戻ってきたスバルがクリプターになる話。 作:アステカのキャスター
最近『寝る練る練るね』さんの小説にハマっています。
リゼロ2期を観て始めたこの小説もまさかの『星の巫女』シリーズの評価を越してしまうとは……!ちょっと驚愕してます。
それでは、11話!良かったら感想評価お願いします!では行こう!
魑魅魍魎が多く存在する最下層の穢れの森。
人々が不自由なく住う第二層の平安時代の住人。
スバルが異世界にいた中ではとびきり凶悪なものだ。
恐らく、スバルの全権能を用いても穢れの森は攻略出来ない。あの瘴気はサテラの封印地にあったものと同質のものだ。広大さもそうだが、あの樹海は恐らくスバルの予想が正しければ
「先ずはここのお偉いさんに話を聞く……事から始めるか」
「大丈夫?まだ眠い?」
「いや考え疲れだから大丈夫だ。サテラ、ありがとう」
「どういたしまして」
名残惜しい膝枕からスバルは立ち上がる。
歴史のズレはスバルはある程度予想を立てているが、実際に情報は大事だ。予測だけじゃ足りないから足りないものを埋めていくのはいつもやっている事だ。
「っ!スバルくん!!」
「どうした……って……誰?」
サテラが警戒してスバルを後ろに下げる。
虚空からいきなり現れたのは、眼鏡をかけて如何にも秘書を連想させる服を着た……
「おやまあ、お邪魔でしたでしょうか?」
とてつもなく
サテラが警戒している。スバルも直感でしかないが、この女は
「……アンタは誰だ?」
「おっと失礼、私はNFFサービス所属、コヤンスカヤとお呼びください」
「獣人巨乳秘書キタコレ!……って素直に喜べねぇんだけど」
「それは酷い……!私は無力で涙ぐましい努力をして漸くこの地位に上り詰めた哀れな秘書なのに、よよよ」
「うっわ、キッツ……」
「そこの魔女さん?ちょっと黙ってくれませんか?」
どうやら
何というか、エキドナとサテラの時のように互いの存在が気に入らない。と言うかサテラが思いっきり悪態を吐くなんてスバルも少し驚愕している。
「スバルくんに近寄らないで、灰汁を限界まで煮詰めたような貴女が近づくと私のスバルくんに悪影響だから」
「あーら、召喚されて間もない中よくそこまでの信頼関係を。私とて予想外ですが、生憎と私はクリプターであるナツキスバルさんに連絡事項があるので来たのです。貴女に用はありませんので消えていただくと幸いなのですが」
「私はスバルくんのサーヴァント。用件があるなら同席するし、連絡事項を吐いてさっさと帰ったらどう?愛が捻れ曲がった犬に構っている程私達は暇じゃないの」
「あらあら私を犬と言いますか」
––––瞬間
とてつもない魔力が一歩を踏み出した瞬間にのし掛かる。重圧?魔力濃度が変わった?いやそんなチャチな話じゃない。隠していた力の鱗片でこれだ。明らかに雰囲気が変わった。
「––––ならば戯れは此れにてお終い。たかが
「はっ、ただの愛玩の獣風情にこの異聞帯で私に勝てると思うなら。–––––今ここで、氷漬けにして砕いてあげる」
「ちょっと待ったぁ!!」
思った以上に一触即発だった。
『獣』と同格の力を持ったサテラに愛玩の極致とも呼べる目の前のサーヴァントが戦えばこの異聞帯で甚大な被害を起こしかねない為、スバルは慌てて二人を止める。
「とりあえず落ち着けよ!まだ種の中でお前ら二人に暴れられると被害がヤバいから!?つーか、コヤンスカヤも用件があって来たんだろ?せめてそれを先に話してくれ」
「……まあそうしましょう。これ以上は不毛、時間の無駄ですわ」
「とりあえず
「……分かった」
ここで本来のクラスを明かすのは得策じゃない。
特にこのサーヴァントは
コイツの本質は
故に絶対に油断できないし、油断すれば全て崩れ去ってもおかしくはない。
「それで?用件は?」
「はい。ですがこれはクリプターとしての問題なので、後ろの方を下げていただくと––––」
「お前が
「……へぇ。ああなるほど、
スバルは少しだけ顔を顰める。
少し気づかれたかのようで、逆にコヤンスカヤは不敵な笑みを浮かべていた。コヤンスカヤはスバルの手にあるものを渡した。どうやら何かの機械のようだ。
「これは?」
「通信型投影機です。各異聞帯のクリプターに連絡事項があった場合繋げることが出来ます。クリプターの会談とかあった場合は必要になってくるので壊さないように」
「そうなの?てっきり俺は直接行くのかと思ってたけど」
「異聞帯を跳躍するにはかなりの魔力が必要になってきますし、私と言えど日に何度も転移は出来ません。虚数を渡れるのは異星の使徒、もしくは一部の神霊級のサーヴァントのみです」
「てことは、もう神霊級のサーヴァントで実証済みなのか?その一部って誰だよ?」
「んー、いずれ知る事になりますし、まあいいでしょう。クリプターのリーダーであるキリシュタリアさんが既に神霊であるカイニスを召喚していますので」
「カイニス……?ああ、カイネウスか。ポセイドンの」
神霊カイニスもといカイネウス。
絶世の美女だったカイニスはポセイドンに乱暴され女であることを憎悪し、ポセイドンに見返りとして無敵の男性の肉体を手に入れた神霊。
カイネウスの死後、大木の山の中から金色の鳥が飛び出して天に昇ったエピソードからカイニスは何処までも飛翔する金色の鳥。
つまりは、
それは海だけじゃなく、空間だろうが異聞帯の空だろうが不可能ではないという事だ。
「それと、各異聞帯の場所担当と注意事項を話させていただきます。先ず日本はスバルさん、貴方となります。ロシアはカドックさん、北欧はオフェリアさん、中国はヒナコさん、インドはペペさん、イギリスはベリルさん、南米はデイビッドさん、ギリシャはリーダーのキリシュタリアさん。今のところ最有力はキリシュタリアさんになります」
「最有力って異聞帯の優劣か?いや……異星の神を降ろす為に必要な条件がギリシャで揃ってるって事か?」
「はい。私の予測の中で一番早いのはギリシャ。貴方の異聞帯の空想樹は上から三番目と言った所でしょう」
スバル達の異聞帯が三番目。
序列で言えば一位がキリシュタリア、二位はデイビッドか?なんとなくアイツならやりそうと言うかイメージがある。
「……それで注意事項は?」
「まあ簡単な話です。互いのクリプターの異聞帯で必要以上な過度の干渉は禁止。八つある空想樹を七つ折って自分の異聞帯を決定するだなんてフェアではないので」
「確かに……ちなみに観光とかは?」
「グレーゾーンと言っておきます。そちらの魔女は私と同じ事を出来るようですし、過度な干渉が無ければ私は目を瞑りましょう」
「おけ把握。んじゃもう一つだけ––––」
スバルは最後に質問する。
その質問にコヤンスカヤは予想外といった表情をし、目をパチクリとさせる。
「ええ、まあその条件さえ満たせば可能ですけど……」
「言ったな?言質とったぜ!なら問題ないわ。あっ、オフェリアの異聞帯で投影機渡すなら使い方ちゃんと教えてやってくれ。アイツ機械音痴だから」
「オフェリアちゃんのお母さんみたいですね。わかりました。あっ、それとクリプターの会談がある場合はお伝えしに行きますので、それではご検討を〜」
そう言うとコヤンスカヤは異聞帯から消えていった。
サテラが頰を膨らませていた。どうやらコヤンスカヤと話している事が気に入らなかったのだろう。
「拗ねるなよサテラ」
「ふーん。別に拗ねてなんかないんだからね」
「ほれほれ、頰を膨らませてそっぽ向くとか可愛い可愛い。おおっ、柔らかい」
膨れっ面でそっぽ向くサテラの頰をむにむにと触る。
エミリアの時もこれくらいの距離感だったが、エミリアが向けてくれたスバルに対する恋心とサテラがスバルに向ける愛はほんの少し似ているのだ。心配してくれて、でも傷付いてほしくなくて、でも傷付いてでもそばに居てほしい軽い独占欲。年相応の女の子の恋心だ。
逆に愛が重い嫉妬の魔女は別だ。
アレは絶対に振り向いてくれると勘違いした愛の執着だ。
「むー、頭を撫でてくれたら許してあげる」
「……エミリアたんもそうだがサテラも可愛いな!ちょっと素直な所ポイントが高い!ほーらわしゃわしゃー!」
「きゃー!」
……随分と楽しそうだと言っておこう。
10分くらいサテラを宥めた後、当初の目的を思い出したスバル達は平安時代のお偉いさんに会いに行く事にした。
おまけ
「えっと……これを押してこうすれば良いの?」
「あー違います!?それ通信終了のボタンです!?右から二番目のボタンを押してください!」
「えっと、これ?これを押して次はこのボタン……」
「違いますよ!?次左のボタンです!ああ!?二回も押さないでください!スバルさん恨みますよおおぉぉぉ!!」
無間氷焔世紀ゲッテルデメルング。
北欧担当のオフェリアに通信機を渡して使い方を見ると酷過ぎた為、コヤンスカヤが一から教えている。だが、思った以上にポンコツなのかボタンを二回押してリセットしたり上手くいったと思ったら電源ボタンを押してやり直してしまう重度の機械音痴に頭を痛める。通信投影機を教えるコヤンスカヤが機械音痴のオフェリアにそれを使いこなせるようになるまで1時間かかったと言う。
スバル「……へくしゅ!」