ターニャのガンパレード【完】   作:ノイラーテム

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外伝:プロパガンダ

 新年に入りカメラは一時、東京のスタジオへ。

テレビ局は慌ただしいが一回目の放送と違って、ゲストが日本語を話せるとあって少しは余裕があった。

 

スポットライトは下座と定められた場所に当たる。

 

「みなさんこんばんは。今宵のご案内をさせていただきますのは私、安藤流です」

 歴史ドキュメントでおなじみの解説者が、中央にある文字列を示す。

番組タイトルには十一文字のアルファベットが並び、フォンとは称号なので数えないと小さく書いてあった。おそらくは前回の放送時に何度か繰り返した為だろう。

 

「今回のゲストは外務省にお勤めのマイクロフト氏と、帝國大学で教鞭を執られておられるロード・エルメロイ氏にお越しいただきました」

「よろしく」

「できれば二世と付けて欲しい。私にその名が釣り合うとも思えない」

 世慣れた男とそうでない男。

上座に当てられたスポットライトは、その表情を如実に映し出す。温和な男と学者然とした男を見れば、先ほどの言葉がどちらの物かは丸わかりだった。

 

今頃は名物教授のいつも通りのやり取りに学生たちは苦笑して居る頃だろう。

 

「今回は九州に颯爽と現われた英雄、十一文字の女神。ターニャ・フォン・デグレチャフ嬢の謎に、安藤流が迫ってみたいと思います」

 解説と共に背景のボードからシールが剥がされる。

女史は友邦であったドイツの中でも、古き独逸帝国に連なる騎士の家系で……。と前回の番組で行われた会話が短くまとめられていていた。

 

最後に塹壕線の構築を提唱した若き俊英なのだと付け足されていく。

 

「さて、前回は佐賀を救った学兵のエースとして紹介させていただきました。その時は半信半疑だった方も多かったと思われるのですが……」

「今や彼女の資質を疑う者は居ないでしょうね」

 解説者の言葉をマイクロフトという男が肯定する。

 

「何しろ二度目の実績です。木を見て森を見ない人も居るでしょうけれど」

 独逸系の話を英国系に持ち上げさせるとは良い度胸だ。

しかしユーモアで皮肉ることはあっても判り易い嫌味を言わないのが紳士という物だ。

 

「ターニャ嬢が優秀な成績を収めているというのは資料でも明らかです。しかしエースと戦略家の両方を、一人の人物が兼ね備えられる物なのでしょうか?」

「私からは過去にはそのような方もおられましたので、ゼロではないとしか」

 持ち上げるように依頼をしておいて、解説者はむしろ懐疑的だった。

台本が悪いのかスポンサーが悪いのか、『そういえば会津閥は芝村閥と仲が悪かったな』とマイクロフトは思い出した。

 

確かこの解説者は会津閥を構成する名家である安東家に縁があったずだ。

今回の番組は織田家の流れをくむ芝村閥や信州の駒城閥からの御声掛かりだった。安東家はどちらとも仲が悪いので、なおさらだろう。

 

「確かエルメロイ二世氏はその辺りに御詳しいと聞きましたが?」

「専門ではありませんが史学と軍学は趣味でしてね。……この場合は優秀な参謀将校が、やむなく実力を発揮したという事でしょう。戦術が戦略を覆すことはありませんが、その逆は計算の帰結です。例えば……」

 エルメロイ二世は待機中に細巻きを吸っていたが、途中で灰皿を使ってモミ潰す。

本格的に話すために、軽く所作で示してみたわけだ。割って入ろうとした解説者も流石に黙らざるを得えない。

 

「塹壕に籠り小隊全員で正面のみを狙い撃てば新兵でも幻獣と戦えます。戦車の支援があればなお良い。デグレチャフ女史は戦闘団構想でこれを結び付けた。結果から言えば勝てる場所を用意して勝ったに過ぎない」

「かもしれませんが、塹壕戦闘も戦闘団もドイツの知識です。どなたかが教授したのでは?」

 ああ言えばこういう。

ターニャの資質が優れているのではなく、その先見の明が優れているのだ。そう言っていたエルメロイ二世に対し、解説者はなおも食い下がった。

 

確かに二つの知識は既存の知識である。

加えてドイツの知識とあれば、同じ郷里の学者や将校が入れ知恵したのではないかと疑義を呈した。

 

「防御主体の塹壕戦と、機動主体の戦闘団ではまるで運用方法が異なりますよ。もっとも、古代中国に掎角一陣という両者を結び付けた物が無くはないが。これは鹿の角を固定する行為を城で、足を払う行為を騎馬兵で……」

「でしたらソレを用いて偶々成功しただけでは?」

 ここでも疑義を呈する気なのか、それとも長くなりそうな蘊蓄を止める為か。

またもや解説者が割って入ったので、エルメロイ二世は講談を中止した。代わりに判り易くもっと説明し易い例を選ぶ。

 

「古い知識を現代に持ち込んだだけでは成功しない。兵装や戦法の近代化に伴い、概念の現代化が必要になって来る。デグレチャフ女史の非凡たる所以は、実にその一点だ。年が明けてからはリアルタイムで塹壕の構築パターンを変更している」

 偶々成功する事すら難しい。

解説者の言葉を使ってやり込めた後で、今何が起きているかという最新の図形を示した。

 

それまでは丘陵と丘陵を繋ぐだけだった塹壕が、意図を持って傾斜している。

足止めするだけに使われた塹壕であったが、これが流れを作り出す為に修正されたのだ。穴の深さを利用して敵集団を分断し、倒し難い相手は一点に集中するように。倒し易い相手は低い凸凹を越えて狙撃するように修正されいた。

 

「ハンニバルの包囲戦術。フレデリック大王の斜行戦術。ボナパルトの三兵戦術。いずれも学習され逆用されて後期では手痛い目に合っている。同じことを続ければ女史も同じ末路を辿るだろう。彼女が英雄になるか野垂れ死ぬかはこれからだ」

「……ありがとうございました。それでは次の質問へ移りたいと思います」

 褒めるというよりは肯定であり、その肯定もいつまで続くかは分からない。

着地点を誘導されてさしもの解説者も黙った。彼としても疑義を呈して英雄登場論に水を掛けろとしか言われてない。二世の方で誘導してくれるならば邪魔する気はなかった。

 

「なーにがフォンだ、ロードだっつーの。ブルジョワ共がうぜーっての。あの細巻きも随分と高そうじゃねえか」

 場末の酒場でその光景を眺めて愚痴る男が一人。

高い細巻きは許せないと言いながら、『戦利品』である葉巻を噛みちぎって火を点ける。

 

「ご高説を垂れ流していますがね、あのロードさんだか二世さんだが戦場で使えるのかね」

 スパスパ煙草を吸いながら、近くに置いていたブランデーをラッパ呑みする。

いまどき幾らするのか分からないほどの散財だが、男にとっては奪い取った物資に過ぎなかった。

 

「そう言うな。二世の提唱する精霊回路の運用論は随分と感銘を受けている。……世界のこっち側ではな」

「お。パトロン様たちと連絡取れたのか兄ちゃん? しかしあの優男もこっち側ねえ」

 隣にもう一人、薄笑いを浮かべた男がやって来る。

瀟洒な白スーツは最初に居た男のジャージ姿とは対照的だ。肌の色も白と褐色で兄弟という程には似ていない。もっとも混血どころか工場からクローンが家族として送られて来る世代である。今更何を言っているのだというべきか。

 

「どうせヒョロヒョロしたモヤシ野郎だ。モヤシは燃やしてやろうぜ! ヒヒヒ。あいつ教授なんだろ? ふん縛って教え子を一人ずつファ〇クして、ぶっ殺して、もっかいファ〇クしてやったら面白いぜ」

「止めておけ。新しい依頼が入った」

 新しくやって来た男は血のように赤いアッサムティーを啜った。

もっとも二人に食事の意味などない。二人は既に飲食が不要な体に改造されているのだから。

 

「へえ……どっちの?」

「妹君の方だ。塹壕へ手勢を送り込んで失敗したらしい」

「ツルペタ爆弾魔がしくじったのかよ! ハッハー! こいつは御笑い種だ。フォン何某とかもいよいよ本物(フォン)かもな」

 話題になっている女性()は本来ならば非常に恐ろしい相手だ。

口に出すのも憚られる存在であり、決して人類社会で知られてよい相手ではない。

 

しかし二人にその配慮は不要だ。

何しろ妹君どころかその姉にも遠慮したりされたりする間柄ではない。更にその伯父君とあれば猶更である。

 

「まあ依頼ならヤるだけさ。あの小娘は鳥ガラみたいに肉付きが悪そうだが、判らせエ〇チして教育してやりたいとか思ってたんだ。でもよ、成功しちまって良いの?」

「構わんさ。『あの人』たちにとって連中も私たちも過程にしか過ぎんのだろう」

「誰がドラゴンになっても構わない?」

「そうだ。いずれ人の形をしたドラゴンに至る。だが我々はファーヴニルではない。絢爛たる勇者(ジークフリート)を殺してしまっても構わないだろう」

 悪党二人はそういって近くにおいてあったライフルを持ち上げた。

一人は最新式の対戦車ライフルを片手で持ち上げ、もう片方に小隊火器の機関銃を吊り下げる。もう一人はスマートなアサルトライフルと拳銃でもう少し扱い易そうだった。

 

二人は幻獣共生派に声をかけると九州へ移動するのであった。

 

 テレビ放送される内容、それよりも詳しい戦場の光景。

それら全ての光景をモニターに写して、太った男が笑っていた。手にはサンドイッチを握り締め、朝からノンストップで報告を眺めている。

 

「お。また一匹。強いなあ。ベラボウに強いなあ! こいつ本当に目は二つしかないのか?」

「はい。無数のセンサーはありますが肉眼は二つきりの筈です」

 画面には士魂号が引き撃ちしている姿が映っていた。

斜めに下がりながら上体を傾けて行う移動射撃。決して一か所に留まることなく、そして最終的に囲まれることなく的確に敵を殲滅している。

 

その姿はパルティアのスナレスと呼ばれた武将が行うパルティアン・ショットのようであり、あるいはモンゴル軍が行う巻き狩りのようであった。

 

「……? おお! どうして倒さないのかと思ったら、囲まれそうだったのか。よくもまあ、あれだけ有利な状況をアッサリ捨てられるものだ。戦場の光景を全て予想しているかのようだな」

「おそらくは空間把握能力が飛び抜けているのでしょう」

 一目戦場を眺めれば全ての行動を予測する。

航空魔導師ならば誰でも行い、不可能であれば生き残れない戦場だった。それを積み重ねたに過ぎない。その事を知らない男たちから見れば、きっと不思議な光景に違いない。

 

「良いな! これぞ人間がバケモノを駆逐する戦い方だ。特殊性無し、ただ可能性を突き詰める! 人間とはかくあるべしだぞ! まあ私にはできないがね」

 最適の行動を繰り返し、その結果が最終的に最善と化す。

それは可能性を掴み取る為であり、不可能を可能にするために行われる何千何万回ものチャレンジだ。祈りなどいう他人任せな諦めではなく、気の遠くなる行動の果てに勝利を掴み取る姿だった。

 

「ドラゴンは飛ぶ必要があったから翼を備えた。炎を吐く必要があったから歌を覚えた。最強である必要があったから強靭さを備えた。彼女は人間のままドラゴンに成りおおせるに違いない」

 パンパンと手を叩くのは称賛だ。

元からパン屑には頓着していないので、汚れが落ちるのはついでに過ぎない。ロシアンティーを飲んでいるのも、ジャムが甘いからでしかない。

 

「後は順調に戦い続けられるか、だな」

「士魂号に対する適正もありましたので、起動補正用のV号からバランス補正用のV2号に変更しております。可能な限りの長時間戦い続けられるかと。本人がコツを掴んだ場合、能力補正型のV3号に変更します」

 V号、今ではビクトリアと呼ばれる少女たち。

彼女は人型戦車を動かす最後のパーツであり、様々な補正を施す生体コンピューターでもあった。どうせコ・パイロットを導入するならば、最良のパーツとして仕上げたのだ。

 

「素晴らしい! さすがはグランドプロフェッツォル!」

「感謝の極み」

「ところで例のフロイラインは?」

「施術に成功しました、代行殿。こちらです」

 代行と大博士。

二人はラボの一室に向かって歩き始めた。そこは施術室から繋がっており、実験を終えたサンプルを補完する場所でもある。

 

「何事だ?」

「げ、現在、躾を行っている所です。申し訳ありません! なにぶん、ジャジャ馬でしたので……大尉!!」

 移動途中でズンと施設が揺れた。

まるでミノタウルスにでもビルが殴られたかのような衝撃だ。

 

大博士の要請で大尉が追っていったのは……。一人の少女だった。

 

「離せ! あたしは帰る! 佐賀に帰るばい!」

「……」

 鉄板の扉をこじ開けて、施設を走り抜けた継ぎ接ぎだらけの少女。

先行した彼女に大尉と呼ばれた男はアッサリと追いつき、首根っこを掴んで壁に押し付け捕まえた。

 

 

「く……。動かねえ。チクショウ! だけど……」

 ヤバイ。勝てんね、コレ。

ヤられる。その漢字は、命を殺される・貞操を犯される・肉を食われる・意思を侵される。どの文字を当て嵌めても良い。

 

このままでは屈服させられる。雄に従えさせれる雌になってしまう。

いや、それ以前に喰われて物言わぬ肉になってしまう……。

 

そう判断できるだけの力量の差を体感してなお、女は運命に抗おうとした。

 

「やっか!? ステゴロや単車なら負けんばい! あたしはこんな所で終わっとたまっか!」

「……」

「そこまでだ大尉。離してやれ」

 首ねっこを掴まれてなお、逃げ出す手段を探っていた。

仮に無理だとして、自分が勝てそうな勝負を探して挑もうとした。その負けん気に対して代行と呼ばれた男は、どうしてこんな小娘を助けようとしたのか、今更のように思い出した。

 

どうみても滑稽だが、諦めようとしない姿勢は素晴らしい。

追い込まれてなお、可能性を掴もうとする手は、十一文字の女神に比べて稚拙だが、魂だけは比肩するくらいに輝いていた。

 

「新城少佐とデグレチャフ万翼長は約束は守ったぞフロイライン。私も君に対し約束したことは守る。また彼らに対し、約束したことも守る。さて……現状の問題点と対策について話そうか」

「借りば忘れんなちゅう事か?」

 代行と呼ばれた男は約束は守る男だ。

守る意味もないが破る意味もない。どっちらでも良いのだからそもそも約束する意味など無いが、それでも気分で約束したことは守る男だった。

 

もっともその結果が、善であるわけでもなく、悪である可能性の方が実現性が高くて速いのだが。

 

「君の肉体は一度死んだ。その意思を繋ぎ留め、肉体が再生するまで時間を稼ぐ必要があった。何だと思うね?」

「さっきのバケモンか? 同じにしたちゅうんか?」

 代行は少女の質問に静かに首を振った。

似たようなことであったが、大きな違いがあったからだ。

 

「大尉は『オリジナル』の一つだよ。アダム・カドモントであるカインとアベル、罪の子カインの末裔。狼男というがね」

「君の場合は共生派から奪った幻獣化の技術を応用した」

「あ……あたしが幻獣になったと!? ゴブリンになったと!?」

「むしろゾンビですかね。正確には知性を持つ死体、レブナントと言うべきなのでしょうが」

 吸血鬼よりも古い起源を持つ狼男。

そんなことなど知らない少女は、幻獣化という言葉に反応した。かつて佐賀の最先任と呼ばれた老人に、共生派は幻獣に化けると聞いていた事も影響しているかもしれない。

 

「君には自由を約束しよう。別に外に出ても構わないが、そのままではいずれ風紀委員に捕まって処分されるぞ? そのままではな」

「あんたらに従えちゅうことか……」

 少女は、サキは、二階堂サキは馬鹿ではない。

繰り返すが冷静に成れないし正解を選べないだけで馬鹿ではないのだ。

 

だから代行と呼ばれた男が何を要求しているかが判ってしまった。

その要求を聞くしかないが、聞いてしまう事は魂を売り渡すことであると判ってしまった。

 

「はっはは。そこまで非道な要求をするつもりはないよ、フロイライン。だいたいそれではつまらない(・・・・・)だろう?」

「私が君に要求するのはただ一つ。ヒーローの代わりに道端に落ちた石を排除したまえ」

「十一文字の女神、あのデグレチャフがヒーローになる為にな」

「万翼長殿の為に……。借りば返せるんか……」

 それが最期のイチヂクの葉だった。

自由なる戦士、二階堂サキの自由が腐乱し死すための最後の一欠片だった。

 

故郷を救うために命を懸けてくれた相手が、ヒーローになる為の捨て石。

 

ならばどうして断ることができようか。

 

「あたしはどうすりゃええんか……」

 サキは判り切っている言葉を漏らしながら、ふと建物の外に居たイタチに呟いていた。

妙に胴の長いイタチはここで実験でもされたのだろうかと、他愛ない事を考えながら……。

 

 第六と呼ばれる多重世界の一つに生きていた彼は、最初の生で浅ましい行いをした。

死んだ後は畜生道に落ち、何度も獣や虫に生まれ変わっては、喰ったり喰われる日々だった。

 

しかしその生も決して悪い事だけではない。

清い心の持ち主に拾われて気分が救われることもあれば、かつて愛した女性と同じカマキリとして婚礼を挙げた事もある。その後の生涯を思い出せないが、きっと幸せだったのだろう。

 

だからフェレットに生まれ変わって愛玩されていた彼にとって、最後の心残りは転生し続ける中で、再会したことのない友人のことだけだった。あの苦悩し続ける真面目過ぎる男は、どこかで少しでも救われたのだろうか?

 

そう、思っていた。ずっとそう思っていたのだ。

 

だが、今回の一生で、ようやく友人と再開することができた。

 

『おう、胴の長い兄弟。知ってるか? 巨人が返って来たらしいぞ。立派な鎧と籠手を付けて、肩に金の髪の乙女を連れてやがった』

 最初は信じられなかった。

鎧の巨人が現れたことも、金の髪の少女と寄り添っていたことも。彼は修羅道において戦い続ける転生を繰り返す果てに、愛した金色の髪の少女と出逢えたのだろうか?

 

居てもたっても居られずに、愛玩されるだけの安穏なペット生を捨てて九州までやって来たのだ。

 

 

そこには鎧をまとった巨人が、悩むことなく正義だけを見つめて佇んでいた。

 

死んでいるのか? そう思って近づこうとした時……。

 

肩に彫り込まれたマークと数字を見てしまった。

 

「104……そして翼のマーク。……自由なる翼の紋章……帰って来たんだな!」

 そのマークは『W』を示していたが、鋼にナイフで刻んだので歪であった。

ヴェアヴォルフ隊のW、第一小隊の1、04番。その認識番号でしかなかったはずなのだ。

 

だが、アルファベットと番号を刻む必要があるだろうか?

 

どうして、傍らに自由を愛する金髪の少女が何人も居るのだろうか? 誰かが自分の知っている少女の生まれ変わりかもしれない。

 

フェレットでしかない彼には、自由なる翼の紋章を持つ、104期の仲間であることを示す主張にしか見えなかったのだ。

 

小さな神々の新人であるフェレットは、金髪の少女たちを守ることにした。

 

いつもは守れないかもしれない。でもせめて、夜の闇が彼女たちの心を潰さぬように。

 

いつまでも守れないかもしれない。でもせめて、自由なる心の翼を彼女たちが無くさぬように。

 

黙ってビルの外から見守り続けるフェレットの姿を、少女の一人がありがたそうに見返していた。

 

ここに鎧の巨人と乙女と、一柱ながら神々が返って来たのだ。




 という訳で舞台裏というか、ターニャ視点じゃない話をまとめて入れてみました。

●宣伝番組
 アンドリューさんのレポート風な奴ですね。
ただ皇国と榊ガンパレの要素を入れた結果、批判と肯定と事実認定やってます。

●テロリスト
 どこのバレンタイン兄弟なんだ?
なおツルペタ爆弾魔には戦略的巨乳という凄い姉がいる。
きっと叔父上は稚児趣味のキノコ野郎に違いない。
ロシア方面の従兄弟に関しては、バレンタイン兄弟はまるで知らない。

●ラボ
 楽師アーが何処かに消えたので、代わりになる目標を探している。
ガンパレ世界では同一存在は上書きされ、移動によって完全消失してしまう。
よってアルカードはこの世界に存在しないのである。

同様に存在Xによって、どんな世界に転生させられるかもしれないし、
されないかもしれないターニャはシュレイデンガー准尉の同一存在である。
よって准尉は存在せず、ヴェアヴォルフ104(いちまるよん)はターニャが継承。

サキはガンパレにおける田代枠なだけ。ついでにゾンビランド佐賀。
戦場で歌を唄い、大神から光る拳を習って、彼の代わりに戦場を駆け抜ける。

●自由なる翼
公式HPの小説、リターン・トウ・ガンパレード風味。

ライナーとベルトルトだけ参戦。
掃除夫アッカーマンはイベント次第で五番目の絢爛舞踏になるが登場しない。
(ブータニアス卿、コンシダー・ステリ、覚醒瀬戸口の枠)

ガンパレ → マブラヴ → 進撃の巨人
 というイメージ変遷らしいので、クロスするには非常に相性が良い。
ただしエレンとターニャの性格は非常に悪いので、彼らは登場しない。
壬生屋枠をやったら、間違いなく処刑すると思われる。
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