東方異龍録〜Overwhelming power.   作:Ask〈アスク〉

1 / 8
彼女と彼の出会い

幻想郷にモンスターと呼ばれ始めた存在が現れて、二年ほどたったある日。

まだまだ幼い巫女が神社で修行をしていた。

 

「ねー紫〜。休んじゃダメ〜?」

 

「ダメよ。というかまだ三十分も経ってないじゃない......」

 

「ねー、どうしてしゅぎょーなんてするのー?」

 

「はぁ......いい?元々幻想郷にいる妖怪が悪さをした時、あなたがその妖怪を退治するのよ?わかる?」

 

「うん、でも私は『てんさい』なんでしょ?ならしゅぎょーなんて......」

 

「妖怪の相手だけならそれで良かったかもね。でも今の幻想郷には妖怪とは全く違う存在、モンスターがいるの。いくらあなたが天才でも、モンスターには適わないわ」

 

「えー......」

 

「やってみなきゃ分からないって顔してるわね......いい?絶対に境内から出ちゃダメよ?」

 

「うん、わかった!」

 

そのような会話があり、それから約三時間、幼い巫女の修行は続いた。

修行が終わると、幼い巫女はその場で横になった。

 

「つかれたー!」

 

「いい?自由行動とは言ったけど、絶対に、絶対に境内からは出ないでね?」

 

「わかってるよー!」

 

「ならいいけれど......」

 

そう言うと、紫と呼ばれていた人物はその場から消える。

そして紫がその場からいなくなった瞬間、幼い巫女はぴょんと起き上がり、森の方に歩いていく。

 

「ぜんぜんつかれてなんてないよーだ!モンスターをみにいこう!」

 

彼女はそう言いながら、森を進んでいく。

しばらく進んでいると、三体のモンスターの咆哮が響いてきた。

 

「ギャァァァァァァァ!」

 

「ギャァァァァァァァオ!」

 

「グゴォォォォォォォオ!」

 

「うわっ!えーっと......このほうこう?は......なんとかジョーとリオなんちゃらとリオなんちゃら!......あれ?リオなんちゃらがにたい?」

 

彼女はそんなことを言い、咆哮がした方を見る。

 

「このさきにモンスターが......!」

 

そう言って彼女は走り出す。

そして彼女は見た。

一体のモンスター、恐暴竜イビルジョーが、二体のモンスター、火竜リオレウスと雌火竜リオレイアに襲いかかっているのを。

 

「うわぁー......!かっこいい......!」

 

彼女はその戦いを見て、そう呟いた。

 

「ん?あれは......?」

 

彼女がモンスター達の戦いを見ていると、リオレイアが少し変わった行動を見せた。

それを見ていると、なんとリオレイアが小さい赤い竜を逃がそうとしていたのだ。

彼女はここで疑問に思った。

なんであの子しかいないのだろう、と。

実はこの二体の巣は、何度も同じイビルジョーに襲われていて、無事に孵化したのはこの一体だけだったのだ。

つまりこの竜はリオレウスの幼体なのだ。

しかし彼女はそんなことを知らないため、何故だろうと不思議に思い続ける。

 

「あっ!にげてる!......うん!おいかけよう!」

 

そう言って彼女はリオレウスの幼体が向かった方に走った。

リオレウスの幼体はまだ飛べないのか、走って逃げていた。

それにまだ小さく、彼女よりも少しだけ小さいくらいの大きさだったため、走って追いつくことができた。

 

「まって!」

 

彼女がそう声をかけると、リオレウスの幼体は走るのを止めて、彼女の方を見た。

 

「ギャァァオ!」

 

「わわ!こんなにちかくでほうこうをみられるなんて!」

 

彼女は目をキラキラさせてリオレウスの幼体を見る。

 

「ギャウ?!」

 

しかし彼は困惑していた。

何故なら父であるリオレウスの咆哮を真似したのに、逃げるどころか目をキラキラさせて近づいてきている。

そのことに驚いていたのだった。

 

「ねぇねぇ!あなたのなまえは?」

 

彼女は彼にそう言う。

しかし彼は人間の言葉を理解できても、話すことはできない。

 

「あ、こたえられないよね。じゃあ私がつけてあげる!えーっと、あのにたいのこどもであかいろってことは......リオレウスね!なら......レウス!リオレウスのレウス!どう?」

 

「ギャウギャウ!」

 

「よろこんでるの?うれしい!」

 

実際は喜んでなどいないし、さらに言ってしまえば違う名前にしろと抗議している。

しかし彼の言葉を理解できない彼女は、喜んでいると思ってしまったのだ。

そのことに気づいた彼は、諦めて抗議することをやめた。

 

「ねえレウス!私といっしょにあそぼうよ!」

 

彼女はそう言って彼に手を伸ばすが、彼はぷいと横を向いた。

 

「あー!いいじゃないレウスー!」

 

そう言って彼に近づくが、彼は口から小さい炎を出すことで抵抗した。

 

「うーん......なら私といっしょにしゅぎょーしようよ!」

 

「ギャウ?」

 

「うん!しゅぎょーして、つよくなる!そしたらだれにもまけないよ!」

 

「ギャウ......」

 

彼は思い浮かべる。

必死になって自分を守ろうとしてくれた父と母を。

そして一緒に過ごすはずだった家族を。

そして父と母を襲っていたあの竜を。

それからは簡単だった。

強くなればあいつを倒せる。

そう思ったのだ。

 

「ギャウ!ギャウ!」

 

「え!いっしょにしゅぎょーしてくれるの!?」

 

「ギャウ!」

 

「やったぁー!ありがとう!」

 

彼女はそう言って彼、レウスの頭に手を乗せて撫でる。

 

「じゃあこっちにきて!私のいえなの!」

 

「ギャウ」

 

「あ、そういえば私のなまえいってなかったね」

 

「ギャウ?」

 

「私のなまえは博麗霊夢!幻想郷の巫女になるひとよ!」

 

そういった後、彼女、霊夢はレウスと共に神社に帰った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。