戻ってきたスバルがクリプターになる話。 作:アステカのキャスター
それではナツキスバルの担当、異聞帯を書いていくぜ!良かったら感想・評価お願いします!では行こう!
「……頭痛くなってきた」
「だ、大丈夫?」
俺が今いる場所は異聞帯と言う所だ。
異聞帯。それは行き止まりの人類史、歴史の停滞に他ならない世界。全てを異聞帯の王に任せる人類史もあれば、全てを統率し管理する人類史も存在する。
それを導く先導者がクリプターと異聞帯の王。
クリプターはスバルを含めて八人。Aチームのメンバーがそれぞれの異聞帯に存在し、異星の神を降ろす事で異聞帯は地球の歴史から新たな人類史へと塗り替えられるという事だ。
「俺の父さんとお母さんは人理崩壊で居なかった事になってるし、空想樹が開花するには少なからず人理修復が必須。そこは生き残ったカルデアに任せるしかない……何この丸投げ状態」
俺達は今、空想樹の
空想樹の種と言われても想像は付かないが、まあベアトリスの禁書庫みたいなものと考えればいい。8つの種のそれぞれに行き止まりの人類史が存在する。要するに
クリプターとして重要なもの。
先ず、その異聞帯に合ったサーヴァントの召喚。けどこれに関しては諦めた。スバルはサテラを除いて契約の独占をしている。サテラの場合は
もう一つは『
これは因果さえ曲げられる命令を一度だけ使うことが出来るクリプターに与えられた権利。だが、使えば絶対に死ぬという裏技だ。スバルは最悪が重なって、もうどうしようもない時にしか使いはしないだろう。
「サテラさん。貴女とんでもない事をしましたね」
「この場合、てへっ☆って言えばいいの?」
「どこで覚えたその知識!?あっ、ちょっとあざとくて可愛さ出した教えはパックだな。グッジョブ!」
実はスバルには
大令呪は元々マリスビリーから授かったものだが、サテラはスバルの中に異物が入るみたいで嫌という理由で
大令呪は今サテラが管理している状態で、大令呪は使えない。マスターと令呪というのはセットじゃないと効果がないらしい。
その代わりと言っては何だが、サテラが莫大な魔力で生み出された偽大令呪を作ったらしい。使っても死なないが、モノホンと比べるとやはり劣化版。大令呪がクリプターである証拠だ。確認とかあった時バレなければいいのだが……
「サテラが基本的に知ってるのはそれだけか?」
「うん。私は異星の神が持ってる情報を断片的に手に入れただけだし、先ずこの世界がどんな場所の行き止まった人類史なのか分からない」
「サーヴァントって座から知識を手に入れられるんだろ?それと照らし合わせても分からないのか?」
「うーん。何といえばいいかな?私の座の知識は興味のない教科書をザックリ読んだイメージかな?元々私はスバルくんが生まれた世界は殆ど知らないから。頭に流れた情報もあっ、見たことあるなーくらいの知識しかないかな」
「大丈夫かよそれで……。まあ、そもそもエミリアたんもめちゃくちゃ頭がいい訳じゃなかったしなぁ。サテラもエミリアたんも俺が生まれた世界とは隔離されてた訳だし」
まあ確かにいきなり訳もわからない教科書を見せられて覚えろって言ったほうが無理な話だ。スバルもロ文字やイ文字とか習得にはかなり時間が必要だったし。
スバルはサテラと一緒に『見えざる手』に乗りながら空から地上を見渡す。ある程度の歴史的建造物なら覚えている。何処の国で起きた行き止まりの人類史なのか。
「………ん?」
先程まで快適だった草原から一転して
草原が途切れてかなり深い崖のような場所があり、底が暗くて見えない。崖下に見えた光景は緑が見えない
「樹海にしちゃあ、かなり黒くね?」
「スバルくん、もうちょっと下がれる?」
「何で?」
「マナがかなり下の方が濃いの。もしかしたら異聞帯の王がいるかも」
「よっしゃ任せろ。権能で確認して……ん?」
見えざる手の高度を上げようとしたその時、スバルは森の奥から轟音が耳に入った。そして次の瞬間、スバル達に襲い掛かってきた。一瞬だ、一瞬だけ地上が光を放ち、果てしない熱気が第六感を即座に動かす。
「サテラ!」
「うん!」
放たれたのは太陽のような熱気を放つ
対してサテラは詠唱すら使わずに時すら凍てつかせる氷風をぶつけて相殺する。ただそれだけで大気の空気が膨張し、人間を跡形もなく消し飛ばす程の膨冷と熱波が森を削り取る。
「うおあっ……!?」
「わっ、スバルくん!離さないで!!」
サテラの氷魔法はエミリアの技能と同じ。
パックがエミリアから離れた時からエミリアの潜在的な魔力はロズワールすら超えかねないのは知っていたが、サテラが放つと世界を丸ごと凍らせるパックの力以上に見える。
スバルはすかさず『強欲』で5秒間で第一波だけを防ぎ、第二波を『見えざる手』で包んで防御する。流石の衝撃にサテラがスバルの腰にしがみつきながら蒼い炎が放たれた場所を見る。
「なんだアレ……!?八つ首の竜……まさか八岐大蛇!?」
「や、やまたの?って何?」
「出雲神話に出てくる怪物だ!てことはつまり……俺たちの担当は日本の過去か!多分奈良時代!」
出雲神話は奈良時代に著作された『古事記』に出てくる派生。
古事記では
「サテラ!とりあえず逃げるから掴まってろ!」
「う、うん!」
草原に戻ろうとした瞬間、八岐大蛇?は再び蒼い炎を充填する。
スバルの『強欲』の維持は約5秒間。その後は不整脈にならない為にインターバルが必要。インターバルを消す『獅子の心臓』は誰かに埋め込まなければ使えない。サテラに埋め込んでも良かったが、まだ様子見でそこまで考えてなかった。
「うおおぉぉぉ!?」
「きゃあああ!?」
近場の山に下りて逃げるスバルとサテラ。
正直な話、サテラなら八岐大蛇を倒せるとは思う。けど、あの黒い森は恐らく
「あー、なるほど!読めたぜ!」
「何が!?」
「この場所の地形!!日本の形をしてねえぇ!」
「どういう事?」
「つまり、階層!崖下が最下層ならこの場所は第二層!つまり、
スバルの読みは当たっていた。
八岐大蛇が居たのは最下層、日本の神話に於いての『穢れ』は妖怪、怪物、邪の具現など様々存在する。
八岐大蛇だけではない。穢れを纏めたあの樹海は日本最古の穢れからこの時代まで溜め続けた穢れの地。樹海が黒いのも、瘴気を吸い続けているからだ。
つまり、あの樹海は誰かが生み出したもの。
崖下にあるのは、領域を意図的に隔離する為だ。隔離した領域の草原の場所は襲われる心配は無かったのも運が良かった。
「……ふう、自分で言うのもなんだが強くてニューゲーム状態なのに全然思ってたのと違う!いや何となく分かってたよ!?俺そういう星の下で産まれた自覚はあったけど酷くね!?」
「スバルくん、アレ」
「アレ……? はっ……?」
スバルは開いた口が塞がらない。
草原だった場所からは高低差で見えなかった。山に下りると草原のない平らな地面。
そこは街だった。
並び立つのは今時珍しい古い家が並び、着物を着て出歩く女達、水切りをする少年たち、木々を運び家を作ろうとする男達。だがそれ以上に目を引かれたのは……
「びょ、
八岐大蛇は奈良時代の『古事記』より生まれたものだ。
正確に言うならば、『古事記』に登場した神から『出雲神話』の主役として存在した。ならば、平等院鳳凰堂は
平等院鳳凰堂は
奈良時代では存在するはずがない。時期のズレ、八岐大蛇ではない可能性、平安時代、その全てを頭の中で整理した瞬間、スバルの頭にとんでもない可能性がよぎった。
「まさか……」
アレがもし、本物だとしたら。
八岐大蛇は復活したでも、時期がズレているのでもない。奈良時代に
「おいおい。マジかよ……そういう事なの?そうなっちゃったの?この歴史」
「スバルくん?」
「あー、すまんサテラ。ちょっと頭が痛くなった。今日は寝よう。膝枕を要求してもいい?」
「いいよ。はい、おいで」
「めちゃくちゃ甘やかされると逆に恥ずかしいけど、もうツッコむ気力がねぇ……駄目だこの世界、そういう事なの?」
自問自答に頭を痛めたスバル。
サテラの膝枕に埋もれて目を閉じて現実逃避をする。サテラは目を瞑るスバルの頭を軽く撫でてくれる。
八岐大蛇は
もしそう考えるなら、一体何が原因か。
「……唐突に…ベア子に逢いたい」
「起きたら召喚してみれば?」
「そう…するわ………」
もし、後者の仮説が正しいなら……
異聞帯の王は、
この異聞帯は奈良時代から平安時代……いや、
Q サテラはスバルの上位互換の能力を有しているから、もし彼女を出すならスバルに能力を持たせる意味が最初以外は失われてしまうと思うのですが
A サテラが今正気であるのはスバルが嫉妬の魔女の因子を取り込んでいるからです。これは後半の話で自己解釈になりますが、スバルは何故魔女因子を二つ以上取り込んでも平気なのか。そして、サテラに関してはまだまだ謎を多く含めた登場をさせています。愛に狂うサテラが何故このような状態になっているのかは後ほど。