戻ってきたスバルがクリプターになる話。 作:アステカのキャスター
最近、睡眠量が足りてなくて書く暇がなかったのを謝罪します。
てことでスバルの異聞帯での行動を書いていきたいと思います!良かったら感想評価お願い致します!では行こう!
「街に入る前にやるべき事があります」
「?何か問題が?」
「大アリだ。サテラ、自分の格好をちゅうもーく」
ここが平安時代だと仮定しよう。
と言うか平安時代じゃなくてもこの格好は色々とアウトだ。
俺→ジャージ上下。
サテラ→紫紺のドレス。
死ぬ程この世界の服装に適応してねぇ。
だが舐めてもらっちゃいけない。俺は天下不滅の無一文だ。要するに金がない。だから着物を買う金がない。
いや荷物は
昔サテラが世界を飲み込んだとか言っていたから飲み込んだら取り出せるのではないかと思い、やったら出来たのだがアイテムボックスみたいになったのに苦笑しかなかった記憶がある。
「あっ、そういえば『色欲』があったじゃん」
「でも服って無機物でしょ?出来るの?」
「……やって駄目なら諦めてこのまま入るか」
ジャージ一着を影から取り出して『色欲』を使う。
すると材質や布の面積、着色が把握できるようになり、着物に変えることが出来た。黒色の着物に紺色の羽織り、俺らしい色合いが出来て若干満足だ。むふっ。
「うっし、成功!サテラの着物はそうだなぁ……」
「出来ればこの色合いが助かるかな……」
紫紺のドレスが若干気に入っているサテラを見て、頭の中でそれに近い着物を想像する。そう、イメージするのだナツキスバルよ!今の俺にサテラのファッションセンスが関わってくる!!
うおおおお!閃け俺の頭ァ!!
★★★
森で着替えました。
紫の着物と白い羽織りで頭の中に過ぎったエミリアの服装が着物になった感じの着物が完成した。サテラもご満悦で嬉しそうだ。
「でも流石に顔が緩みすぎじゃね?」
「だってスバルくんのジャージで造ったものでしょ?彼シャツ……じゃなくて彼ジャージ感がちょっとドキドキするの」
「ああ、好きな子のジャージとかの臭いを嗅ぐ……って目の前でやられると美少女でも恥ずかしいからやめて!?」
まあなんとか平安の街を歩けるくらいにはなった。
この時代では果物は干して売られてたり、魚も燻製が多い。塩や砂糖の需要が高い上、医学については恐らく塩分濃度やインフルエンザのようなものに弱いだろう。
辺境の場所だったアーラム村でも、売られているものは王都並みでは無かったように、場所が中心部であればあるほど高くなってたり、質のいいものも売っている。
「中々遠いな、平等院鳳凰堂」
「遠近法だっけ?この街もすごーく大きいし、自然も豊かだから食料にも困ってなさそうだし」
「これの何処が行き止まりの人類史に繋がるのか、だな」
疑問はそこだ。
八岐大蛇や魑魅魍魎がいる穢れの黒樹海はその一つに繋がるだろう。だが、今の人々はそれに怯える事もなければ、健康的に過ごしている。
一体、何処に行き止まりの要素があるのか。
「あー!」
「ん?何––––」
「みーつーけーたああああ!!」
「ぼんじょるの!?」
「す、スバルくん!?」
突然、腰に抱きついて……いやかなりの勢いのタックルされ平安の硬くも柔らかくもない地面に滑り込むように倒れたスバル。サテラも敵意や悪意を感じなかった為、見逃してしまっていた。
「ぐおおおっ!こ、腰が!折れてないよね!?あっ、やっぱ痛い!」
「でーじょーぶだって!美少女の抱き付きなんだぜ?我々の業界ではご褒美です!とか言ってくるやつとかいたしさー」
「危険を伴えばご褒美と認識しても危ないよ!誰だそんな知識教えたバカは!?貴方はマゾに目覚める前に病院に行きなさいって言っとけ!!」
「違うさ、マゾではない。ただし美少女に限る!とか言ってたけどね」
「手遅れだった!?」
目覚めてはいけない所に目覚めてしまった。
願わくば現実を知った後に死にたくならないようと切実に願う。
腰にヒビが入りかけたが、『色欲』のオート回復で和らいでいく。口に入った砂を吐き出し、サテラの手を取って立ち上がる。大胆かつ危険なタックルをしてきた人間を見ると……一言で言えば派手だった。
髪が水色、赤、黒の三つで混ざりながらツインテールでありながらゆるふわな髪型。黒いセーラー服と白いパーカーの萌え袖、パーカーにはヒヨコやら手裏剣の刺繍がされてあり、靴も厚底。
一言で言うなら……現代のパリピJKだ。
「サテラ行こうぜ。俺この展開読めたわ、アレは関わっちゃいけねえ奴だ」
「う、うん」
「にーがーすーか!」
格好が死ぬほど適応してない。
猛烈に関わると疲れる予感がしたのか、この後の展開を察してサテラを連れて逃げようとするが、パリピ系は二人を追いかけ始める。
「甘いな!二度同じ技が通じると思ったか!振り向いてキャッチアンドリリースだ!」
「どぉしぇーい!!」
「ほぶらは!?……も、もはやタックルですらねぇ……ガクッ」
まさか寝る体勢の変則タックルは最早タックルですらなく一種の飛び込みに近かった。スバルはこの時漸く気付いたが、このパリピJKは
「す、スバルくん!?こら!幾ら子供でもやっていいことと悪い事があるでしょう!私カンカンなんだかね!」
「カンカンって今日日聞かないねぇ」
「ハァ…ハァ…!やっと見つけました!」
サテラがパリピJKに怒っていると、息切れをしながら此方に走ってきた桃色の羽織を着た紫がかった髪の
「やっぱり!
「いっやなんかビビビときちゃってさ。気付けばこうなっちゃったぜ!」
「ハァ……あの、
サテラは少しだけ警戒しながらも邪な考えがない事を見抜いて、少女の頭を撫でる。サテラの名前を知っているという事は、
「……貴女は悪くないよ。でも、パリピさん?」
「えっ?それアタシの名前じゃ」
「正座」
「えっ?た、確かにやりすぎだとは思っ」
「正座」
サテラの周囲が氷点下に包まれたような気がした。
サテラはスバルを優しく支えながらも、パリピ少女に向けるその冷たい視線で人を殺せそうな怒りがあった。
「じょ、情状酌量の余地をください!」
「三回目は言わないよ。せ・い・ざ」
「……………はい」
パリピJKは正座し、スバルが起きるまでサテラに説教されたと言う。
★★★
「それで……?何で俺達を探してた」
多少時間はかかりスバルは質問する。
目が覚めたあと、着物が砂だらけになってしまったので結局ジャージに着替え直したスバル。ダメージは『色欲』で治したものの、打撲の痛みはまだ残っている。仮にもサーヴァント、筋力値Eでも人間には中々応える。
「あっ、それそれ!
「その晴ちゃんって先ず誰だ?」
「名を
安倍晴明。
自然界のあらゆるものを「陰」と「陽」に分けて考える「陰陽思想」と、 自然界は「木・火・土・金・水」の五つの要素で成り立っている「五行思想」を伝承させ、魑魅魍魎、悪鬼羅刹、妖怪に悪霊、穢れや呪いが蔓延る平安時代でそれらを払い、導くとされた陰陽師の祖。
日本でキャスターの枠として組み込むならば五指に入る術士だ。
「安倍晴明!?んな大物に呼び出され……っとその前にどーやって俺達の事を知った?」
「晴明様には『神託』と言う力が御座います。言うなれば予言に近いものと言うべきでしょうか。常に最善の未来を知る事であらゆる厄災を払ってきたのです。その『神託』があなた方様を迎えるよう指示したのです」
スバルは顔を顰める。
今の説明が正しければ『神託』はスバルが居た異世界ではベアトリスとロズワールが持っていた『叡智の書』だ。だが、『叡智の書』は完全な欠陥品、所持者の望む未来への道筋を記述していくものと聞こえはいいが、スバルが関わった瞬間、未来は方向を変えてしまった。
ベアトリスの場合は禁書庫にエキドナの言いつけを守る反面、エキドナ自身はベアトリスが誰を選ぶのかという観察の為、指し示す未来はただ待つ事だけだった。スバルは完全なイレギュラーな為、叡智の書を以てしてもその契約者であるとも綴られない。
ロズワールについても、ナツキスバルを傷だらけの騎士に仕立て上げる為に自分が行く可能性で例え死んだとしてもスバルがやり直すと確信があり、自分が死ぬ事すら最善の過程として捨てる事すら厭わない狂人の思考だった。
感情も心も命あってこそと言うが、自分が知りたいが為だけにロズワールにスバルを完成させるように記された。最善の中で犠牲を容認する悪辣極まりない性格に歪めたのも、『叡智の書』が原因だ。
二人が持つのも複製品。
本物の原典は世界から情報を引っ張り出し、知るを知っていたに変えるらしく、使えるのはエキドナのみ。常人には思考が焼き切れる。
ザックリ纏めると予言書(劣化)だ。
ただ『神託』がもしそれと同じなら警戒するのは当然だ。
「スバル様、そしてサテラ様。あなた方様は
ヤバイ。この子を見ているとペトラを思い出す。
ペトラくらい小さい中でしっかりしている為、ちょっとだけ構いたくなってしまう。
とりあえずは問題なさそうだ。
ロズワールみたいな奴にしろ、『神託』の詳細についても話さなければわからない。この子に邪な感情はないとサテラも認めているようだし。
「……まっ、お偉いさんから話は聞きたいし俺は構わねえよ。だけど、その前に質問いい?」
「はい。出来る範囲でなら答えられますが……」
見た感じまだ8歳程度だがしっかりしている。
隣の正座してるパリピよりはちゃんとした答えが返ってきそうだ。
「この平安で一番の霊脈は安倍晴明が管理してるのか?」
「
「……じゃあ、サーヴァント召喚の為にその霊脈を使用出来るか?」
「可能だとは思いますが、サーヴァントを複数呼び出せる程の霊脈はこの場所にはありません。精々一人が限度かと……」
スバルもそれについては予想していた。
サテラはともかく、スバルからしたら魔力濃度が
本来ならサテラは八岐大蛇程度で苦戦はしない。
魔力濃度は穢れの樹海の方が多いし、霊脈は安定してるのに魔力が薄いのは普通に考えて割に合わない。
サーヴァント召喚を行うにしても一人が限界だとは薄々思っていた。
「今はそれでいい。先ずは話をつける事が最優先だ。案内を任せる。サテラもそれでいいか?」
「うん。問題ないよ」
「んじゃ、案内してくれ。俺も知りたい、この異聞帯の真実について」
スバルの中では予想は何通りかついていた。
もし、この異聞帯がスバルが予想している通りなら、
スバル達は安倍晴明がいる平等院鳳凰堂に向かい始めた。
「そういや自己紹介まともに言ってなかったな。俺の名前はナツキスバル、無知蒙昧にして天下不滅の無一文だ」
「私はサテラ、貴女たちの名前は?」
いい加減な自己紹介だがそれに対してパリピJKは笑いながら、小柄な少女は少し緊張しながら自己紹介した。
「アタシは清少納言。気軽になぎこさんでいいぜ!」
「え、えっと私は紫式部です。その…どうかよろしくお願いしますスバル様」
「いやちょっと待てやコラァ!?」
不意打ちに告げられたビッグネームに驚きを隠せずにスバル叫び出した。まだ少女は納得出来るが、パリピは詐欺すぎると平等院鳳凰堂に行くまで言い合いを続けていた。
・清少納言
史実通りかと思ったらパリピ系のアーチャー。サーヴァントとして全盛期の状態、今は深く語れないが汎人類史の記憶を保持している為、はっちゃけたキラキラのパリピになっている。スバルに「いや姉は紫式部じゃね?」と言われた瞬間、危険タックルをかました。そしてサテラに怒られた。
・紫式部(リリィ)
安倍晴明の弟子として修行中の身。源氏物語はまだ書いていないが安倍晴明の繋がりで清少納言と関わっている。清少納言はちょっと面倒だけど可愛い妹のように見ているが、どっちかと言うと紫式部の方がお姉ちゃんに見える。しっかりもので、リゼロ世界でのペトラポジ、少しだけ戦闘は出来るが実力はアンリマユレベル。