ウルトラマンビータ   作:りゅーど

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リアニメーション

「おい、防衛隊ども」

「ッ……な、なん……ですか?」

 警戒をしながらリオンはそう言った。

 他のメンバーもそうだった。突然現れた闇のウルトラマン(のようなナニカ)にどのように接したらいいか、そもそもあのウルトラマンのようなナニカが敵か味方かすらも全くもって分からないからだ。

「さっさと、あのウルトラマンを、ビータを心の光で治してこい、そうだ祈れ、ビータに祈るんだ!」

 ザギはそう言うと、軽く頷く。

「……祈る……?」

 人間組にはよくわからないことだった。だがリオンは即座に言葉の真意を理解して、目を閉じて心からビータに祈りを捧げた。例え本来ならば敵であろうとも、けれどもウルトラマンを信頼していた。それ故に、ビータを信じて祈り続けた。

「おまえラもだ」

 ザギはそう言った。

 タイガは祈った。ビータが蘇ると信じた。

 シンジは祈った。ヒーローの帰還を。

 レンは祈った。戦友の復活を。

 そしてザギは、雄叫びを上げた。

「ヴゥアアアアアア!!!!」

 その雄叫びを聞きながら、アカネは仲間を信じ、祈った。レナとセナも同様に、大切な仲間を失いたくない気持ちを込めて、祈り続けた。

 

 さて。

 まずは闇の眷属との闘いを描くとしよう。

 ゴルザは開始早々に前へ突進した。

 それを止めるのは闇の巨人、ダークファウスト。

 スピード戦の得意な闇の巨人である。

「砕け散れ」

 そう呟くや否や、ファウストは後ろ回し蹴りをゴルザに放つ。

 回し蹴りは直撃。ゴルザは怒りに任せて尻尾を何回も振り回した。

 ファウストはそれらを回避し、ダークレイ・ジャビロームを放った。

 着弾、そして爆発。

 ゴルザは呻き声を上げた。

 そして、呆気なく爆発四散した。

 

 ダークメフィストは、シビトゾイガーを前に立っていた。

 ダークメフィストは挑発した。

 シビトゾイガーは吠えて突進した。

「ハッ!」

 研ぎ澄まされた体術がシビトゾイガーを襲う。

 さらにメフィストクローがシビトゾイガーの強固な皮膚を瞬く間に切り裂いた。

 シビトゾイガーは呻き声を上げたがすぐに尻尾を振り回した。

 メフィストはそれを容易く回避し、辺りに光弾が堕ちてくる。

 ダークレイクラスターという技である。

 流石にこれは予想外だっただろう。シビトゾイガーは呻き声を上げてその場でのたうち回った。

 メフィストは、ダークレイ・シュトロームを放った。

 それはシビトゾイガーに着弾。そして、程なく爆散した。

 

 次いでダークメフィスト・ツヴァイである。

 ダークメフィスト・ツヴァイは、バーストクラスターを放った。

 ゾイガーはそれを避けて素早く突進をした。

「シャァッ」

 メフィストクロー、展開。そして繰り出されるは無数の斬撃じみた突き、ダークファランクスだ! 

 ゾイガーは呻き声を上げた、しかし滑空して特攻を図る。

 それをいなし、メフィストクローで斬撃。

 怯んだのを確認し、ダークメフィスト・ツヴァイは腕をL字に組み、ダークレイ・シュトロームを放った。

 ゾイガーは、まったく回避が出来なかった。そして、程なく爆散した。

 

 ウルティノイド戦闘員・クロイツェル。

 パワーに優れた個体がメルバを押さえつけた。

 メルバは暴れて逃げようとしている。翼を動かして暴れ続けた。

 その途中で、パワーに優れた個体は振りほどかれる。

 メルバはその瞬間、大きい翼を動かして空を飛んだ。

 それを追いかけるようにスピードに優れた個体が空を飛んだ。

 ゴルザは飛び回り続けた。逃げてるようには見えないが……

 その途中、スピードに優れた個体はメルバにかかと落としをした。

 メルバは地上に叩き落とされた。

 それを追撃するかのごとく、武器術に優れた個体がメルバに攻撃をする。

 三節棍の先に着いた分銅で腹部を殴りつけ、先に着いた鎌で切り裂く。

 メルバは苦しそうに呻き声を上げた。それでも反撃をするために目から光線を放った。

 メルバニックレイである。

 それをパワーに優れた個体が防いだ。

 メルバはそれに驚いた。そして反撃を試みる、しかし、それは全くもって完全に無駄であった。

 パワーに優れた個体の放つ『バイオレンスナックル』がメルバの顎を砕き、スピードに優れた個体が放つ『ブラッドストライク』がメルバの肩から先を切り落とし、そして武器術に優れた個体が『ホゥレンフォイヤー』を放ち、メルバを殺した。

 メルバは叫びながら爆発四散した。

 

 怪獣たちはこのように闘っていた。

 フェネスはメルバを高速飛行並びにバーンスタインで圧倒、そしてバーンスタインによりメルバを焼き尽くしたのである。

 ゾアムルチは沸き上がる敵意に身を任せ、破壊光線でゴルザとメルバを抹殺。ガンダーは辺りを凍結させ、ナースは着々と絞め殺している。そしてブロンゾリューション三世は、ブロンズ化させたり溶かしたりして、ゴルザとメルバの死体の山を築いていた。

 

 そして、ダークザギとガタノゾーアの闘いである。

「グァアアアアン!!」

 ガタノゾーアが咆哮を上げた。

「ウォアアアアア!!!」

 ザギは叫んだ。

「フゥアアアアッ!!」

 ザギはガタノゾーアにヤクザキックをかました。

 ガタノゾーアに直撃した。だが身体が硬い甲殻に覆われている上、素の耐久力も高いせいかそれだけでは怯まず、触手はザギの足に絡みつき、投げ飛ばした。

「フゥアアアッ!?」

 ザギは着地すると、その触手を強引に引きちぎりながらガタノゾーアの頭部を掴んで勢いよく殴り抜く。

 そのとき、ガタノゾーアの殻にグラビティ・ザギを浴びせた者がいた。

 ダークフェレスである。

 ガタノゾーアは呻き声を上げて闇を放った。

「グゥアアアアッ!!」

 その闇をものともせず、ザギはヤクザキックを放った。

 殻にダメージが入った。ガタノゾーアは咆哮を上げ、無数の触手を鞭のように使い叩き始めた。

 フェレスはそれを咎めるかのように鋭い蹴りを放つ。

 自慢の硬い甲殻でその身を防ぐ。だがダメージは通っているせいで耐久は不安定だ。

「はぁあああ……!」

 フェレスは、フェレスボルグを用いてダメージを拡げる。

 そして、ザギの元に駆け寄ると、同時にグラビティ・ザギを照射!! 

 ガタノゾーアは最後に足掻き、そしてダークザギのライトニング・ザギによって爆散した。

 

 トレギアはゾフィーと闘っていた。

 ゾフィーの蹴り技がトレギアを吹き飛ばした。追撃、追撃、さらに追撃! 

 トレギアはすでにグロッキーだ。

 そもそもトレギアは宇宙警備隊に入れなかった云わば落ちこぼれ。無敵の宇宙警備隊長に勝てるわけが無いのだ。

 ゾフィーはM87光線を放ち、トレギアを消滅させた。

 青い魂が抜け出たことに気づかないまま。

 

 その時だ。ビータはようやく復活した。

「ジュッ……」

 ビータはふらっ、と倒れた。

 それを見たゾフィーは、丁度持っていた固形化された命を用いてビータを復活させる。

「ビータ……ご無事ですか?」

 リオンはゆっくりと近づいた。

「……シュワ」

 ビータは重々しく頷いた。

「良かった……皆さん心配していたんですよ」

 リオンはゆっくりとハサミの手で差し伸べた。

「ビータ……ッ! 良かった〜!」

「起きて嬉しいぞビータ!」

「ビータが起きたならこれで私たちも勝利があるわ!」

「……」

 ビータは虚空を見据えた。

 トレギアの魂とガタノゾーアの怨念がそこにあった。そして、ゆったりと怨念と魂が融合し、デモンゾーアが現れた。

「ッ……なんて融合された怪獣なんでしょうね……」

「でも……私たちがやらなければ、誰も、守ることが出来ない……」

 リオンはハサミの両手を構え、レナは突撃できるように操縦機を強く握りしめた。

「……デュッ」

 ビータは其れを制した。

 自分がやる。そこには親衛隊の突撃隊長としての意地があった。

「ビータ……」

「ビータに……任せる」

「私たちはウルトラマンを信じているから……!」

「隊長……それで良いですよね?」

「……ああ。行け、ウルトラマン」

「ジュワッ!」

 

 デモンゾーアは無数のデモンジャバーを放った。

 ビータはそれを軽々と回避し、ガレリオンチャクラムで触手を切り落とす。

 さらに追尾式光弾がビータを追いかける。そこでビータはマッハ10で空を飛び、超高速で避ける。

 被弾はゼロ。

 そこで額のトレギアの顔面に拳をぶちかまし、さらにトレギアの頚椎をへし折る。

 そして、ビータはフルパワーのガレリオン光線を照射した。

 デモンゾーアはシビトゾイガーを出現させる暇もなく、何も分からないかのように爆死した。

「シャァッ!」

 喜ぶビータ。

 

 しかしそのエネルギーは、最悪の邪神を呼び出す呼び水へと変化した。

 

「な……なんだアレ……!?」

「アレは……邪神、ですか?」

 目に入った邪神に、全員の背面に悪寒が通った。

「酷いことになったな、ヴェサ……ヴェサ?」

「あれは……破神、グトゥアク……!」

 グトゥアクと呼ばれたそれは、まず手始めにブロンゾリューション三世……慎太郎に闇の光線を放った。

「ぐぁああっ!!!」

 ブロンゾリューション三世、つまり慎太郎は強制的に変身解除させられた。

「慎太郎!!?」

 アカネは叫んだ。

「ッ……迂闊に攻撃をしたら元もこうもない……!」

 操縦機を握るレナの手は震えていた。

「ジュアッ……!」

 ビータは構えた。

 慎太郎は、グトゥアクを封じる為に、己の力を使い果たす勢いで念力を使用した。

 グトゥアクの動きが鈍る。そして、グトゥアクは動きを止めた。

「今のうちに……ッ」

 セナが勢いよくミサイルを放って直撃させた。

「このまま……動いた時でも、怯んで……ッ!」

 グトゥアクはビクともしていない。

「……撤退!」

 シンジは撤退命令を出した。

「ッ……はい!!」

 レナは砲撃を中断してその場から撤退した。

 他のメンバーも撤退をした。

 

 さて、ウルティノイドたちは人間体に変化した訳だが。

「よう、久々だな。俺がダークザギだ」

「ファウストです」

「ダークメフィストだ」

「ツヴァイだ!」

「久しぶり、ヴェサリウスです!」

「……やっとかめだね」

 シュンはそう言った。

「ヴェサリウス……?」

「ババルウ星人のヴェサリウスですよ……それにしては雰囲気変わってますがね」

「なんだかんだあったの……」

 この辺りは本人のTwitterアカウントを参照していただきたい。@ultra_villanである。

「……ん? どういうこと?」

 セナはよくわかってない様子。

「早い話、転生したよということ!」

 ヴェサリウスはそういって朗らかに笑った。

「嫁が尊いな、そして凄く可愛い」

 ザギはヴェサリウスを抱きしめる。

「お熱いこって、くぅー羨ましいぜ」

 冷やかすように慎太郎は言った。なお、慎太郎はまだ虞狐と出会う前であることは考慮しておいて欲しい。

「わぁ……ちょっと羨ましい」

「レナ、言ってる場合じゃない……」

 レナが同情している。その隣からすかさずツッコミを入れたアカネであった。

 しかし、何も言ってないが……リオンも無言で羨ましがっていた。

「……はぁ。そんなことはどうでもいいんだよ、さっさと邪神退治の案をねる、そうじゃないとすぐ復活する」

 ザギはイラつきを極力抑えつつ言った。覇気は含まれているが。

「そ、そうですね……」

「でも……あんなに強くて、生命力が高そうなアイツに弱点とか……あるの?」

「恐らくは光と闇、相反する力を組み合わせれば」

「倒せるって訳か」

「な、なるほど……」

「……私たちに、も……倒せるのかな?」

「……きっと倒せるさ。ただ、全兵装をビッグ・ブラザーに詰め込めるだけ詰め込むしかないがな。通常兵器じゃ倒せない事は火を見るより明ら───」

 ゲホッゲホッ……。

 レンは咳き込んだ。

「……レン、さん?」

 リオンは駆け寄って近づいた。

「大丈夫ですか?」

「ああ……」

「……瘴気」

 シュンは瘴気を感じ取り、ドアの外に出た。

 案の定瘴気が蔓延している。シュンはその瘴気を少しづつ浄化、なんとか話し合いを進めさせるために孤軍奮闘する訳で。

 そんなことも露知らず、彼らは作戦会議中である。

「この瘴気は……?」

「恐らく、アイツが出しているのかもしれません……人間に体内に何も害が起きなければ良いですが……」

「ザンネンながら、もうあの男はオジャンだろーな」

 ザギはそう吐き捨てた。

「恐くはグトゥアクの放った瘴気。一息吸い込むだけで一時的に呼吸困難になる猛毒」

 とはダークファウストの談。

「ッ……!?」

 アカネは慌てて手で口元を抑えた。レナとセナも同時に抑えた。

「……解毒剤が効くなら……それで治せませんか?」

「今んとこ、なんか量は減ってるみたいだぜ。多分あのウルトラマンが吸ってんだろ」

 ダークメフィストはそう言った。実際、シュンにとって瘴気は空気も同然。体内で美味しくイタダキマスするそうな。

「それならまだ安心できますね……」

「でも、量がさらに増えるまで時間がない。戦う時も……私たち人間組は危険だね」

 慎太郎は何かを探している。

「でも、光と闇なら私たちは互角です。ですが……再生はもうまもなくのはずです。せめて、光と闇とそのほかに弱点はありませんかね……」

 リオンはずっと問いかけ続けた。

「ん? 慎太郎は何しての……?」

「ホイ、これ使いなよ」

 取り出したはガスマスクである。

「ん……ありがとう」

「ちょっとはマシになったな……」

「ふぅ……良かった……レン、大丈夫かな?」

 貰ったガスマスクを装着して話に戻った。

「ああ……」

「光と闇以外で弱点は……ないのですか?」

 リオンはずっと考えては、問いかけることを続けていた。目が必死な眼差しとなっていた。

「……知らねぇナ」

 ダークメフィスト・ツヴァイはそう言い放つ。

「そうですか……せめて、一時的に動きを封じれるように、ダウンさせることができる……つまり、弱点や苦手なもので動きを封じて一斉に攻撃をすれば、倒せるのでは……?」

「副隊長の意見……なかなか良いんじゃない?」

「……成程」

「そこで俺の力よ」

 慎太郎は真の光を得たアバドスティックを取りだした。

「そのスティックで変身するんだ……」

「どんな方法ですか?」

「空に掲げてこう……光らせる」

「まるで浄化だ……」

「でも、良き作戦だと思います。闇は光に弱い。闇の奥底に光があろうとも……闇は光が弱いですかね……ッ」

 その言葉を言った瞬間、リオンは口許を抑えた。

「副隊長……?」

「あ、いいえ……大丈夫です。ちょっと一人で考え事をしていたので……お気になさらず……」

「……一回油断させる?」

「……それも悪くはないね」

「うーん……どんな感じで油断させますか?」

「ボクがババルウ星人として闘えば……けどなぁ」

「……よし、なら俺に案がある」

 ひそひそひそヒ素。

 

「よし、決定だな……」

 シンジは頷いた。

「総員、気を引き締めろ! 邪神討伐作戦! 出動!!」

 闇と光が交錯するとき、奇跡が起こる……!




次回、ウルトラマンビータ最終回。
『ビータ』
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