セシリア、キレた。
えっ、何故に……。
「やはり男性など入れるべきでは無かったのです!下々を導くのが貴族の務めではございましたが、それ以前の問題ですわ!」
……美人だが、蓋開ければ昨今の女なんてそんなもの。
「はぁ……言いたいことはそれで全部か?次の授業始まるぞ」
「何ですのその言い方!貴方、やっぱり個人的に気に入りませんわ!!」
「……奇遇だな。俺もたった今そう思ってた」
あ、これはマズイ流れだ。
経験上、ムキになって反論するとエスカレートするのはわかってる。
そのせいで施設暮らしが億劫だったし。
「あらそうでしたのね!全く気が合いませんわ!」
「いい加減うるさいぞお前……」
「レディに対してなんて口の聞き方なのかしらこの方……」
「うわ、急に落ち着くな」
「意味不明ですわ!」
あ、こいつ馬鹿だな?
根は悪くなさそう。
なんか環境がこいつの価値観をガチガチに固めている感じがする。
「付き合い良いな。お前ホントは良いやつだろ」
「何なんですのそれ……」
「その仮面の下を吐き出せオルコット」
「もうめちゃくちゃですわ……」
なんか、イジったらいい反応して面白いかもしれない。
こういう性格が災いしてろくな目に合ってこなかったのに懲りない性分だ。
「もう良いですわ。どっちが上か分からせて差し上げましてよ」
「結論を言うとお前だけどな」
「急に謙虚にならないでくださいまし!!ああもう調子狂いますわね!?」
知らんがな。
「決闘ですわ!」
………………え?
デュエル?何で?
「貴方が反故にした相手がどれ程優秀だったのか思い知らせて差し上げますわ!」
「いや……やめとくわ。専用機持ち相手に叶うわけ無いだろ」
「負けると分かった途端に弱腰?やはり男とはその程度なのですね?」
「……は?負けないが?やってやろうじゃねーか!」
売り言葉に買い言葉。
ヒートアップしやすいのが嫌な性分です、ホント。
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「と、言うわけなんだ一夏」
「馬鹿だろ、お前」
「反論できない!でもお前より成績は上だ」
「お前、面の皮凄いな」