戻ってきたスバルがクリプターになる話。 作:アステカのキャスター
連続投稿とか土日の特権ですね分かります。
気がついたら評価がえらい事になって思わずスクショしました。
多くの感想、評価ありがとうございます!!それではスバルのサーヴァントを登場していくぜ!では行こう!!
忘れられない程聞いたその言葉が耳に残る。
意識が戻る。感覚が戻る。身体の重さも有れば、傷付きながらもAチームを救った時の痛みは無くなっていた。何故か温かい感覚と、柔らかい感触、いつも自分の弱さを見つけて吐き出させてくれたあの少女と同じ感触にゆっくりと瞼を開けた。
「––––あっ、起きた。おはようスバルくん」
日の光は目覚めの眼球にひどく沁みて、涙目になるスバルはぼやけた視界の中に淡く輝く紫紺の瞳を見た。その声は酷い程身体に馴染むように甘い声で、スバルの目覚めを祝福するかのような衝撃だった。
「……エミ…リア……?」
「ブッブー、違うよ。私が誰だか、スバルくんは分かっているでしょう?」
可愛い表現で間違っている事を告げる少女。
顔立ちはエミリアと変わらない。けど、エミリアでない。エミリアはスバルをくん付けで呼ばない。銀髪のハーフエルフでスバルをくん付けで呼ぶ人間を一人知っている。
「サテラ……なのか?」
「ピンポーン!じゃあ改めて自己紹介するね」
膝枕しながら、覗き込むように少女は自己紹介する。
「サーヴァント・
それは、有り得ざる世界から招かれた狂気。
愛と言う『狂気』を司り、未知の領域より降臨した者のみが持つ
「真名、嫉妬の魔女サテラ」
それは世界の半分を呑み込んだ存在。
『剣聖』『賢者』『龍』の三英傑でさえ封印する事が精一杯で、スバルに狂気じみた愛を囁いてきた魔女の名前。
そして、スバルが最後に救った女の子の名前。
「スバルくんの危機に駆け付けて参上しました!」
「ちょっと待ったぁ!?」
膝枕から無理矢理起き上がり、スバルは驚愕しながら静止を要求する。先程までレイシフトの爆発に巻き込まれ、冷凍コフィンに入れられた筈なのに、気が付けば召喚されていたサテラの膝枕でぐっすり寝ていたという奇天烈な状況に混乱しながらスバルは説明を要求した。
「はっ、えっ?ちょ、ちょっと待った待った!?サテラ、お前
「どうやってと言われても、私は別にスバルくんの所にいつでも行けたし、単独顕現スキルを持ってるから召喚無しでも頑張ればこれちゃうよ?あっ、でも私から行こうとすると
「さらっと恐ろしい事言わなかった!?単独顕現って……確かあれだろ?黙示録の獣の……世界を滅ぼすクラスが持つスキルだったか?」
「うん。それそれ、私も持ってるの。まあその気になれば抑止力を捻じ伏せられたけど、スバルくんに影響があって欲しくなかったから抑止力が働かない今、来ちゃった」
「さらっと捻じ伏せるとかとんでもない事言ったな!?」
サテラの邂逅はあの世界で
一回目は魔女の茶会、二回目はメローペ…… 大図書館プレイアデスのゼロ層で見つけた
三回目は嫉妬の魔女の執着の渦で泣いていたサテラ。あの時に嫉妬の魔女と一緒に消えたかと思っていた。
「……随分性格が変わったな」
「うん。もう嫉妬の魔女因子に苦しむ事はないし、それに
「憑代?……まさか!?」
「うん。
スバルはその言葉を聞くと、サテラを睨みつける。だが、サテラは手を伸ばして待ってとスバルに話す。そうなってしまったのはちゃんとした理由があるのだ。
「……先ず、権能を使うのをやめて」
「……ちゃんとした理由があるんだな?」
「うん、勿論。じゃなきゃ私もこんな事しないよ」
スバルはため息をつきながら権能を解除する。
スバルは今でもエミリアの騎士である事に変わりはない。エミリアを食い潰してサテラが存在しているならば、サテラであろうと許せない。
「先ず、今の私はエミリアの身体に入って召喚されてる」
「その理由は?」
「格落ちの為、サーヴァントだと格が高すぎる存在は召喚できないの。私の格は神霊……いや、多分『獣』のクラスと同じくらいの格。だから格を落とす為に憑代を必要とするの」
今サテラは『獣』のクラスと同格と言った。
人類悪については、偶々奪った魔術師の記録に残されていた。人類が起こす7つの厄災、自業自得の終末。それが『獣』のクラスとして呼び出される。
だが、サテラは『
だとしたらサテラは……
「……その事をエミリアは?」
「知ってる。合意の上でエミリアから身体を譲って貰ってる。今の自我はエミリアが3で私が7くらいかな?」
「エミリアに影響はあるのか?」
「肉体的な影響はないよ。けど、この状態だとエミリアの自我は表に出せない。うーん。あっ、襟ドナ状態って言ったほうが分かりやすいかな?」
「あー、成る程」
要するにエミリアは
以前アナスタシアとの契約精霊だったエキドナがアナスタシアの身体を借りて戦った事がある。何回かそういった事はあったらしいが、五回目くらいでエキドナはアナスタシアの身体から出られなくなった。
サテラがエミリアの身体を借りている以上、エミリアの意識は眠っているままだ。
「そうまでしなきゃいけない理由は何なんだ?エミリアたんの身体を借りているのは分かったけど」
「……スバルくんはあの世界があの後どうなったか分からないでしょ?」
「……何かあったのか?」
サテラは話し出す前にスバルに確認を取る。
正直な話、サテラはスバルに話したくないのが本音だった。
「……正直な所、あまり話したくはないんだけど、スバルくんはそれでも聞きたいんだよね?」
「ああ……残酷でも重要で大事なんだろ?」
「うん……分かった。全部話すね」
サテラは重い口を開いた。
スバルには絶望しかない事を知りながら……
「私達の世界は……
「剪定?……どう言う意味だ?」
「……スバルくんは大富豪と大貧民だったらどっちが長く生きられると思う?」
「そりゃあ普通に考えたら大富豪だろ?いやこの質問に何の関係が……」
「今、スバルくんは大富豪の方が長く生きられるって答えたよね?それと同じ、世界は大富豪……長く続けられる世界を選んだ」
スバルには理解が追いつかなかった。
いや、追いつかなかった方が良かったのかもしれない
「この世界には私達が居た世界を含めて多くの並行世界がある。けど、並行世界も多く存在すれば世界の容量がパンクするの。だから、世界は長く続けられる世界を選んで、他を消さなければいけない」
並行世界は存在を増やせば増やす程に世界の容量を奪う。故に世界は100年後もこの世界が続けられるか、それが不可能かを見定めて選び、必要のない世界を消去する。
そうする事で地球と言う惑星が壊れずにリソースを使い回す事で、存在することが可能なのだ。
「それが–––––剪定事象」
その真相にスバルは動揺を隠せないでいた。
それは最悪の結末だった。ナツキスバルが英雄としている事が出来たあの世界は既に……
「う、嘘……だろ……?ま、まさか……」
「私達の世界は……剪定されて、もう存在しない」
世界によって消されてしまったのだ。
スバルは膝を突いて絶望する。レムもベアトリスも、オットーやガーフィールも居なくなってしまったのだ。
大切だったあの場所も。自分を好きだと言ってくれた少女も、殴って自分を友と呼んでくれた男も、もう存在しない。
サテラはどんな言葉をかければいいか迷っている。
絶望し、涙を流し、もう立ち上がれないほどに心が折れ……
「……あのスバルくん…」
「よし。とりあえずは分かった」
「切り替え早くない!?」
……てはいなかった。
逆だ。ナツキスバルは
「世界は剪定され、あの異世界はどこにもない。痛いほど理解したよ。絶望して、泣いて、折れて、誰かに縋って逃げたいって昔の俺なら言ってたろうな」
––––さあ、ここからです。
奇しくも青髪の少女の声が聞こえた。そうだ。自分と契約した相棒も、自分が全てを捧げたいと言った女の子も同じ事を言うだろう。
「
まだ、最後の希望があるとするなら……
それは、自分自身。ナツキスバルという人間こそ、あの世界を証明できる最後の希望なのだ。
「サテラ」
再びスバルは彼女の目を見つめる。
「俺はお前が知る『スバル』じゃない。俺はナツキスバルだ。400年前にお前を連れ出した男とは違う。だから、あの時の『スバル』みたいになれない」
「うん。分かってる」
「俺ひとりじゃ、なにもできない。今の俺でもなにもかも足りない。ゼロから始める以上、俺ひとりで全部抱える事だって無理だ。本当の俺は本当にちっぽけな英雄幻想なんだ」
いつだって負けちゃいけない事に変わりはない。
だが、ここでの負けは全ての終わりだ。スバルが折れてしまえば二度と会う事さえ叶わない。
けど、弱さが吐けない自分を肯定できる自分が居ない。ナツキスバルは一人では寂しくて生きていけないほどの臆病な人間だから。
「だから––––俺と一緒に背負ってくれないか?」
目の前にいるのはエミリアではない。
いつも愛を囁いて、スバルが壊れるくらいに苦しまされた魔女だ。割り切れるなんて思っていない。けど、もう苦しまなくてもいいと自分から告げた女の子である事に変わりはない。
「また、ここから始める為に、またあの世界を取り戻す為に、俺に協力してくれるか?」
スバルは手を伸ばす。
あの世界を取り戻す。それは果てしない時間と知恵を掻き集めても無茶無謀と誰もが嘲笑うだろう。
だけど、諦めるのは性に合わない。
そう告げた少女がいたから、心が折れそうな時に自分の手を握るあの子がいたから。
だから、こんな絶望だろうと、諦める事だけはしない。
「俺と––––またゼロから始めてくれるか?サテラ」
それはなんともズルい言葉だ。
サテラは少しだけ、嫉妬しちゃうなと呟きながらもスバルの手を取る。
「––––契約はここに。この身、この魂は貴方と共にあり、貴方の行く末を最後まで見届ける事を誓います」
サテラがスバルの手を握ると、スバルの右手の甲には赤い紋章が浮き出ていた。契約に必要な令呪の証。ナツキスバルとサテラがこの場所から、ゼロから始める誓いの証だ。
今はまだ二人だけ、だがここからだ。
「改めてよろしくね!スバルくん」
「ああ!いっちょやってやろうぜ!俺とお前で!」
ここから再びゼロから始めよう。
そう告げた二人には少しの迷いすらなかった。
クラス:フォーリナー
マスター:ナツキスバル
レア度 : ☆5
真名:嫉妬の魔女サテラ
性別:女
身長:164cm
属性:混沌・悪
[ステータス]
筋力:D
耐久:EX
敏捷:C
魔力:EX
幸運:C
宝具:EX
[保有スキル]
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