追記
fanさんのご指摘で誤字を訂正しました
~side テイルズ~
「どうすっかな…」
アーシアを置いていってしまった次の日、ユーリ は授業をサボり屋上にいた
『どうする…というのは先日お前が言っていた娘 のことか?』
無論1人ではない。長年の友であり、今は名目上 ユーリの使い魔となっているラピードと共にであ る
「あぁ…」
『助けに行かないのか?』
「…そうだな、出来ればなんとかしてぇ…」
『意外だな。いつもなら即決するのに』
実際そうである。いつもなら行動を起こす、起こ さないを決める時ユーリは即決することができ る。だが珍しく今回は決めかねているのだ
「さすがに今回は下手すっと俺1人の責任ですま ねぇからな。場合によったら戦争がおこっちまい かねねぇ…」
もし今回の一件堕天使側のトップの命令で動いて いたのなら非常にまずい。運が良ければユーリと その仲間の眷属、とキング。最悪はこの学園にいる悪魔が全員の命と戦争だろう。どのみちユーリ1人の問題ではないのだ
『全く…ならばソコにいるものに先ず相談すれば よかろうに。
レイヴン!!いるのだろ!』
すると貯水タンクの後ろから
「オッサン、いつからいたんだよ…」
「ん?朝の職員会議終わってからよ?」
「完全に職務放棄じゃねぇか…」
「まぁまぁいいじゃない、んでオッサンに相談か い?」
「聞いてたんだろ?オッサンはどう思う?」
「ん~…これ言っちゃっていいのかな?」
「何か知ってんのか?」
「オッサンが知ってんのは3つ
1つはアーシア・アルジェントとっていう元聖女 のカワイコちゃんがこの町に来たってこと
2つ目、堕天使がこの町に複数いて神器を移植す る計画をたててること
3つ目、この件は一部の堕天使の完全な独断だっ てこと」
「それ、マジか?」
「モチのロン!オッサンこれでも情報収集はお手のモンよ?」
それを聞いた瞬間、ユーリは小さく笑みを浮かべ た
「サンキュー、レイヴン!」
「まぁまぁ!待ちなよ、青年」
駆け出そうとするユーリをレイヴンが制止する
「何だよ、オッサン。まだ何かあんのか?」
「一応言っとくけど、1人で行くんじゃないよ? 前に少年にも言われたでしょ?」
「……そうだったな…オッサン!放課後、オカルト研究部の部室に来てくれよ!」
「あいよ!青年!」
そう言うとユーリは屋上を後にした
『お前がまともなのも珍しいな』
「まぁ、オッサンもたまには、ね?」
『これで普段がまともなら言うことはないんだがな…』
「…え?オッサンもしかして犬にまでお説教くらうの?」
『してやろうか?』
「勘弁してください!!」
ラピードもレイヴンに対してはそこそこたまって いたようだ
時間が経って放課後
「ヤッベェ!かなり遅くなっちまった!」
あの後ユーリは授業に出たのだが、そこまでのサボりがバレて小一時間説教をくらっていた。そして現在猛烈な勢いでオカ研の部室に向かっている
そして部室に着いた時に…
パンッ!!
一誠がリアスに平手打ちをくらっていた
~side 一誠~
パンッ!!
「何度言ったら分かるの?イッセーあのシスターを救出する事は認められないわ。それに今度こそあなた死ぬわよ?」
俺は今部長からビンタをくらっていた。理由は俺がアーシアを助けに行こうとしてるからだ
今日俺は昨日の堕天使から受けた傷もあり学校を休むことになった。けど傷は部長にある程度は治してもらったから普通に動けるし、何よりじっとしてるのもしゃくだったから町に出かけたんだ
そしたらアーシアとばったり会ってしまったのだ。アーシアはお腹が減っていたらしいのでハンバーガーショップへ連れていってあげたら、どうやらハンバーガーショップに入ること、ハンバーガーを食べる事が初めてだったらしくオロオロしてた。その姿がまた可愛かっ…ゲフン
飯を食った後、アーシアは自分の事を話してくれた…
小さい頃、神器が発現してからずっと教会で聖女としてまつられ友達もなく1人で育ってきたこと
ある日傷付いた者を助けたらそれは悪魔で、その悪魔を治療したことから、魔女の烙印を押され教会を追放されたこと…
その後アーシアはそれらを自分のせいだと言った。自分の祈りが足りないから、自分はぬけているところがあるからと…
何だよ…それ!
自分達の勝手な都合でアーシアを聖女にして孤独にして、都合が悪くなったら切り捨てて…
その後…アーシアは泣いていた…
自分は友達と遊んだり、お茶をしたりするのが夢だと…
俺はアーシアと友達になった。同情なんかじゃなくて、俺はアーシアと友達になりたかった
俺はアーシアと一緒に遊んだ!ゲーセンに行ってラッチュー君をとってあげたり、買い物をしたり…
だがそれは長くは続かなかった…
堕天使の天野…いや、レイナーレがアーシアを連れ戻しに来たんだ。だけど俺は何も出来なかった…
今度も何も出来ないかもしれない…最悪死ぬかもしれない…だけど…だけど!!
「それでも俺…行きます」
「イッセー、何度も言うけど認められないわ。それに私の眷属である以上、勝手はゆるさないわ」
「なら…俺を眷属から外して下さい…それなら問題ないでしょう?」
「そう言う事を言ってるんじゃないのよ!どうしてわかってくれないの!?」
「あ~…ヒートアップしてるとこ悪いんだけど、何やってんだお前ら?」
ユーリ?
「ユーリ!貴方からも言って頂戴!イッセーがアーシアを助けに行くって聞かないのよ!」
「その件なら俺も行くぜ」
「「なっ!?」」
部長と俺同時に驚いちまった
「ユーリn…」
「貴方まで何を言ってるの!?下手をすれば堕天使との戦争になるのよ!?」
部長が声をあらげて言ってる…俺は確かにユーリが来てくれるのは心強いけど…
「その件ならオッサンに聞いてくれ」
オッサン?…レイヴン先生に?
「オッサン、シンドイからパス!アルヴィン青年、代わりによろしく!」
「俺かよ!?」
「いいじゃない、今度1杯奢るからさ~」
「チッ、レイヴン忘れんなよ。今回の一件、一部の堕天使の独断らしいぜ。首謀者はレイナーレ、なんでもアーシア・アルジェントが持っている治癒型の神器を移植する計画をたててるらしい。拠点はイッセーが以前アーシア・アルジェントを送ったところだ」
「貴方達…どうやってそれを?」
アルヴィン先生の言葉に部長が目を丸くしてる。いや俺も丸くしてるよ?この人達こっちに来たの最近だろ?どうやってそんな…
「「大人のお店で聞いてきた」」
一瞬でもスゴいと思った俺がバカだった!何だよこの人達!マジで教師か!?俺も連れてって下さいよ、チクショウ!!
「ハァ…分かったわ…ならこれは堕天使達が勝手に私達の領内で行動してるわけね?」
「その通り。んで、もう1つ今回参加している堕天使は4人だ。そんでその内の3人は教会の周辺で待機してる、これも確かだ」
「そう。ありがとう、アルヴィン。では班を3つに分けましょう。教会に行く組、堕天使を狩る組、そして待機組ね」
「部長!俺は教会に!」
「ダメよ。イッセー、貴方は待機してなさい」
「そんな!」
「今の貴方では堕天使に殺されに行くようなものだわ。これだけは聞き分けて頂戴」
「でも!」
「そこまで言うなら行かせてみろ」
アースト先生!
「アースト!?貴方どういうつもり?みすみすイッセーを死なせたいの!?」
「今回の一件、兵藤に実戦を学ばせるのには良い機会だ。多数の護衛もいる。余程の事がなければ死にはしないだろう。それに神器の移植となれば早く動かねば手遅れになる」
手遅れ?
「部長、手遅れになるってどういう…」
「イッセー…神器は持ち主から抜かれると命を落とすのよ」
「なっ!?それなら一刻も早くt…」
「落ち着け!一誠!」
ビクッ!
ユーリ…
「そうだ、ここで焦って騒いでもどうしようもない。ならば先ずは己の役割をしっかり決めるべきだ」
ミラさん…
「スイマセン…部長、俺やっぱりどうしてもアーシアを助けたいです!どうか、俺を教会組に加えて下さい!」
「分かったわ…イッセー、それなら貴方に教えておくことがあります。イッセーはポーンをただの弱い、使い捨ての駒だと思ってない?」
「……ハイ」
「でも、それは間違いよ。ポーンには他の駒にはない能力『昇格(プロモーション)』があるわ」
「昇格?」
「そうよ。ポーンは相手の本拠地、チェスで言うなら盤の一番後ろに行く事でキング以外の全ての駒になることが出来るの。そしてキングが敵本拠地と定めた場所なら昇格することができるわ。そして今回は教会を敵本拠地とします
ただしまだ貴方がクイーンに昇格するのは身体に負担がかかりすぎるから、それ以外の駒になさい」
「ハイ!」
「そして、もう1つ。神器は宿主の想いに応えてくれるわ。だから強く願いなさい、そうすれば神器はさらに貴方の力になるわ」
「ハイ!部長!!」
「では、今回イッセーには実戦を経験させる意味を含めて教会組に加わってもらいます。祐斗、小猫」
「「はい」」
「貴方達2人は教会組に加わって頂戴」
「分かりました」
「…了解です」
「ゴメン、2人とも。よろしくお願いします」
実際足手まといの俺のため、そして俺のワガママに付き合わせてるんだしな…
「気にしないで、仲間じゃないか」
木場!改めて思うけどやっぱりこいつも良いやつだ!
「ありがとう!」
「それに個人的に教会の関係者には怨みがあってね…」
木場…?こいつがこんな顔すんのは初めて見た…
「……先輩だけでは不安ですから」
「小猫ちゃん!!俺は今モーレツに感動してるよ!ありがとう!!」
小猫ちゃんも俺のこと仲間だと思ってくれてたんだね!
「あ、あれ?僕の時と反応が違わない?」
木場、そんな顔しなくてもお前にも感謝してるよ
「んじゃ、俺も参加するぜ」
ユーリ!
「僕も行こう、誰かを助けるのも騎士の勤めだからね」
フレン!
「僕も行くよ、僕も無関係とは言えないし」
ジュード!
「私もだよ!アーシアとは仲良くなれそうな気がするしね!」
レイア!
「私も行きます。いざというときに回復要員も必要でしょうし」
エステル!
「ふむ…ならば俺とレイヴン、アルヴィン、ジュディス、ミラ、リタ、カロル、ミュゼは堕天使迎撃に…」
「待って、私は今回待機組に回らせてもらうわ」
ガイアス先生の言葉を遮ってリタちゃんがそう言った
~side テイルズ~
「何故だ、リタ」
ガイアスが問う
「今、私達の神器の研究をしてるんだけど少しおかしな所があったの。戦闘に支障をきたすものではないんだけど…」
「何かマズイことがあるのか?」
ミラが問う
「その逆よ、私達の自信の神器『魔導器(ブラスティア)』と『アローサルオーブ』がかなり似通った性質になってるの。これがどういう点で酷似しているのか分かればおそらくこちらにとって有益なものになるわ。そしてそれに伴ってミュゼ、ミラ、エリーゼ、カロル、後ラピードには残ってもらいたいの」
「この人選の意図は?」
ガイアスが問う
「カロルはこちら側の人間である意味、一番手頃なのがこいつだからよ、実験的な意味で」
「えっ!?僕実験台!?」
リタの発言にカロルが怯える
「もちろんそれもあるわ。けど『こちら側』の人間はほとんど戦闘に行きたいみたいだし。オッサンは余計な邪念がでるから却下、私はデータの為に何も出来ないから強制的に除外。となるとカロル、そして『こちら側』では比較的イレギュラーなラピードが好ましいの。そして『そちら側』の人選については分かってるとは思うけどイレギュラーな存在だからよ」
ミラ、とミュゼは精霊
エリーゼは『増霊極(ブースター)』の適合者
であるためリタとしては一番データが必要だったのだ。万が一、にも実験で暴走が起きないようにするためにも
「分かった。では、俺、レイヴン、アルヴィン、ジュディス、パティ、ローエンは堕天使迎撃に向かう。それ以外はリタの実験、そして万一の時の為にここで待機だ」
「それと、もう1つ。皆にはこれを渡しておくわ。そっちのグレモリー眷属にも」
ガイアスの言葉が終わると再びリタが話し出す。そして懐から小型の何かを取り出した
「……これは?」
兵藤が問う
「私が作った、と言うよりは改造した通信機よ。悪魔がレーティングゲームで使うタイプのものを改良したの。これなら冥界から地球まででもスムーズに連絡が出来るレベルのものよ。電波障害にも対応してるわ」
テルカ・リュミレースの人間以外は全員目をパチクリさせてる
「あなた…これを何日で造ったの…?」
リアスの問いにリタは…
「こんなもん、一晩あれば余裕よ」
もはや皆開いた口が塞がらなかった
「これは…リタさん…素晴らしいですね!」
「ほんとです!リタスゴいです!」
「リタ、ス~ゴイ」
ローエン、エリーゼ、ティポから最大の賞賛が贈られる
「当然よ!伊達に天才を名乗ってないわ!」
これがリタ・モルディオが天才たる由縁である
「では、全員これを着けた上で戦闘に望むぞ!準備はいいな!?」
「「「「「「おう!!」」」」」」
次回はバトル回です後2回で1巻終了。早く2巻へいってペース戻したい…