東方異龍録〜Overwhelming power.   作:Ask〈アスク〉

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氷と二頭のボス

霊夢とレウスは、ルーミアとの戦いに勝利し、発生源と思われる館の近くにある霧の湖の上空を飛んでいた。

早く終わらせたいと急いでいたのだが、下から邪魔が入る。

 

「さっきのは......氷......よね?」

 

「降りてこーい!」

 

「はぁ?」

 

霊夢が下を見ると、そこには妖精にしては強い力を持っているため、霊夢も知っていた存在、妖精チルノと、その隣に緑色のトサカと五本の、特に真ん中の爪が発達した白い身体のモンスターがいた。

 

「チルノと......えーっと、ドスランポス?に似てるけど違うか......確か......」

 

「ドスギアノスだ!」

 

「ああそうだった。ありがと」

 

下にいるチルノから指摘を受ける霊夢。

ドスギアノスも霊夢に何か言いたいように鳴いている。

ドスギアノス

主に雪山などの寒い場所に生息するモンスター。

幻想郷には雪山などないので、冬以外はあまり見かけない。

特徴的なのは、緑色のトサカと五本の内一番発達している真ん中の爪だ。

そして群れを持つモンスターの中のボスの中では小柄な部類に入る。

その体格を活かした素早い動きで相手の攻撃を躱す。

 

「で、そのドスギアノスはどうしたのよ」

 

「どうしたもこうしたも、このドスギアノスは私の配下だ!」

 

「ギァァ!」

 

チルノが言うと、ドスギアノスが鳴く。

 

「へぇ、群れのボスを配下にするなんて......」

 

霊夢は気づいていた。

ドスギアノスの生態を知っているが故に、ドスギアノスがチルノに対して考えていることを。

 

「(大体、利用させてやるから利用させろ、ってどこかしら)」

 

ドスギアノスは、他の群れと衝突し合うことは無い。

群れ同士が合流すると、その群れは一つの群れとなり、さらにボスであるドスギアノスが二頭存在する場合がある。

霊夢は、今回のことをその生態に沿った行動だと思った。

 

「とりあえず降りてこい!降りないと撃つぞ!」

 

「はぁ......わかったわよ」

 

霊夢は降りなければ邪魔され続けると思ったので、素直に空から降りた。

 

「ふっふっふ。降りてきたがあんたの負けよ!」

 

チルノがそう言うと、木の影から数多くのギアノスと、もう一頭のドスギアノスが現れた。

 

「まさか......なかなかやるみたいね」

 

「これが私の力なのよ!」

 

チルノはそう言って胸を張る。

 

「やっちゃいなさい!」

 

「ギャァァ!」

 

チルノが命令を出すと、ドスギアノスが鳴き、ギアノス達が霊夢を囲み、口から氷液を吐きだす。

霊夢はそれを避けきることが出来ず、何発か受けてしまった。

そして.......

 

「!......やられたわ......」

 

霊夢の足は凍り、動けなくなってしまう。

 

「はっはっは!どーだ!参ったか!」

 

チルノは大きな声で言う。

 

「トドメをさすわ!くらえー!」

 

チルノがそう言い、氷を撃とうとした瞬間だった。

 

「ギャァァァァウ!」

 

「み、耳がぁ......」

 

レウスが咆哮し、チルノを怯ませた。

そして霊夢の足元に小さな火球を飛ばし、凍りついた足を溶かした。

 

「ありがとね、レウス」

 

「ギャウ」

 

「くっそー!いけ!ドスギアノス!」

 

「ギャァァ!」

 

二頭のドスギアノスとギアノスが、レウスに飛びかかる。

が、それをレウスは尻尾で薙ぎ払う。

 

「ドスギアノス!」

 

「ギャァァ!」

 

ぶっ飛ばされて倒れたドスギアノス達は、起き上がると一斉に鳴き出した。

 

「さっさと終わらせるわよ。レウス!」

 

「ギャァァウ!」

 

霊夢の言葉を聞いたレウスは、ギアノス達の近くに火球を飛ばす。

それを見たギアノス達は、一斉にどこかに逃げていく。

 

「ギ、ギアノスが......!」

 

「ギアノスは火が苦手。そんなことも知らないわけないわよね?」

 

「し、知ってたし!」

 

チルノはそう言うが、態度を見れば知らなかったことはすぐにわかる。

 

「ギャァァウ!」

 

次にレウスは二頭のドスギアノスの身体に火球を直撃させる。

 

「ど、ドスギアノス!」

 

ドスギアノス達はぶっ飛ばされて倒れる。

すぐに起き上がると、チルノに向かって何かを言うように鳴き、森の奥に姿を消した。

 

「ま、待って!」

 

「さて、終わりよ。ちゃんとパートナーのことは勉強しときなさい!」

 

霊夢はそう言って、チルノに御札をぶつける。

するとチルノはドスギアノス達が消えていった方に吹き飛ばされる。

 

「疲れるわね。行くわよレウス」

 

「ギャウ」

 

霊夢とレウスは再び空を飛び始め、赤い霧の発生源と思われる館に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢達は、館の門の前に来ていた。

 

「あんたが博麗の巫女だね!私達が相手になるわ!」

 

そう言って霊夢達の前に立ちはだかるのは、この館の門番、紅美鈴と、そのパートナーである眠狗竜ドスバギィとその子分のバギィ達だった。

 

「行くわよ!ドスバギィ!」

 

眠狗竜ドスバギィ

角のように前に突き出したトサカが特徴。

通常のバギィは小さいが、ドスバギィはその倍以上の大きさである。

そのため素早さを少しだけ失い、強力なパワーを手に入れた。

眠狗竜と呼ばれる所以は、口から吐く睡眠液で獲物を眠らせて狩ることからだそうだ。

 

「オォォウ!」

 

ドスバギィはそう鳴くと、美鈴の方を見る。

 

「?敵はあっちだぞ?」

 

美鈴がそう言った瞬間、ドスバギィが口から睡眠液を美鈴に向かって吐きだした。

 

「ぐー......ぐー......」

 

その睡眠液を被ってしまった美鈴は立ったまま寝てしまった。

そしてドスバギィは、バギィ達と一緒にその場から逃げていった。

 

「......この門、結構大きいわね。吹き飛ばすから協力して」

 

「ギャウ」

 

霊夢の言葉にレウスはそう返す。

そして霊夢は霊力で作り出した巨大な陰陽玉を、レウスは普段より少し大きい火球を、美鈴を巻き込むような形で門に撃った。

 

「よし、行くわよ」

 

「ギャウ!」

 

そうして霊夢とレウスは館、紅魔館に足を踏み入れた。

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