電脳受付配信者から贈る   作:アルバテル

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第1話

「おはようございます。私は電脳受付窓口のライブラム・ナイトシェイドと申します。リブラとお呼びください」

 

 水晶玉から投影される白い背景に浮かぶのは、真っ黒な髪の大人しそうな少女。その手には何か本のようなものを抱えている。

 しかし誰も彼女のことは見たことがない。いったい誰なのか。

 

”おはようございます……?”

”あれ、8チャンネルだよね?”

”緊急報告って何なんだろ”

”誰なんだ? 新人?”

 

 チャット欄はざわついていた。

 

「前任者のエイト氏ですが、研究所を追放されました。これ以降は私がこのチャンネルを引き継いでいくこととなります」

 

”は?”

”ドッキリ?”

”なんて?”

”何かやらかしたんか?”

 

「調査により、彼は違法な実験を行っていたことが明らかになりました。内容は『人間を素材とした怪物の製作』『【シーリング】以下37点の違法薬物の所持・栽培』『未成年の男子13名をTSさせた疑い』等です」

 

”アウト”

”やべー奴やん”

”ええ……”

”やると思った”

”悪質な印象操作だ!”

”最後ww”

”明らかになったのに疑いとかふわっふわで草”

 

 コメントが加速し、リブラは眉を寄せて少し考えるような様子を見せる。

 

「というのも、状況証拠からすればほとんど確実なのですが、エイト氏は研究所を爆破して逃亡中であり、現在行方不明となっているのです。詳しい話が入り次第、またお伝えします」

 

”チャンネル畳んだ方がいいのでは?”

 

「そうですね。そういった意見もありましたが、このチャンネルは利用者の皆様へと情報発信をしていく場所のため、存続していきたいと考えております」

 

”それにしても急展開すぎる”

”やっぱ魔導研究者は駄目だな”

”↑それは偏見だぞ”

 

「担当者が変わりましたので、一度このチャンネルの活動内容について確認していきたいと思います。このチャンネルは冒険者・魔導士・ギルド員並びにその他の利用者の皆様から寄せられた質問について考察していくチャンネルです。考察には独断と偏見を含み、正しい情報が返ってくるとは限らないのでそこのところはご了承ください」

 

”お姉さんは普段何やってる人?”

 

「私、ライブラム・ナイトシェイドについてですが、私は8年間司書と環境調査員をやっていました。魔導三等星の位に認定されています」

 

”受付要素なくない?”

”三等星!? 本物?”

”クソ強くて草”

”王立図書館のガーディアンか何か?”

 

「受付については、司書の仕事の中に受付業務もあるのです。ただ、あまり私は話し慣れていないので、そこはご容赦ください。図書館にある本はほぼ全て読んでいるので、書物で得た知識ではありますがこのチャンネルでは皆様のご期待に沿えるように精進していきたいと考えています」

 

”えっ、禁書庫の本も……?”

”おk”

”固いなぁ”

 

「質問、ご意見については投稿場所が変更になったので、こちらの住所へと手紙を送るか、アドレスへと転送を行ってください。以上です。またのご利用をお待ちしております。では」

 

 ぶつり、と配信が切断される。

 

”リンク張って”

”おいもう帰ったぞ”

”配信経験なさそう”

”これは期待できそうですね()”

”質問考えなきゃ”

 

 その放送は既定の時間より早く終わり、チャット欄はしばらく盛り上がっていた。

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