公立ウィアード大図書館。
レンが会員となっている図書館である。
蔵書数は国会図書館すら目ではないくらいの量、といえば想像がつくだろうか。
そんな図書館である。
「広いなぁ……」
しみじみとそうつぶやくシュン。
「こんなに本の量があるなんて……驚きました」
リオンは呆然としながら上を見上げて見渡しながらそう言った。
「凄ぇ……よくこんな所知ってたな」
「前職が塾の講師だからね……」
「こんなにあるから貴重な書類とかが多いだろうなぁ」
「何……するのですか?」
「邪神について調べるのさ」
「邪神?」
「なぜそんなことを調べるのですか……?」
「バードンの肉片を手に入れたんだが、一部に邪神由来であろう物質が入ってたんだよ」
「邪神の由来……ですか?」
「そんなものがあったんだ……わからなかった。邪神か何かが取り憑いたってことかな?」
「それとあり得ますね?」
「眷属かもな」
レンはそういいながら端末を操作している。
「それもあり得ますね?」
いつの間にか邪神に関する歴史本や資料の本を両手に持って来たリオンがそう言った。
「とりあえず……関する本はこれだけありました。この本の一冊か二冊から見つかりますかね?」
「捜査開始!」
「図書館ではお静かに」
「すまない」
「あははは……」
リオンは苦笑で少し笑った。
全員で資料や歴史本を一冊ずつ読んで調査を始めた。
「えーと? クトゥルフ神話大全……」
「ルルイエねぇ……」
「……メデューサ…………これはハズレですね……」
「うわぁ〜……邪神って怖っ……」
「……グトゥアク……?」
シュンはグトゥアクという邪神について書かれた古い文献を読み始めた。
現代日本語訳した文章をここに記す。
『それはあまりにも強大で、無数の触手を持ち、巨大な翼を持ち、四足の足の上から天使のような美しい姿が覗いている。獣を自在に操っては眷属に変え、体から放つ闇は病のように生命を蝕み変質させ、恐怖と命を喰らう。それは地球の守り手であり、それは神々の皇帝である。かつて何人もの光の戦士が敗れ去った。そして今は、海底奥底の沈没した都市で休眠していると言われている』
「……グトゥアクか」
「…………これも……外れ、ですね……
読み終えた本を棚に戻して新しい本を手にして読むリオン。読む速さが速い。
「……邪神の辞典……?」
そこに書かれていたのは『デモゴルゴン』という怪物の名前である。
「デモゴルゴン……?」
デモゴルゴンとは、神または悪魔として言及される名前である。ギリシア神話に由来するとされていることも多いが、実際にはキリストの学者により、異教の神あるいは悪魔の名前として創造されたものである。冥界と関わりのある強力な原始の存在とみなされ、その名前さえもタブーとされた。
そんな悪魔がなぜ?
そう訝しんだ。
リオンは無言でその本を棚に戻した。
「……(今のは記録しておきましょうかね?)」
そう思い込みながら次の本を棚から取り出して読み始めた。
時と言うものは早くすぎるものである。
「……何か良い情報、見つかった?」
「……あまり……」
捜査は少しばかり難航のようだった。
「……く」
シンジは歯軋りをした。
「……一個だけ、関係ないかもしれませんが……記録しておいたものを……」
「……なんだ?」
「デモゴルゴン……という悪魔です」
「……なるほどな」
「ですが……今回の件で、これのような邪神はどうなんでしょうね? そもそもこのデモゴルゴンは少し調べたら……ただの悪魔でした」
「……ふーむ」
「うーん……邪神とか神話ってよく分かんないなぁ〜……」
「あまり深く考えたことないからね……」
「まあいいだろう、帰還だ」
「了解です」
「了解」
さて、基地に戻ったわけだが。
「疲れたぁ〜……」
その場で伸びをしたアカネはそう呟いた。
「アカネは普段本とか読まないからね……」
レナは隣からそう言った。
「まあ、なぁに。とりあえず情報は入ったわけだ、ゆっくり休め」
シンジはそう言った。
「了解で〜す……」
「……副隊長も少し休みましょ?」
「え?」
リオンはいつの間にか書類作成をしていた。休まずに……
「寝ろ」
慎太郎はそう静かに呟いた。
「……寝てますよ?」
そういう問題ではない……
「はぁ……」
「……それにあとこれだけですし……」
「俺に回せ」
慎太郎は怒りを顕にしていた。
「え? い、いや……大丈夫ですよ? 自分の仕事はしっかりやるのが当たり前なんですから」
「副隊長……真面目ですね」
ため息を着く男性陣であった。
「あ、でもこれは私の仕事ですよ」
セナが背後から一枚の書類を手にした。
「え? 混ざったのですかね? すみません……」
「でもちゃんと休んでくださいよ?」
さらにため息を着く男性陣であった。
翌日。
リオン、案の定寝不足となってしまった。
「副隊長……無茶するから」
「あんなに書類のミスがあるとは思ってもなかったんですよ……」
「おお、もう……」
「……副隊長は今日は休んでてください……」
リオンはその後から何も言わなかった……寝てるわけではない。
シンジは無言でリオンを一瞥した。
「……どうかなさいましたか?」
感じとったかのように顔を起こして問いかけた。
その時である。
『怪獣出現!』
AIがその事実を告げた。
「……隊長……!」
アカネは呟いた。
「出動!!」
「了解!!」
そこに居たのは悪魔である。
「……なんだ、アレ?」
「見た感じ……悪魔の力を感じますので……悪魔ではありませんか?」
「……まさかな」
「何か心当たりでもあるの?」
「昨日言ってた悪魔では?」
「……デモゴルゴン……」
「ギシャアアアア!!」
デモゴルゴンは咆哮を上げた。
「ッお……!? 威嚇してんの?」
「様子見をしないと近づくことができないよ……」
「……くるぞ!」
「ッ……!」
操縦機を強く握って攻撃をいつでも避けれるように準備した。
「か、かかってこーい!」
「ギシャアアアア!!」
デモゴルゴンは突進をする。
「うぉ……!?」
慌てて機体を操作してなんとか回避した。
「スピードはどのくらい……!?」
「ッお……!? 威嚇してんの?」
「様子見をしないと近づくことができないよ……」
「……くるぞ!」
「ッ……!」
操縦機を強く握って攻撃をいつでも避けれるように準備した。
「か、かかってこーい!」
「ギシャアアアア!!」
デモゴルゴンは突進をする。
「うぉ……!?」
慌てて機体を操作してなんとか回避した。
「スピードはどのくらい……!?」
「……ざっと7020km/h!! 避けろ!!」
「了解です!」
「了解!!」
その言葉が耳に入った瞬間、即座にマッハストライカーを操作して回避した。
「それ俺のー……」
慎太郎の悲しげな声がした。
「……ビータ!」
シュンはウルトラマンビータに変身した。
「ッ……(私がまだ出る幕はありません。ビータが……シュン君がピンチの時にだけ……!)」
リオンは姿を変えず、マッハストライカーを操縦し続けた。
「あの速さを減速すれば倒せると思うけど……」
レナが回避したのにも関わらず、近づいて攻撃をした。
「あ、バカ! レナ!」
「シュッ!?」
その時だ。
デモゴルゴンの能力である『位相転移』により攻撃の先がビータへと変わったのである。
「イ゛ッ!?」
「あれ、ビータ!?」
「なんて能力……なんですか」
「ジェゥ……シュッ!」
ビータはかぶりをふり、そして構えてデモゴルゴンにラリアットをかました。
「(この瞬間に……!)」
アカネはミサイルを放った。
デモゴルゴンの土手っ腹でミサイルが爆発した。
「まさか……物理効かないのか……?」
「それ、あり得ますね……」
デモゴルゴンの手足が急に爆発した。
「あ、でも……爆発とかには弱いみたいですね」
「なら、ミサイルはいける……いけるか?」
その時である。
「もう1発ミサイルを……!」
「ア、アカネ……!?」
アカネがミサイルを放とうとした。
デモゴルゴンが
「っおぉ……!!? クッ……マッハストライカーが……」
「アカネさん!」
「ジュッ!?」
デモゴルゴンを引き剥がすビータ。デモゴルゴンの姿は、まるで
「ビータ……」
「あっぶねぇ〜……あ、でも……翼がもげた……ヤベッ」
「どうやって倒すの……!?」
「シュウワッ」
ビータは念力でマッハストライカーを不時着させた。
慎太郎の顔が青ざめたことは言うまでもない。
「あ、あの慎太郎が顔真っ青になってる……」
「あ、ありがとうな……ビータ……ああぁぁぁ! 翼はもげてるし燃料が漏れてる!」
「ちょ!? 燃料が漏れてたら不味くない!?」
「シュウワ……」
ビータは肩をガックリと落とした。
その時である。
ビータの体にデモゴルゴンが巻きついた。ギリギリとビータが締めあげられる。
「シュッ……デュアァ……!!」
「ビータ!! ッ……(やるしかありません!)」
アカネが痺れを切らしたかのように本来の姿、パワードバルタン星人へ変わった。
「はぁっ!」
ハサミで背筋を切った。
デモゴルゴンの背中は切り裂かれ、その二秒後に再生した。
「なんて再生能力……なんですか」
「副隊長! そしてウルトラマンビータ!」
アカネが叫んだ。
「シュッ……」
ビータは何とか振りほどき、息を整えている。
その瞬間、眩い光が当たりを包む。
「ッ……(この光は……!?)」
「ヘアァッ!!」
ゾフィー、降臨!
「ゾ……ゾフィー……!」
レナは驚いた。
「シュッ……」
「ヘェッ」
「シュアッ!」
「ギシャァアアアオ!」
デモゴルゴンを前に、三人……否、三人と三体の戦士が立った。
「ハァッ!」
リオンが何度も肉体を切った。
デモゴルゴンは耐性がついたのかビクともしていない。
デモゴルゴンとナースが互いに絡み合うように絞めあう。そこでナースはその長身を生かしてデモゴルゴンの首を絞めた。
「(……さっき、腕が爆発した……なら……)」
リオンは何か思いついたようだ。
ナースは束縛をやめ、空へと退避した。
「ヘアァッ!!」
ゾフィーの回し蹴りがデモゴルゴンの頭を蹴り飛ばす。
「プルルァアアアン!!」
ガンダーの冷凍光線がデモゴルゴンの尾を凍らせた。
「ビータ!」
リオンはビータの名前を呼んで燃料が漏れてるマッハストライカーを指した。
「さっき手足が爆発しましたよね!? なら……!」
「シュッ……!」
ビータはうなづいた。
「アカネさん! 火を用意して!」
「は、はっ? 火……?」
ビータは頭の青いところから直接炎を放った。
ゾフィーが一瞬ビクッとしたのは言うまでもない。
「あ、点けられた……まぁいいか……(取り敢えず離れて援護するか……)」
「そのままお願いします……!」
「シュワッ!」
ビータの放った火炎、フレイムビータの火の手が襲う。
「……効いてます! 弱点は炎のようですね」
ゾフィーとガンダーは互いに頷き、ウルトラフロストと冷凍光線をデモゴルゴンに放った。
デモゴルゴンは露骨に嫌がった。
「冷気も苦手かい!?」
「でも、そうと決まれば……終わらせよう!! これ以上被害が増えないように!」
レナが叫んで再びミサイルを放った。
「レナ……! 弾数がもうないから使い過ぎ!」
ゾアムルチは破壊光線を放つ。そこにビータはフレイムビータを重ねた。
「流石だぜビータ! ゾアムルチ! 合わせ技のフレイムレッキングだ!!」
慎太郎は指示をだす。
ゾアムルチはさらに破壊光線を放った。
「うぉ……!?」
アカネがまだその近くにいて慌てて駆けて避けた。
「……!? (燃料が燃えてる……ガソリンだから、爆発しないか!?)」
「どっちも弱いなら勝ったのも当然です……!」
ビータはガレリオン光線を照射した。
ゾフィーはZ光線を照射した。
デモゴルゴンは爆散した。
「うわぁ……!? ッ……」
「ア、アカネ……!!?」
アカネが爆風に巻き込まれたが、なんとか立ち上がった。
「(ウルトラマン……すげぇ〜……)」
「……終わりましたね」
リオンは軽く息を吐いて人間体に戻った。
「ショワッチ!」
「シュワッキ!」
ビータとゾフィーは居なくなった。
「ふぅー……」
アカネはため息を吐いた。
「……(ビックブラザーの次は一機のマッハストライカー……こりゃまた怒られるな)」
「アカネさん……! 大丈夫ですか?」
リオンが駆けつけた。
「副隊長……大丈夫です。怪我もないので」
「おれの……おれのきたいが……CETのきたいが……なんてこった……」
慎太郎は意気消沈していた。
「……邪神……まさかな」
シュンはそうつぶやくと、空を見上げた。
黒々とした曇天であった。
次回、ウルトラマンビータ。
『ストライキング・ザ・デーモン・ダウン』
次回から最終回三部作に入ります。
お楽しみに。