ウルトラマンビータ   作:りゅーど

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クロイツァー

 地球で頻発する怪獣災害、それに対抗するチームこそが……TECである。

 TEC特捜班。

 現在のところ七人の精鋭達が集まっているようである。

「今日も怪獣の出現とかの連絡は来ていません。今のところ平和です」

 副リーダーの芥川リオンはメンバー全員に向かってそう言った。

「いい事だね、それは……」

 そう言ってリーダー格の青年、日比野シンジはコーヒーを啜る。

「でも暇だな〜」

 そう言いながら退屈そうに椅子でくつろいでるメンバーの1人、十律川アカネは唇を尖らせた。

「平和なのはいい事だぜ?」

 田崎タイガはタバコを吸い、紫煙をくゆらせた。

「タバコ臭い……外に出るから窓に向かって吸ってくれない?」

 嫌々しい顔をしながら神谷セナはそう言った。

「へっ、ちと口寂しくなっちまってな……」

 そういって田崎はのそのそと外に出ていった。

「全く〜……換気しなきゃ」

「ま、まぁ……いいじゃん。彼の個性的なところでもあるから……」

 なんとか慰めようと佐藤レナは隣で話しかけて来た。

「仕方がないことかと思われますがね……」

 大野レンは壁によりかかりながらそう言うと、小さな欠伸をした。

「と、とにかく……今は平和でもいつ怪獣が出現するか分かりません。ちゃんと警戒しといてくださいね」

 リオンは全員に向かってそう言った。まるで母親みたいにだ。

「……総員、解散」

 静かにシンジは言った。

「はい」

 全員はそう言って立ち上がってその場からいなくなった。

 

 その頃。

 宇宙空間では……。

「ギシェアアアアッ!!」

 咆哮を上げる宇宙怪獣。その名も「レグリス」。

 それを追いかけるのが、今作の主人公『ウルトラマンビータ』。

 身長58m、体重4万t。

 レグリスを追いかけているようである。

 レグリスは脱兎のごとく逃げ出して、地球へと飛んできた。

 

 警報が発令された。

「! 隊長……!」

「……よし。総員、出動!」

「「「「了解!!」」」」

 女性陣は元気よく叫んで出動準備をする。

「「了解」」

 男性陣は静かに、しかし決意を秘めそう言った。

 

 

 現場に急行する一同。

 スカイハイヤーの飛行機雲が青空に白い線を引いていた。

「いた……アレだね」

 セナは一足先に到着し、いつでも攻撃できるように周りを警戒して攻撃と後衛場所を確認している。

『ビッグ・ブラザー着陸致シマス』

 ビッグ・ブラザーが着陸した。

 今回の搭乗者はレナである。

「レナ、その位置そのままでいて」

 セナは冷静にそう言った。

「バルカン砲発射!」

 タイガはそう言いながらボタンを押し、バルカン砲でレグリスを撃った。

 レグリスは少し怯んだ。

「その調子! そのまま攻撃してレナは当たらないように突撃して!」

 ビッグ・ブラザーが構えた。

 そしてその長い脚部を綺麗にレグリスへとぶちかます。

 レグリスは吹き飛び、そこにスカイハイヤーのミサイルが何度も打ち当たる。

 順調に攻撃をしていくセナ。

「(このまま攻撃していけばあとはトドメのミサイルで終わらせる……!)」

 レグリスは、口から破壊光線を放った。

「え!? うわっ……!」

 攻撃をやめ、回避した。

 レグリスの放った光線はスカイハイヤーの主翼を斬り裂いた。

「しまった……!」

 空中のバランスが上手く保てなくなってしまい、今にも墜落してそうになっていた。

 その時だ。

「ジュワッ」

 そんな声がして、スカイハイヤーを優しく抱き留めるなにかがいた。

「!? ……落ちてない?」

 落ちる覚悟を受けて目を閉じていたが、ゆっくりと目を開いて確認した。

 菩薩をさらに単純化した顔がそこにはあった。

 我らのウルトラマンビータだ! 

 それゆけ、我らのヒーロー!! 

 ビータはスカイハイヤーを地面に置き、勇気を持ってレグリスに立ち向かう! 

 セナは慌ててスカイハイヤーから降りてウルトラマンビータを見る。

「アレ……なに?」

「……ウルトラマンです」

 リオンは驚愕した顔をしながら無線で教えた。

「……ウルトラマン?」

 無線で、タイガはそう言った。

 シンジは無言でウルトラマンに銃口を向けた。

「大丈夫です。ウルトラマンは私たちの味方ですので、銃をしまってください。シンジさん」

「味方?」

 アカネは困惑しながらそう言った。

「ウルトラマンは光の巨人。地球を守る巨人なんですよ」

 ビータはレグリスの脚部を蹴り、顎目掛けて回し蹴りをした。

 ビータは、さらにそこから急に体勢を低くし、躰道の蹴りを放った。

「あの蹴り……めっちゃ綺麗だし素早く蹴りを入れて凄い……!」

 レナは興奮しながらその蹴りの動きをずっと興奮の眼差しで見つめていた。

 さらにビータはレグリスの土手っ腹を躰道らしき蹴りで蹴飛ばした。

「ひゃ〜〜! 凄い! あの動きの瞬間に蹴飛ばすなんて……!」

「レ、レナさん。落ち着いてください……まだ戦いは終わってないのですから」

「……ウルトラマンを援護しろ」

 そういってシンジはレグリスの腹を撃った。

「了解!」

 レナは蹴り技の興奮を忘れないようにビック・ブラザーを操縦してウルトラマンビータの隣に立った。

「……ジュア」

「ウルトラマン……なんだよね? 私たちが援護します」

 ビータは頷いた。

 レグリスは破壊光線を放った。

「デュアッ!」

 ビータはビータバリアを展開した。

 破壊光線はビータバリアにより止められた。

「喰らえぇ!」

 レナはレグリスに突撃して蹴り技で倒した。

 レグリスは起き上がったが、その直後ビータの拳がレグリスを吹き飛ばした。

「凄い、拳1つで吹き飛ばした……」

「背中がガラ空き!」

 翼が斬り落とされたスカイハイヤーから降りてるセナは背面から銃を放ち続けた。

 レグリスの背中に擦過傷が起きた。

 それを見て、ビータはノーモーションで腕を十字に構えた。

 そして、ビータは必殺のガレリオン光線を放った。

「ウルトラマンって光線も出せるの……!?」

「ウルトラマンは体術だけではなく、自分独自の光線技も持っているのですよ……(来てそろそろ時間は……)」

 その時だ。

 ビータの胸部で輝くカラータイマーが赤い点滅を始めた。

「胸元が点滅している? なにあれ?」

「……シュワッチ!」

 ビータは空へと消え去った。

「3分ギリギリ……でしたか」

「3分ギリギリ?」

 ナビは首を傾げながらリオンに聞いた。

「ウルトラマンは地球で活動する時間は3分だけなんですよ」

「……三分間しか闘うことのできない巨大な味方か」

「まさにその通りです。ですが今回の件に関してはウルトラマンのお礼ですね。名は聞けませんでしたが……報告書に書いておきましょう」

 

 翌日。

「新入りのお知らせだ」

 そうシンジは言った。

「どんな奴ですか?」

 アカネは歓迎するかのように笑いながら聞いた。

「入りなさい」

「失礼します」

「ようこそ、TEC特捜班へ」

 リオンは礼儀よく頭を下げて彼を迎え入れた。

「橘シュンです、よろしくお願いいたします!」

 かくして、ウルトラマンビータ……橘シュンの物語が、今始まったのであった。




次回
『アンヘル』
お楽しみに
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