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第一高校生徒会長、七草家長女の七草真由美は最近オープンしたホテルのラウンジにいた。父に説明も無しに指示され、放課後すぐに実家に戻り、身なりを整えて化粧もして今に至る真由美。
「はぁ、お父様ったらまた婚約者との食事なんてさせて、今は九校戦で忙しい時期なのに」
真由美はこの状況を理解していたようだ。この展開は婚約者と会うということだと分かっており、このような経験が何回かあるようでため息を吐く真由美。学校が忙しい時期なので学校のことに集中したいと思っていた真由美にとっては迷惑極まりなかった。
「(婚約者の方は正直に言って好きじゃないのよね、嫌いと言えば嫌いなんだけど、親が決めたことだから、私の一存では……)」
ニットワンピースの清楚で可愛らしい服装で、スタイルの良い真由美のバストライン、ウエストのくびれ、ヒップラインなどが際立ち、真由美のことを見かけた男性は見惚れてしまうほど魅力的であった。そんな真由美の表情は曇っている。
何回も婚約者との食事などを経験したり、話す機会はあったのだが、真由美は婚約者のことを好きとは言えなかった。十師族の七草家という名声に惹かれているのが分かってしまい、真由美自身にも惹かれていると思うのだが、それは真由美の容姿に興味を持っているのだと分かり、実際に目が欲で眩んでいたり、真由美のことをイヤらしい目で見ているのを真由美は体験していた。
「まだ時間があるし、蒼士くんにでも連絡しようかしら、でも蒼士くんも練習してると思うし、香澄か泉美にでも」
携帯端末を操作しながら時間を過ごそうとする真由美。放課後になってすぐに帰宅したので、まだ学校には生徒たちがいる時間帯でもあり、ましてや九校戦前の練習で忙しい時期なので蒼士への連絡を躊躇している真由美。
「はぁー、蒼士くんと帰る約束も断っちゃったし、嫌われてないかな」
待っている時間帯だけで二桁になるため息を吐く真由美。実際に用事がなければ確実に蒼士と一緒に帰っていただろう。
自分の中で大きな存在になっており、自分が心を許せる相手であり、すんなりと本音や素直に喋れる相手になっている蒼士に思いを馳せている真由美。そして異性として好きと自覚している。
「すいません、遅れてしまって」
「っ!? いえ、私も今来たところで––––って蒼士くん!?」
端末を操作していて気が抜けていたせいか近付く人物に気付けなかった真由美は声を掛けられた人物に驚きの声を我慢して瞬時に切り替えて振り返ると、先程まで考えて想っていた梓條蒼士本人が居て驚愕していた。
「自分も早く出たつもりでしたが、待たせてしまって」
約束の時間よりも早く到着したつもりだったが真由美の方が早かったようだ。そのことについて謝罪している蒼士。
「う、うん、気にしないで、それよりもどうして蒼士くんがいるの?」
まだ動揺を隠しきれない真由美は蒼士に聞いていた。
「あれ? もしかして聞いていないのですか、前の婚約者との婚約は破棄されました。それとウチの会社も関わったことなので自分が対応を」
「えぇぇぇっ!?」
蒼士から聞かされた内容に驚いて大声を上げてしまった真由美。ホテルのラウンジなので人もいるので真由美一点に視線が集中してしまい、そのことに気付いた真由美は恥ずかしそうに顔を赤くさせて会釈して謝っていた。
「弘一さんも随分と味なことをしますね、自分の娘に何も言わないなんて何を考えているんやら」
真由美の真正面に座るとウエイターの人に注文する蒼士に対して真由美は混乱の極みにいた。
「えぁ、ん(落ち着くのよ、つまりは婚約者はいなくなったってことでいいのよね、でもどうしてここに蒼士くんがいるの? それにお父様も黙っていたってどういうことなのかしら……)そ、そう、そうなのね」
内心での整理がついたので深呼吸しながら落ち着こうとする真由美。困惑の表情を浮かべて困っている真由美に声を掛けた蒼士。
「経緯を説明すると前の婚約者さんが我が社と関係を持とうとしていたので部下たちが調べていたら前の婚約者さんが横領や脱税などの
「……社会の黒い部分ね」
蒼士の語ることを真剣に聞く真由美。先程まで赤面していた人物とは思えない切り替えの速さであった。
「発覚して繋がりを辿ると七草家の表の会社も関わっているのが分かったので、父君の七草弘一氏に問い質してみると自分たちも知らなかったようで、部下たちが勝手にやっていたというのが分かりました。ですが、既に起こってしまっていることなので上司を切り捨てても名誉や家柄に傷を残す案件になりますので、婚約者と七草家の関わりを一切の証拠を残さず抹消する後始末を我が社が引き受けた代わりに報酬としてお金も貰い受けましたが、それと真由美とのお付き合いを認めるというのも受け取りましてね」
「……へっ?」
自分の知らないところで壮絶なことが起きていたのを知って驚き、言葉が出てこなかった真由美。つまりは実家の不始末の汚れ仕事を蒼士が引き受けた代わりの報酬で真由美は差し出されたのだ。
「かなり隠された繋がりでしたが、いずれは婚約者が捕まり、マスコミが探り、社内の者がバラしてしまえば七草家も関わりがあるとバレてしまう可能性もあり時間の問題でした」
相手のことを知るために調べていると犯罪の形跡や証拠が出てきて、調べていくと七草家も出てきて、蒼士の部下が蒼士自身に報告して発覚したことであった。七草家が関わっていなければ部下たちだけで処理する案件であったのだが、十師族の七草家、自分たちの上司が通っている学校の関係者ということもあり蒼士に伝わっていた。
「そっか」
小さな声で真由美は返事をしていた。
親族の直接的な関係がなくても部下の汚名が大々的にバレてしまうと上司や一番上のトップへの責任などの追求もあるだろう、周りの影響や評判が悪くなったりするのは避けられなかったのを真由美は理解した。表の社会でもそうだが、魔法社会での十師族という立場での悪影響や信頼関係が崩れたりと取り返しがつかない事態になっていたかもしれないと察することが出来た。
「第一にこんな奴が婚約者っていうのと真由美を好きにされるのはどうにも我慢できませんでした。真由美が良ければお付き合いして良いことになりましたが、嫌でしたか?」
「イヤというわけじゃないのよ、寧ろ嬉しいのだけど、事情が事情だからね」
こんな形で結ばれるのは本意ではなかった真由美。個人的に蒼士のことを好いているので家の事情などに巻き込んでしまったことに罪悪感が込み上げてきているようだ。
「俺は真由美が居たから行動したのであって、貴女がいなかったら何もしなかったですよ、貴女の悲しい顔を見たくなかったのが一番の理由です、大切な真由美だから」
「蒼士くん……」
真由美の目を見て述べた蒼士の言葉は本心であった。蒼士も真由美も互いに接するうちに好きになっていた。
蒼士は笑顔の真由美、拗ねた真由美、照れた真由美、彼女の小悪魔な性格の全てに惹かれていたのを自覚していた。女性からの好意には敏感なつもりの蒼士自身も真由美からの好意には気付いていたのでどこまでいけるかアピールして危うくベッドインする手前まで行きかけ、真由美の好感度を確かめ済みであった。
「このことについてどうこう言うつもりはありませんので心配なく、俺もそれで納得しますし、今まで通り接していくつもりです」
蒼士の言葉を聞いて心臓の鼓動が跳ね上がった感覚を味わっている真由美。七草家の
「イヤよ、私は蒼士くんがお付き合いしたくないならしょうがないけど、私は蒼士くんとお付き合いしたいわよ、男女の仲としてね。それぐらい蒼士くんのことが好きだし、蒼士くんも分かっているんでしょう実際は」
今度は真由美が本心を語って告白していた。自身の気持ちに嘘はつけなく、本当の思いを声に出して蒼士に伝えた。蒼士の顔を見ながら顔に熱を感じながら述べた真由美に微笑んで答える蒼士。
「はい、女性の気持ちには敏感なもので、前から真由美の好意には気付いていましたよ。ではこれからは真由美は俺のモノということでいいんですね」
真由美の告白を受け入れた蒼士。彼女の隣の席に座ると抱き寄せていた。
「いいわよ、私は貴方のモノよ、ダーリン」
「これからよろしく、真由美」
蒼士は短い返事であったが真由美のことを受け入れ告白は成功した。女性からの告白であったが無事に二人は付き合える環境ができ、真由美は願いを叶えることに出来た。
「さっそく彼女からの質問なんだけど」
幸せな気分で上機嫌で可愛らしい笑顔を浮かべる真由美は蒼士の胸元に抱きつきながら聞いていた。なんだろうと蒼士は思いつつ待つのだが。
「蒼士くんって随分と女性に慣れてるけど、どれだけ女性関係があるのかしら」
真由美の言葉に蒼士自身は動揺したつもりはなかったのだが、眉が動いたのを真由美が見逃していなかった。ずっと前から気になっていたのを今聞き出す真由美。
「私も馬鹿じゃないのよ。正直に話してくれたら怒らないし、根に持たないわ」
これを機に関係を明らかにしておきたいと真由美は考えていた。既に蒼士の
「えっと––」
蒼士は逃げられないな、と勘弁したのか正直に話し始めた。蒼士の口から女性の名前が出てくるわ出てくるわ、で怒るを通り越して呆れてしまう真由美。聞いたことのある名前や思いっきり知り合いの名前まで上がっていた。そして何よりも知ってはいけないような名前の人もいた。
「もうぉぉぉっー! お姉さんが指導するっ! 教育的指導よっ!!」
真由美は顔を真っ赤にして手首に付けているCADを操作して蒼士を攻撃しようとしていた。躍起になり暴走した真由美を止めたのは勿論、蒼士であった。
「まぁまぁ、落ち着いて下さいって」
「これが落ち着いていられますか!」
「女性の好意に応えるのも紳士としての務めなので」
「だったら私も抱きなさい! 私がどれだけいい女か教えてあげるんだから!」
多少の討論の末に真由美が大胆な発言をした。顔を真っ赤にさせて体を少しだけ震えさせながら蒼士のことを上目遣いで見つめる真由美。
「はい、それを真由美が望むのなら全身全霊で応えましょう」
蒼士は彼女の気持ちを受け取った。自然な流れで蒼士は彼女の手を取ると立ち上がって蒼士は真由美の腰に手を回してエスコートしていた。改めて大胆な発言をしたと顔を真っ赤にさせている真由美。
「家には連絡しておいて下さい、今日は帰れないと」
「ん、うん、明日が休みで良かった」
「はい、だからじっくり真由美と二人で過ごせます」
真由美は携帯端末で連絡を入れて、蒼士はホテルの支配人から部屋のカードキーを受け取っていた。このホテルはHSA社傘下の企業のホテルであり、蒼士の存在も知っている人物が運営していたのですんなり部屋が取れたのだ。権力ってやつだ。
実家への連絡が済んだ真由美は恥ずかしそうに蒼士に述べた。
「ねぇ、私、初めてだからね、その、優しくしてね」
蒼士に引き寄せられて彼に抱きつく形でエレベーターに乗っていた真由美はモジモジしながら蒼士のことを熱い視線で見つめていた。
「勿論です、真由美さんの初めては最高なものにしてみせます」
バカ、と小さな声で真由美は呟き、蒼士と真由美は一緒に部屋に入っていく。蒼士と真由美にとって記念日になった日であった。年上としてマウントを取ろうとする真由美は熟練者の蒼士にいいようにされてしまうことに。
二人が部屋から出てきたのは翌日の夕方であった。一日前に比べてベタベタのラブラブの新婚夫婦のようになっていた。真由美が周りを気にしていたぎこちなさも消えて、彼女の方から蒼士に抱きついて、二人っきりになった瞬間に首筋や鎖骨にキスマークを残して、自分のモノだという証を残していくほどの溺愛っぷりで蒼士は少々困り顔であった。
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部屋の中での出来事。
「これから宜しくお願いしますね、真由美」
「うん、こちらこそ、私のことちゃんと愛さないと怒るからね」
「それは心配なく、肉体的にも精神的にも十二分に愛したのは伝わったと思いますが」
「分かってるわ、だって体がいうことをきかないんだもん、それに頭の中は蒼士くんでいっぱいだし、全く初めての女の子を快感漬けにして」
「何度も自分から求めていましたよね」
「アレは、ね、蒼士くんがいつもより荒々しくてなんだか、ドキドキして昂ぶっちゃってね、あれがべッドヤクザっていうの?」
「ちょ!? 何処でそんな言葉を知ったんですか!?」
「女の子だって性欲はあるのよ、こういうことだって調べるわ」
「そうですか、そんなエロい女性にはさらにお仕置きが必要ですね」
「きゃぁ、蒼士くんったら積極的ね」
「嫌いですか、積極的なのは?」
「嫌いじゃないわよ、蒼士くん限定だけど」
このように二人は部屋の中で仲良く過ごしており、学校も休みということで二人だけでイチャイチャして過ごして、さらに仲が深まっていった。途中で真由美の妹の香澄と泉美から電話があり、真由美が電話をしながらイチャついて、真由美は新たな性癖に目覚めかけたそうだ。
そんな中で蒼士と真由美は自分たちの関係について深く話し合いをしていた。社長としての立場の蒼士、七草家の長女としての真由美。
一部を除き二人が付き合っているのは秘密にするということであった。社会的に蒼士はHSA社の社長であり、真由美も十師族の七草家長女として地位も高いので騒がれたくないということもあった。
次に彼女の真由美のことをちゃんと愛するのであれば、他の女性と関係を持つことが何故か認められた。真由美自身の提案でもあったが何よりも女性から頼まれたら断れないという蒼士の性格で女性関係を辞められないと判断しての決断であった。付け加えると自分一人では蒼士の相手が十分にできておらず、何よりも一人では体力が持たないというのもあった(主に夜の相手)そして女性と関係を持ったら真由美に報告すること。
このように器が大きな彼女に感謝して真由美を労う蒼士(主にベッドの上で)
現在進行形で同棲しているほのかと雫のことを知ったので真由美も勢いのまま蒼士の家で暮らすことになったのだ。真由美の中では彼女を放っておいて他の女の子と同棲するのは許せない、という気持ちもあったがほのかと雫が蒼士に好意を抱いているのを知っていたので、真由美の中である策が思いついたので、実行するために自分も蒼士と暮らすことにした。
七草家から真由美が蒼士と同棲することについては特に問うこともなく、寧ろ借りを返せる機会になり、あわよくば真由美と蒼士が結ばれれば蒼士を取り込みHSA社との関係を強くし、さらに七草家の地位や力を強くできるという野望があったが蒼士の部下からさらなる弱味を握られて迂闊に真由美と蒼士が付き合っているということの公表や噂を流すことも出来なくなってしまったのだ。
だが、蒼士の部下は七草家からただ恨まれるだけではなく、新たな事業を任せたりしてさらに力をつけるのに協力することで恨みを無くし、互いに友好的な関係を築く事が出来ていた。
ラブコメ風に書こうとしたら暗い話からのイチャラブエロ展開になっていました。
構成を考えていた当初の自分のメモを頼りに書いていたのですが、過去の俺は一体何を考えていたのやら……
次の投稿は明日18日です。