IS~この世界の宙が見たくて~   作:塊ロック

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昔話をしてあげる。
あれは、まだ両親が存命で……大事な約束を覚えていた時の事。


第五話「昔話」

「宇宙飛行士を付けてあげよう」

 

それは、俺が覚えている最も古い父の言葉だった。

 

「僕達は何処へだって行ける。そう……宇宙にもね」

 

父さんは宇宙飛行士だった。

帰りは遅く、いつも帰ってくるとは限らなかった。

けれど、過去に有人宇宙飛行を成功し帰ってきた……俺の自慢の父だった。

 

このとき貰ったデフォルメされた宇宙飛行士のキーホルダーはまだ携帯に付いている。

 

それなりに幸せだったと思う。

将来、俺も宇宙飛行士になる!なんて言ってた事もあった。

 

母は、そんな父をサポートする役職に就いていたらしい。

母の仕事は、当時の俺には難しく理解し辛かった。

 

稀に、出資者と会ったりすることも有った。

 

「ごきげんよう。今、おひまかしら」

「君は?」

「わたくしは……」

 

たまに娘を連れて来て俺に会わせたりもしてくれていた。

……明らかに日本人じゃなかったけど、日本語めちゃくちゃ流暢なのは覚えていた。

 

けど、この子と、この子と交わした約束を、俺は忘れてしまっていた。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「代表候補生と決闘、か。話はこちらにも来るほど大きなっているぞ」

 

昼休み。

一夏と篠ノ之さんと席を同じくして飯を食っている。

 

「そうなんだ……」

「他人事だな」

「どうしようもないからな……専用機持ち相手に何が出来るか」

「む、最初から負ける気で居るとは。それでも男かお前は」

「そういうのは良いから。篠ノ之さん、あの開発者の妹だろ?何か良い情報持ってないの?」

 

地雷を踏んだ。

篠ノ之は俯いて、呟いた。

 

「姉さんは関係ない」

「……悪い」

「そ、それで?ISはどうするんだ?」

 

一夏が気を利かせて話題を変えてくれる。

 

「……学園が貸し出してるISは『打鉄』か『ラファールリバイブ』だろ?どうしたもんか」

「初心者が乗るならば打鉄が良いぞ。装甲に定評がある」

「機動力の方が必要だろうか……結局守りが固くても相手に追いつけなかったら嬲り殺しだ」

「セシリアがどんな機体を遣うかだな」

「代表候補生だし国のデータに何か残ってないかな」

「……大概実験機だから乗ってないのだろう」

 

項垂れる。

やんなきゃ良かった。

 

「おいお前達。織斑と星海。来い」

 

織斑先生が唐突に表れてそれだけ言い残していった。

俺たちは顔を見合わせて取り合えず後を追った。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「お前達……特に星海。早速問題を起こしてくれた様だな」

 

お説教です。

 

「アレは……」

「言い訳は聞かん。専用機持ちに喧嘩売るとはな……だが、タイミングは良かったかも知れん」

「「?」」

「専用機だ。国はお前達二人に専用機を寄越すそうだ」

「「!!」」

 

マジか。

……よくよく考えるとたった二人しか男性搭乗者だし、データ取りはしたいだろうな。

 

「マジか……」

「オルコットと決闘するのだろう?それまでには来るぞ」

 

専用機、専用機か……。

 

 

 

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