渡り歩く者   作:愛すべからざる光

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第十一話

お昼の時間には生徒会室が日課になりつつある蒼士、達也、深雪であった。深雪は生徒会役員であるが蒼士と達也は風紀委員という接点しかないが真由美から呼ばれているので生徒会室で食事をしている。

 

「ねぇ蒼士くん、そのつくね団子食べたいなー、お返しに玉子焼きあげるから」

 

「いいですよ、七草先輩のも美味しそうですね」

 

真由美と蒼士は隣同士になっているためにお弁当のおかずを交換し合っていた。お昼をお弁当にしようと言っていた深雪に同調して蒼士もお弁当にすると真由美もそれに続いてお弁当を持ってくるようになった。

 

「皆さんも如何ですか?」

 

蒼士と真由美だけがこの場にいる訳ではなかった。蒼士、真由美、摩利、あずさ、深雪、達也が生徒会室にはいるのだ。

 

「蒼士くん、和風だれが私の好みでとても美味しいです」

 

「美味しいな、是非ともレシピを教えてくれ」

 

自身でお弁当を作る深雪と摩利は絶賛しており、作り方などを蒼士に聞いているほどだ。真由美もあずさも達也も美味しいと言ってくれていた。

 

「司波、蒼士くん、結局昨日の達也くんと壬生の件はどうだったんだ?」

 

和やかな生徒会室が一瞬で静まり返った。達也は箸を落としてしまい、深雪は顔を伏せて、蒼士だけは笑顔でいる。

 

「別に何もありませんでしたよ」

 

達也がいち早く答えた。壬生と直接会話をしていたのは達也なのだから当然の反応。いつも通りの表情でいる達也。

 

「そうですね、特に何もなく壬生先輩を美少女とか言って赤面させたぐらいですかね」

 

「おい、蒼士どういうつも––––」

 

その場にいなかったのになんで知っているだという驚きと深雪がいる前で言うんじゃない、という怒りもあったがそれよりも達也の隣にいる深雪から冷気を感じ取ったのだ。

 

「お兄様、実は私と蒼士くんはその現場を見ていたんですよ?」

 

嫉妬という思いの強さが無意識に魔法を発動させてしまっている深雪。

 

「ま、魔法…?」

 

「発動プロセスなしで魔法が無意識に出ちゃうなんて、事象干渉力がよっぽど強いのね」

 

冷気が満ちてきてお弁当が凍ってしまってきていたが、蒼士が止めに入る。CADなどの操作もせずに軽く机を指で叩くだけの動作で深雪の冷気が消え去り、部屋の中が過ごしやすい気温になっていた。凍ってしまったお弁当もほどよく解凍されていた。

 

「蒼士、深雪の干渉力を上回る力で制したのか?」

 

深雪の能力も実力も分かっている達也ですら信じられないものを見た表情を浮かべていた。

 

「最近覚えてね、上手く制御できて良かった。さてご飯を食べましょう」

 

深雪は何事もなかったような表情をしている蒼士を見て希望を得た気持ちになっていた。深雪の事象干渉力は強く、自分でも感情が高ぶると制御できずにいたのに、それを上回る力でねじ伏せ、制御している蒼士に尊敬の目を向けている。

 

「蒼士さん、事象干渉の制御の仕方を教えて下さい、今まで感情が高ぶると無意識に周りに冷気を放ってしまっていたので、どうしても制御したいのです」

 

深雪の必死さが伝わってくる言葉と表情を感じ取った蒼士は当たり前のように述べる。

 

「勿論いいよ、いつでもいいからウチに来てくれ、練習する環境を用意するから」

 

ありがとうございます、と頭を下げて感謝する深雪。兄の達也は笑みを浮かべて喜んでいる妹の深雪を見て、自身では気付いていないが笑みを浮かべていた。

 

「つまり蒼士くんって、主席の深雪さんより魔法干渉力があることになるの?」

 

「いえ、まだ自分は深雪よりも下だと思っていますがとりあえず次の期末試験で分かると思いますよ」

 

真由美の質問をはぐらかす蒼士。まだ魔法を触れて半年も経っていない人物が魔法環境で育った人物に勝てるとは思えないからだ。だが、才能があればそれは凌駕されるかもしれないが。

 

「まぁ、話を戻しますが達也と壬生先輩の話は剣道部の勧誘と達也が壬生先輩の容姿を褒めたという展開になったんじゃないのかな?」

 

「なんであの場にいないのに知っているんだ」

 

蒼士の言ったことは当たりであったために達也が非常に驚いていた。

 

「実は私と蒼士くんはカフェでお兄様たちの近くの席にいたのです」

 

「俺の魔法で気配を偽って、達也が知るはずの深雪の気配を別人にしてな」

 

真由美たちは蒼士と深雪が飛び出してカフェに行ったことを知っていたが、まさかそんなことをしていたとは思っていなかった。

 

「馬鹿な、俺が深雪の気配を間違うわけがない」

 

達也にしては珍しく焦っており、こんな兄を見たことない深雪は非常に驚いていた。

 

「深雪とカフェに移動中に魔法を起動して、こんな感じでね」

 

蒼士がCADを操作して実際に使用してみせた。目の前にいた蒼士がどうゆうわけか、靄が掛かったように薄れ、視認できなくなっているのをこの場にいる全員が体験していた。確かに人がいるというのは分かるんだが、見えないのだ。

 

「隠密的な行動には最適の魔法だろう?」

 

蒼士の言葉には頷くが汎用性がある魔法だと達也は感じ取った。潜入、暗殺などにこの魔法を使われたら防ぎようがないぞ、と達也は内心思っていた。

 

「だから達也と壬生先輩が別れた後に俺が壬生先輩に接触して確認した。反魔法国際政治団体ブランシュに協力もとい操られています」

 

えっ、と声を上げた真由美と摩利、あずさだけは分かっていなかったので、蒼士がブランシュについて説明すると顔を青ざめて震えていた。

 

「剣道部はほぼ全員侵食されていますね、三年、二年の二科生の何名かは操られて協力しているようですね、一年にはまだ被害は出ていないと思いますが」

 

自身の固有魔法で接触相手の全てを理解してしまうので、壬生とブランシュの関係、剣道部主将が壬生を勧誘、操られた魔法、ブランシュのリーダーとの会話、第一高校の協力者たちを把握していたのだ。

 

「あれは、催眠術系のような魔法でマインドコンロールされていましたね」

 

蒼士が語る内容を深雪は前もって聞いていたのだが、改めて聞いていると怒りが込み上げてきていた。そんな状態になると無意識に冷気が出てしまう深雪だが、蒼士が肩に手を置いて正気に戻していた。

 

「蒼士くんには現状の対策があるのか?」

 

摩利は真剣な表情で聞いてきた。その言葉に視線が蒼士に集中していた。

 

「何人かを正気に戻させて、ブランシュの命令にしたがっている風に偽り、こちらに情報を流してもらう、で少しずつですが正気に戻す人を増やしてからブランシュの情報を警察やら国の機関に流していれば、自ずと消えていくでしょう(でもその前に殲滅しますが)」

 

淡々と語る蒼士の話に冷や汗を流す面々、学生にそんな諜報的なことをさせるのは危険だろう、と。

 

「これはあくまでですが、もう既に手を打っていますよね、七草先輩(ウチの会社が現在進行形でやっていることを大々的に言いたくないので)」

 

「えっ、う、うん、勿論、七草家が対応しているわよ(なるほどね、十師族の七草家の名を使うのね)」

 

蒼士の言葉に真由美は応えていた。そのあとは小声で二人は会話して、二人以外に聞こえないように喋っていた。

 

「そうか、十師族が出てくるんだったら私たちができることはあまりないな」

 

「はい、でも紗耶香ちゃんが……」

 

摩利は納得したように頷いており、あずさは同級生でもある壬生が心配のようであった。

 

達也と深雪は蒼士から送られてきたブランシュとエガリテのデータにブランシュ日本支部の壊滅作戦に目を通していたので知っていた。達也は協力すると蒼士に言ったが、達也の存在を目立たせたくない、四葉家の意向があることを伝えると身を引いていた。

 

七草家と十文字家が動いていることに勘付いていた四葉家の現当主である四葉真夜は直接電話で蒼士に問い質し、蒼士は彼女にも作戦のことを話していた。手助けは不要だ、と伝えると少しだけ悲しい表情を浮かべていたが、蒼士が四葉家から借りた借金の返済のためだ、というと笑顔を浮かべて応援してくれていたようだ。

 

 

 

 

蒼士は部下からの情報で面白いものを見たので、その面白い人物に会いに行くところであった。

 

生徒会室での話では、まだ蒼士は語っていない部分もあった。ブランシュにいいように操られている生徒たちのことだ。

 

七草家が対応しているという嘘だが、実際は蒼士に指揮権を頂いた部活が操られている生徒たちを無理矢理逮捕するわけにもいかないので泳がせて、監視が付いているだけにしているのだ。だが、その監視は二十四時間の監視であり、衛星、監視カメラ、果ては携帯端末、情報端末も相手から分からないように監視しているのだ。プライバシーもあったものではない。

 

そして部下は社長である蒼士に許可を頂いているため正式な作戦でもあった。

 

このことを話すと絶対に反対されるのは目に見えていたので、何よりもこれからの作戦に支障をきたすのであえて蒼士は誰にも言っていない。

 

「あっ、蒼士くんだ、やっほー!」

 

「蒼士さん、今おかえりですか?」

 

「蒼士さんも一緒に帰らない?」

 

エイミィ、ほのか、雫が仲良く三人で下校しようとしていた。ほのかと雫はいつも一緒で仲良しだが、エイミィも知り合って間もないというのに二人と仲良くなっており、気軽に話せる仲になっているようだ。

 

「ごめんね、ちょっと行く所があってね」

 

申し訳なさそうに謝る蒼士。しょうがないな、と思いながら三人で帰ろうするほのか、雫、エイミィに蒼士が一言述べた。

 

「最近何か探っているようだけど、気をつけなよ」

 

蒼士のこの言葉を聞いて三人揃ってビクッと肩を震わせていた。ぎこちない動きで振り返って蒼士のことを見ようとする三人は彼の後ろ姿を見た。校舎に歩いていきながら振り返るのが分かっていたのか、手を振っていた。

 

「アレって、完全にバレてるのかな?」

 

背を向けている蒼士に指を差して、ほのかと雫に聞くエイミィ。

 

「多分、そうかも、蒼士さんって何でも分かってそうだし」

 

エイミィの問いにほのかは述べた。蒼士に質問すると何でも応えてくれた経験があったほのかは蒼士のことを口にしていた。

 

「何でもは知らないと思うよ、知っていることだけ。でも今回の私たちのことは知ってると思う」

 

蒼士でも知らないことがある事を知っている雫はほのかの言ったことを否定しつつも今回の件については知っているだろう、と予想を立てていた。

 

そんな三人は風紀委員の仕事をしていた達也が背後から魔法で攻撃されるところを目撃しており、犯人の特定をしようと動いていたのだ。ほのかと雫は同じクラスで友達の深雪の兄である達也のこと心配しているために、エイミィは不意打ちという手をとる犯人が許せないし、ほっとけないからという理由で三人は犯人を探していたのだ。

 

そして三人は蒼士と別れた後に犯人の候補であった人物を追いかけて行ってしまったのだ。

 

 

 

 

とある人物に会う前に蒼士は電話を掛けていた。

 

「何だい、ボス」

 

「すまないね、鴉羽(からすば)、今から動けるかい?」

 

「問題ないけど、どうかしたのかい?」

 

「俺の護衛の時に会った光井ほのかと北山雫について覚えているかい?」

 

「勿論だよ、可愛らしい子たちだったね」

 

「襲われるかもしれないから護衛についてくれないか?」

 

「……根拠は?」

 

「勘って言ったら」

 

「ボスの勘は当たるから怖いんだよね、第六感とかそういう類じゃなくて、もはや未来予知級だよ」

 

「頼めるかい?」

 

「自分がボスのお願いを断ったことがあるかい? 貴方の部下たちが一度でもお願いを聞かなかったことはあるかい?」

 

「そっか、非番だったのにすまないね」

 

「別にいいよ、体を動かしたかったしね」

 

「居場所は「いいよ、(まつ)に調べて貰うから」ありがとうな」

 

「お礼は一晩付き合ってくれればいいから」

 

「一体何をするんだか」

 

「ナニをするんだよ」

 

「よろしく頼むよ」

 

「了解、ボス」

 

部下との会話を終えると目的の人物に会うために歩き始める蒼士であった。

 

 

 

 

蒼士はカウセリング室に入室して目的の人物に会っていた。一度会っているので初めてというわけではなかったが、あまり話す機会がなかったのでいい機会だと思っている。

 

「急に呼び出してごめんなさい」

 

彼女との接触はないので固有魔法も使ってはいないから名前や学校のデータを閲覧した程度の情報しかないところに部下からの情報がもたらされて興味が湧いていた蒼士。

 

「いえ、自分も会って話をしてみたかったので、小野先生」

 

蒼士が会いに行った人物はカウンセラー小野遥であった。彼女からのメールの呼び出しもあったので好都合であった。

 

「梓條くんは入学当初から噂は聞いていたけど、今では有名人よ、キミ」

 

遥の目の前の椅子に座るように招かねて素直に従う。

 

「自分の思ったように動いたまでですよ」

 

「それで結果がちゃんとついて来ているんだから凄いと思うわよ」

 

こちらを探るような視線を向けてくる遥に対して気にせずに蒼士は遥の魅力的な服装に注目していた。

 

丈の短いタイトスカートの下から、薄手のストッキングに包まれた肉感的な太股(ふともも)と胸元が大きく開いた淡色のブラウスで、下着の線が透けて見えているのだ。

 

「小野先生のお姿は大変魅力的ですね」

 

「あら、嫌いかしら?」

 

挑戦的な笑みを浮かべてくる遥に怒りはせずに瞬時に距離を詰めて行動している蒼士。遥は開いている胸元を下着が見えないように少しだけ開いて見せているのだ。

 

「大好きですよ、女性から誘って貰えるなんて嬉しいですよ。紳士として応えなければ、近くにベッドもあることですし」

 

遥の両手に優しく触れて彼女と目があった瞬間、微笑んでみせる蒼士。大人の女性である遥ですら蒼士のこの行動に赤面してしまっていた。

 

「ご、ごめんなさい、じょ、冗談よ」

 

動揺しながらも声を出せた自分を褒めたいと思った遥。彼の笑顔を見ていたらそのままの流れでベッドに向かおうとしていたからだ。もしも肩に手を添えられて優しく誘導されていたら完全に堕ちていたと自覚があったのだ。

 

「残念です。でも小野先生が誘ってくれればいつでもご期待に応えますよ」

 

慣れているような流れで蒼士は元の椅子に座っていた。大人である遥の心臓がドキドキしているのに対して蒼士は涼しい顔をしているのに不満げな表情をする遥。

 

そんな表情も蒼士と会話を始めると微笑みと笑顔を浮かべるようになっていた遥。

 

カウセリングの先生として自分たちの業務の説明と継続的にカウセリングを受けて欲しいこと、蒼士のことを知りたいということで質問を受けたりなどをしている内に話しやすい彼のペースに乗せられてしまい、いつの間にか上機嫌になっていた遥。

 

「今ので質問は終わりだけど、何か聞きたいことはあるかしら?」

 

情報端末を見て確認して満足な答えを貰えたので笑みを浮かべている遥。そんな遥を笑顔で見ていた蒼士は部下から知らされた情報を言う。

 

「小野先生って警視省公安庁の秘密捜査官なんですか?」

 

端末を動かしていた指がぴたりと止まった。動くのに二、三秒有したことから明らかに動揺しているのが伺える。

 

「そんなわけないじゃない」

 

端末にだけ視線を向けていて蒼士のことを見ていない遥。

 

「九重八雲先生の修行は大変でしたか?」

 

蒼士としては確定情報なので認めてくれるまで彼女の情報を開示するつもりでいる。

 

「えっ、わ、私が忍術使い九重八雲先生の?」

 

今度は目が泳いでいた遥。それを見逃さない蒼士。

 

「流石に耐え抜きますね、ミズ・ファントムさん」

 

「ごめんなさい、私の負けです」

 

最後の一言で蒼士に頭を下げてしまった遥。降参ということで先生という固い雰囲気が消えていた。

 

「もう…私の情報が筒抜けってどういうことなの?」

 

「自分はここの社長をしているので、過保護な部下たちが周りにいる人たちを調べているんですよ」

 

拗ねたような表情をする遥に蒼士も意地悪すぎたかな、と反省していた。それも彼女の情報を全て開示して自分が彼女の正体を知っているということを教えたのだから。弱味を握られたという状況になっている。

 

「えっ、うそ、本当なの?」

 

やっぱり初対面の人が社長であることを知るとこういう反応になるんだな、と自分に言い聞かせるように頷いていた。

 

「事実です、表立っての発表はしていませんがね」

 

それから蒼士はHSA社が蒼士に対しての対応などの説明をした。部下から学業に集中しろ、ということを言われたことなどを。

 

遥は表情でもちゃんと驚いていたが、内心でも驚愕していたのだ。自分が調べていた時には社長の正体なんて出てこなかったのに、と。

 

「小野先生ってBS魔法師ですよね?」

 

蒼士のこの言葉にはもう驚かなかった。正体がバレているということは魔法もバレていると遥は思っていたからだ。

 

「その肩書きは好きじゃない」

 

プイッと顔を横に向けて嫌いですとアピールしている遥。明らかに機嫌が悪くなったので蒼士も察していたようだ。

 

BS魔法師とは、先天的特異能力者、魔法としての技術化が困難な異能に特化した超能力者。

 

「それはすみませんでした」

 

とりあえず女性を不機嫌にさせてしまったのは自分なので謝っておく蒼士。

 

「別によく言われることだから、気にしないで」

 

「ありがとうございます、で、本題なんですが小野先生を我が社にスカウトしたいんです」

 

自分の情報をばら撒かないのを条件にどんなことが来るか、身構えていた遥は唖然としていた。予想と違うのもあるがスカウトとは。

 

「公安よりは高い給料になるのは保証しましょう」

 

「え、本当!」

 

公務員ということで普通の人よりも高い給料を貰っているのにそれよりも高いと聞いて、思わず声を出して聞いてしまっていた。声を出してしまったことに恥ずかしくて赤面している遥。

 

「会社が急速に成長したので人手は欲しいんですよ、会社の詳細はデータを送りますが、詳しく知りたいならこの電場番号まで」

 

遥が赤面しているのを見て思わず微笑んでしまった蒼士は一枚の名刺を渡した。

 

渡されたのは普通の名刺で会社名、名前、電話番号が書かれおり、至って普通の名刺だった。

 

「この電話番号に?」

 

「はい、彼女が対応してくれますので」

 

名刺に書かれている名前を思わず声に上げてしまった遥。

 

道羽根(みちばね)アウラさん?」

 

「彼女は非常に優秀でね、どんな仕事を任せても卒なくもこなしてくれて頼れる存在ですよ」

 

蒼士の声のトーンや表情から信頼されている人なんだ、と察する遥。

 

遥自身も急成長し、世間にあっという間に知られ、世界中に進出を始めている会社に興味をそそられていた。

 

「試しにアウラの話を聞くのをオススメしますよ、私の名前を言えば時間を作ってくれるはずです」

 

それだけ言うと蒼士は部屋から出て行った。質問などをしている時に連絡先を交換していたのでいつでも彼とコンタクトができるから呼び止めることはしなかった遥。

 

興味本位で彼と話す機会を作り、手を出した遥は自分の判断が正しかったことを知ることになる。

 

道羽根アウラとの出逢いとBS魔法師としての彼女の可能性が広がるのを。




あとがき

本棚の漫画を読んでいて好きだったキャラを使ってみました。

セキレイに登場する人物。
・鴉羽
・松

BLEACHの小説 BLEACH Can’t Fear Your Own World に登場する人物。
・道羽根 アウラ

他の漫画のキャラも出すつもりです。

次の更新は明日です。
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