つたない文章ですがどうぞ~
第1話
~side ヴェスペリア~
「暇だな…」
ダングレストの一角
『凛々の明星(ブレイブヴェスペリア)』の看板をかかげた建物の中
ギルドのメンバー
ユーリ・ローウェルはぼやいていた
デューク・ヴァンタレイとの世界の命運をかけた死闘から数ヶ月
無事ギルドの本拠を構え、
ギルドのスタートを切ることができた
だが世界は安定してるとは言い難く、
ギルドへの依頼は魔物退治や護衛ばかりそんな中新参のギルド、
まして一般の市民は『凛々の明星』の功績を知らない
当然大口の依頼などくるはずもなく
1週間、酷い時は3週間に1回程度依頼がくる程度しかも内容は落とし物の捜索
運が良くてもウルフのような手応えも無いような魔物の討伐である
身体を動かすのが好きなユーリでなくともぼやいてしまうだろう
「そうね、こう暇だと嫌になってしまうわ」
クリティア族の女性ジュディスがつづく
「ジュディはまだいいじゃねぇかバウルの運送の依頼の方はそこそこあるんだしよ」
「あら、私だってたまには思いっきり身体を動かしたいわ」
ユーリの言葉にジュディスが反応する
ジュディスは『凛々の明星』のメンバーではあるが同時に『始祖の隷長』であるバウル
見た目的には羽のない空飛ぶ鯨のようなものである
そのバウルとともに空飛ぶ運送屋を経営している
だが仕事があるとはいえジュディスも身体を動かすのが好きなのだ
「あ、あの!こういう仕事は軌道に乗るまで時間がかかると言いますし、仕方ないと思いますよ?」
2人の会話に若干の怒気が含まれているのを察してかエステルが話題をずらそうするが…
「ゴメンね…僕がもっとしっかりしてないから…」
カロル・カペル12歳ながらこのギルドのボスである
だが子供とはいえギルドの街で育ったのだ
それなりにボスとしての責任感はあるのだが…
元々がネガティブなので先程の2人の会話は何気ないものなのだが
この少年がマイナス思考になるのは充分すぎる
「あ~、まぁなんだ別にお前を責めてる訳じゃねぇし気にすんなよ」
「そうよ、こんなのただ他愛ない会話よ」
「そうですよ、カロルは頑張ってます!」
ユーリ、ジュディス、エステルがフォローを入れる
「…無能」(ボソッ)
「…ズーン」
もはや定例化されつつあるこの毒ははいてくる天才少女
リタ・モルディオ
彼女に毒をはかれさらに落ち込むカロル
「リタ~」アセッ
彼女の親友であるエステルがアタフタしだした
もはやいつもの光景である
「まぁ、リタっちの言い方はあれだけどさ~
少年!もっと考えなくちゃいかんよ?」
飄々とした言い方をするレイヴン
「レイヴン…どういうこと?」
落ち込んでいたカロルが耳をかたむける
「いいかい?少年はギルドのリーダーなワケヨ?
そのリーダーがメンバーの愚痴で一々落ち込んでちゃ駄目なわけよ
むしろ忙しくて大変だ~っていつかこの2人に言わせてやる!
位の気持ちでいかないと」
過去に『天を射る矢(アルトスク)』に身を置きそのボスであった今は亡きドン・ホワイトホースの側近であった彼だからこその言葉であった
「…うん!そうだね!皆ゴメン、僕もっとしっかりするよ!」
カロルがしっかりとした面持ちで話す
吹っ切れたようだ
「普段からこれなら言うことなしなんだがな…」
「ホンッッッッットに普段からこれなら何も言うことなしなのに」
「アハハハ…」
ユーリとリタの言葉に苦笑いするしかないエステル
「青年もリタっちもヒドイ!
オッサン泣いちゃう!」
「バカっぽい」
軽口を叩くレイヴンに対し毒をはくリタ
まぁファイアボールでなく毒なだけマシなのだろう
「ただいまなのじゃ~♪」
「ワン」
散歩から帰ってきた海賊の格好をした
パティ・フルールと
ユーリの相棒の犬の
ラピード
「お帰りパティ、ラピード」
「ユーリ!ただいまなのじゃ♪」ピョーン
挨拶をしたユーリに元気よく抱きつこうとするパティ
ヒョイ
ユーリは軽くそれをよける
スザァァァァァァア
「なんでよけるのじゃ~」
「だから抱きつこうとするのはやめろっての」
「む~良いではないか!
ウチはユーリのことをこんなに愛してるというのに!」
「はいはい、分かった分かった」
「む~…まぁいいのじゃ♪
そう言えばフレンが後でこっちに来ると言っておったぞ」
パティとユーリのじゃれあいの後パティが唐突にそんな事をいう
「…は?フレンが?
珍しいなあいつがこっちにくるなんて」
「なんでも急を要する話だと言っておったぞ?」
ガチャ
「そうなんだ」
ユーリとパティが話していると唐突に扉が開いた
そこから現れたのは
フレン・シーフォ
今や騎士団長となった男である
「フレン!お久し振りです!」
「エステリーゼ様!?何故ここに!?」
「私だって『凛々の明星』の一員ですもの、いても不思議ではないでしょう?」
「い、いや…そうなのですが…何故よりによって今日…」
「…フレン?私に何か隠し事ですか?」
「い、いえ滅相もありません!」
「では、何故ここに?」
「そ、それは…」
「私が居ると何か不都合なことが?」
「そのような事は!」
「では話してくれますね?」
「し、しかし…」
「フレン?」
「うぐっ…分かりました…」
エステルはこの数ヶ月でとても強かになった
ましてエステルは王族
騎士団長とはいえお堅いフレンが何か言えるはずもない
仕方なしとフレンは話を始める
「実は先日奇妙な手紙が僕の手元に届いた」
「奇妙な?」
ユーリが問う
「ああ、差出人も住所もない手紙だ」
「イタズラじゃないの~?」
「いや、それだけなら僕は君たちを巻き込もうとはしない」
「じゃあ何だっていうの?」
リタが呆れていう
「この手紙は僕の目の前にいきなり現れたんだ…室内でね」
「「「「え?」」」」
全員が驚きを隠せずにいる
「誰かが仕掛けたと言うことはないのかしら?」
「まずあり得ない僕専用の部屋で鍵は僕しか持っていない」
ジュディスの問いにフレンが答える
「そして問題は中身だ」
「中身です?」
「はい」
エステルも興味深そうに聞く
「読み上げます」
~世界を救った8人と2匹の戦士へ~
突然の手紙と無礼をお許し下さい
この世界を救った皆様にお願いがございます
ある人物を救って頂きたい
その人物は1人の少女のために命を落としました
その方はあらゆるものを犠牲にし
あらゆるものを失い命を落としました
ですがある世界へ向かえばその命を救うことができるかもしれません
そのためには皆様の力が必要なのです
お礼も必ずお渡しします
承諾して頂ける方のみ手紙の上に手をかざして下さい
どうかお願いします
・・・・・
「…へぇ…面白そうじゃねぇか」
沈黙を破ったのはユーリである
「ちょっ!?ユーリ!?」
「あんた正気!?」
カロルとリタが驚きのあまり声をあげる
「考えてもみろよ異世界なんて聞かされてみろそれなりに胸が踊るぜ?」
「そうね…確かに面白そうかも」
退屈をもて余したユーリに同じ退屈をもて余したジュディスが頷く
「…私も行きます」
「エステリーゼ様!?」
「ちょっと!エステル!?」
エステルの言葉にフレンとリタは反応する
「たった1人のために全てを失ってもいいと思えるような人
そんな心の綺麗な方を簡単に死なせていいはずがありません
私はその人を助けたい!」
「ッ~~~~…あ~~~~もう分かったわよ私も行くわ!」
エステルが人命が関わってることに関して決めたらテコでも動かない事を知っているリタはすぐに諦めた
「リタ…」
「な、何よ?別にあんたのタメじゃないんだからね///」
「フフッ、ありがとう、リタ」
「ほ、ほら!あんたらも行くわよ!
オッサン!カロル!」
「「えぇぇぇえ!?」」
エステルとリタの会話にニヤニヤしてた2人は完全に油断していたため声が裏返っていた
「ぼ、僕はちょっと…」
「オッサンもそれなりに忙しいし…」
「あ"ぁ?」
「「喜んでお供させて頂きます!」」
最初こそ反発した2人だがリタにすごまれて直ぐ様、てのひらを返した
「ウチはユーリが行くならどこへでも行くのじゃ♪」
「ワン!」
パティもラピードも行くようだ
「…皆本当にいいんだね?」
フレンが真剣な面持ちで聞く
「異世界に行く以上帰ってくる保証はどこにもない…
それでも1人の命を救うというためだけに異世界に行くことを選ぶのかい?」
そんなフレンの問いに対し
「選ぶんじゃねぇ…もう選んだんだよ」
他の誰かのために手を汚すことを決めた時と同じようにユーリがいう
今度は誰かを救うために
「大体お前も行く気だろ?フレン」
「フ…敵わないなぁ…」
ユーリと同じくフレンも誰かを見捨てることができない性格なのである
「じゃあ皆、行くか!!」
「「「「「「おーう!」」」」」」
ユーリの掛け声とともに
メンバーが大きく手を上げる
そしてダングレストの外へ出ると
「バウル!」
ジュディスが呼ぶとそこにバウルが上空から現れた
「バウルあなたも一緒に行きましょ?」
クォォォ
「フフッ…イイ子ね」
ジュディスがバウルと会話をすませると
「皆、集まってくれ」
フレンが手紙を地面に置く
そこに全員が集まるそして全員でアイコンタクトを取ると
一斉に手をかざすと
パァァァァァ
眩い光がユーリ達を包み込む
光が止んだあとそこには誰もいなかった…
どうでした?
間違いなんかあればご指摘お願いします
感想もまってますよ~