戻ってきたスバルがクリプターになる話。 作:アステカのキャスター
夏休みの課題が……では行こう。
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スバルは異世界に戻る手掛かりを探した。
現状、自力で異世界に帰る事は出来ない。当然ながら自分にそんな力はない。
だが、異世界にいた証明はある。
魔女因子。大罪魔女の因子は大罪司教を殺した際に手に入れたものだ。『見えざる手』『コル・レオニス』は使えたし、他の大罪司教が持つ権能を使える。『劇場型悪意』『暴食』『竜の血』はどれも使える。
スバル自身も後に分かったが、この六つがスバルの性質によって使い方が変わったにも関わらず、大罪司教と同じ力を振るえるのだ。
『劇場型悪意』は擬似ネクトと同じになり、あらゆる場所に千里眼を置く事が出来る。要するに信頼出来る人間の視界を見る監視カメラ。
『暴食』は舐めた相手の記憶を擬似体験する事が出来る。死者の書を自由に見る事のできる権能。奪う事は出来なかった。
『竜の血』は超回復、オンオフは出来るが他人に擬態したりは出来なかった。
それが、今は大罪司教の全盛期と同じ力を振るえる。
『見えざる手』は汚されるような感覚は無くなり、手は30本まで出せるようになり、『獅子の心臓』も時間制限ありの状態で使える。どうしてこうなったのかは分からないが、心当たりはある。
「……嫉妬の魔女因子」
嫉妬の魔女は死んだ。
ならば、
それに伝承には6人の魔女は
「六つの魔女の支配……それが嫉妬の魔女の権能か」
嫉妬の魔女が残したスバルへの呪い。
だが、皮肉にもそのおかげで大分この世界を見つめ直す事が出来た。この世界には魔術が存在する。過去から受け継がれた神秘はあり得ない法則、あらゆる事象に干渉する事すら不可能ではない。
魔術師の実態を知る前は『コル・レオニス』であらゆるものを観察していた。そうしたら出るわ出るわ。何と様々な色が世界を埋め尽くしていたのだ。神秘を持つ人間の色から様々な色が浮かび上がる。
『コル・レオニス』は他人の不調を肩代わりしたり、他人の色を見つけて導く力であったのだが、今回はそれが違う。
ナツキスバルは傲慢にならなければ異世界に戻れない。
レグルスが『自分は満たされた高潔な存在』を自称する王なら、スバルは『足りないものを寄せ集め誰かと一緒に満たす』小さな王だ。
要するにだ。
この光は
手掛かりは
「記憶を奪う……なら不可能じゃないけど……」
それは倫理的に反するものだ。
ナツキスバルに騎士道は無い。けど、他人の人生を奪うという事は果たしていいのだろうか?
「とりあえず、1番光が強い場所に行こう。ペテルギウスは見えざる手で飛べた訳だし」
不法入国待った無しだが、スバルはこの世界をいずれ出る。
多少の問題を気にしている暇は無い。一刻も早く戻らなければいけない。
「よし、行くぞナツキスバル。俺の野望の為に」
自分の決意は曲げない。
諦めるのは性に合わないからと、誰かが言ったからだ。
★★★
「さっすがに半年でこうなるか普通!?」
半年が経ち俺は何と魔術使いとして殺し屋的な存在になっていた。これは自分でもびっくらこいた。きょうび聞かねぇけど。
魔術師のある程度の情報や、基礎知識は理解出来た。ロード・エルメロイのドSお嬢と契約を結び、情報の提供の代わりにある程度の依頼を引き受ける事になったのだが……
「まさか……魔法と魔術がこんなにも違うとはな……」
彼方の世界では基本属性は6つ。
火、水、風、土、陽、陰の属性に対して、この世界は火、地、水、風、空とアリストテレスの世界を構築する五大元素から魔術は始まったらしい。
何より魔術師には魔術回路が存在する。
彼方の世界ではゲートと呼ばれた魔術を出す器官。俺はゲートをぶっ壊してしまい、漏れ出るマナをベアトリスに徴収してもらっていたが、『色欲』が自分の身体を回復させる為、ゲートは戻っている。
つっても、シャマク二回か頑張ってミーニャが三本。
それでマナ切れを起こす為、魔法使いの才能はないとベアトリスが断言し、泣いた。
「この世界じゃ、タンクじゃなくて神経から生み出すって事だからなぁ。まあ、関係ないか」
権能は魔術でも魔法でもない。
制約が今、殆どない状態だからこそ使えるのだが、問題は権能が
時計塔もそうだが、聖堂教会ですら俺を異端と見て排除もしくは封印指定にするつもりで、襲いかかって来た。
まあ返り討ちにし、誰が命令してるのかも調べた結果時計塔にいる事が難しくなった。襲いかかってくる魔術師には魔術刻印や記憶、知識を根こそぎ奪い、依頼されたらエルザみたいに人を殺す……事が出来ない為他人から忘れさせる『暴食』の権能を使って誤魔化していた。
魔術刻印は一子相伝だが、俺には『色欲』の力がある。
まさか帰ってきてTUEEEEEEEEEE!状態になるなんて思ってなかった。フリーランスの傭兵としてお金もあるし、充実はしていないがそれなりに上手くやっていた。
俺の目的は異世界に戻る事だ。
だが、未だ手がかりが見つからない。記憶を奪って、あらゆる魔術を使えるようになって、6つの権能を使用出来ても異世界に戻る手がかりが見つからない。
並行世界の運営は第二魔法だ。
使える人間はたった1人だと聞いた。俺は必死にそれを探しているが手がかりすらない。会える保証すら無いのだ。
「ん?」
スバルのスマホに着メロが流れる。
白鯨討伐の時の地味に子供っぽい着メロにため息をつきながら応答する。
この電話が後にスバルの人生を加速させる事を、今はまだ知る由もなかった。