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※多少のキャラ崩壊あり
九校戦へ出発する前日に蒼士はとある場所を訪れていた。相手側から呼ばれたのでそれに応える形で訪れている。
「話すのなら電話でも良かったのに」
相手側の執事が淹れてくれた紅茶を飲みながら目の前の人物に話す蒼士。
「久し振りに私が直接話したかったの、いけなかったかしら?」
蒼士が話す相手も紅茶を一口飲みながら述べた。蒼士も彼女もお互いを知っている仲であり、気軽に話せる仲であるようだ。
「いいや、
蒼士が名前を上げた葉山と呼ばれた人物は真夜と呼ばれた女性の後ろに控える老執事であり、会釈して感謝していた。
「……真夜と居たいとか真夜に会いたかったとか言ってくれないのかしら、もっとホテルに連れ込むとか」
蒼士の言葉が不服なようで拗ねている真夜。まるで子供のように蒼士から視線を逸らして頬を膨らませていた。
「昼ドラの見過ぎでは?」
「左様でございます、奥様は毎日鑑賞しておいででして」
「ちょっと、葉山さん! 余計なことを言わないで!」
執事の葉山も仕える真夜に気軽に接するような態度で
真夜と呼ばれた女性は四葉真夜という。世界最強の魔法師の一人である大物が蒼士と直接会話をして、気さくに接しているのだ。異性を惹きつける妖しく色香を漂わせ、大人の可愛らしさと美しさがある。達也と深雪の叔母に当たる人物だが、とても若く綺麗な女性だ。
真夜の背後に控える人物は四葉家の執事長を務める
蒼士との関係は非常に友好的であり、葉山も蒼士と気さくに接していた。
「体の方は完璧に治したつもりだけど、精神まで弄ったつもりはないんだけどな」
蒼士も真夜もとても仲良くみえるが、出会った当初はお互いに重傷を負うほどの壮絶な殺し合いをした過去を持つ。
蒼士は腹部に大きな風穴をあけられて、右腕も失う程の重傷を負うことに、真夜は身体中に傷ができ、腹部から大量の出血をするほどの重傷を負っていた。出血により真夜が気絶して、蒼士は自分の治療をしてこの世界に来てから初めて接触した人にいきなり殺され掛けたのにも関わらず真夜を治療して情報を聞こうとしたのだった。
本当は無傷で真夜を落ち着かせようとしたのだが、この世界に来てから自身の持つ力が上手く使用できなくなっており、その事に気付く前に戦闘に発展してしまい、真夜の流星群をモロに受けてしまう。蒼士は相手を無力化させようとするが力を制御できず真夜に重傷を負わせてしまう、など最悪な展開になっていたのだ。
現在ではそのことを気にすることもないぐらい友好的な関係である。
「私の青春時代は闇だったわ、だからなのかしらね、青春を送ってみたいと純粋に思っているわ」
真夜が語る話を真剣に聞く蒼士は彼女の瞳から一瞬だけ光が消えて、ドス黒い闇が渦巻いていたのを見た。蒼士は彼女の過去を知っていなければ真夜の奥底に眠る闇を目撃してゾクッと鳥肌が立っていたかもしれなかったと感じ取っていた。
そんな真夜は蒼士に暗い表情から綺麗な笑顔を向けていた。
「貴方のおかげで穢れた私の体は治って、生殖機能を取り戻して子供も作れる体にしてくれたのよ、だから感謝しかないわ」
暗い感情を一切感じさせない真夜の笑顔に安心する蒼士。彼女の治療の過程で真夜の体を正常な状態にしてさらに二十代ぐらいまで若返らせてしまい、真夜が目覚めてから自分の身体の変化に気付き、ちゃんとした検査をしてから自分の生殖機能が回復しているのと肉体年齢が二十代前半になっていることを知ったのだ。肉体が若返った影響なのか精神面でも若返ったような言動や行動が多くなっているのだが、当主としての仕事をこなす器量は治療前と変わっておらずいるので原因は蒼士にも分かっていなかった。
「だから私に貴方の子供を産ませてくれないかしら?」
そして真夜は蒼士に毎度のようにこの言葉を述べている。
「第一高校卒業してからの約束だろう」
「だって、私だって子供が欲しいんだもん」
だもん、と可愛らしくウインクする真夜に思わず可愛いと思ってしまった蒼士。精神面でも若々しくなって可愛いが実年齢は四十代後半である。
「それに私以外の人と肉体関係を持ち過ぎよ」
四葉家当主の彼女とも蒼士は肉体関係を持っていた。真夜は蒼士に多大な恩が出来ており、彼の言うことは殆ど聞いてしまうほど盲愛している。蒼士がこの世界のことを知るために情報を集めるのを手伝い、直接勉強を教えてあげたり、蒼士が会社設立するのにすぐに資金を提供してあげるなど蒼士のことになると周りが見えなくなっている。葉山などもそれに困っていたので蒼士本人に相談して、ある程度は落ち着いたようだ。
独立を望んでいる彼のために環境を整えてあげたり、人材を貸してあげたりと真夜は蒼士に尽くしてくれて、蒼士も出来る限りの範囲で借りを返す事に務め、彼女の過去を払拭させるように真夜とプライベートで出掛けてデートしたり、旅行に行ったり、彼女が若い頃に出来なかったことを叶えてあげていた。そして最終的な真夜の願いが好きな人の子供を産みたいという願いを叶えることを蒼士は約束していた。期間はあるものの真夜も待っていてくれて、その間にも青春時代に出来なかったことを蒼士に叶えて貰うつもりだ。
「そうかな、あまり関係はないと思うけど」
「ウソつきなさい! HSA社の関係者だけならまだ知らず七草家の長女にも手を出しておいて」
あれ、バレてると蒼士は思った。魔法社会でかなりの権力と力を持つ十師族の四葉家であるのだから、一人の存在を探るのは容易い。だが、相手は今では世界中に拠点を持つようになった大手のHSA社の社長である人物なのだが。
「松さんが教えてくれましたわ、それに第一高校の生徒や教師の何人かにも手を出していますわね」
「(口が軽いぞ、松)」
面白い展開を望む部下の性格を舐めていた蒼士は部下の裏切りにあっていた。重く重大なことではなかったが、今度あったらお仕置きすると心に誓う蒼士。だが、それこそ彼女の策であり、お仕置きを望んでいるとは蒼士は知るはずもなかった。
「蒼士さんは容姿も性格もいいんですから、話しやすいムードや下心を一切感じさせない優しい話をされちゃったら好意があるんじゃないかと気になってしまうんですからね」
「普通に接しているつもりなんだけどな」
嫉妬で怒っている真夜だが、単に自分も構って欲しい、自分にももっと接して欲しい、ということを素直に言えなかったのだ。
蒼士自身は相手のことを知ろうと接しており、話を振って相手の会話で一部分でも相手の性格を知ろうとしており、少しずつ相手の本音を出させつつ自分も砕けた口調や本心を出していくので相手側も気軽に接しられ、気を許せる相手に蒼士はなっているのだ。
「だから今日は帰さないから」
真夜のこの言葉に寂しかったんだな、と彼女に寂しい思いをさせてしまったことを悔やんだ。学校のことに集中し過ぎて真夜と会うのは本当に久し振りであった。
「心配しなくても逃げないから、背後にいなくてもいいよ、葉山さん」
「失礼いたしました」
蒼士の背後には気配を消していた葉山がいた。蒼士は葉山が移動していたのに気付いていたが特に気にせずに葉山に背後を取らせていた。
主人の願いを叶えるのも執事の務めとしている葉山は真夜の幸せを願っている。小さな時から知っているので本当の娘ではないが親心を抱き、真夜が心底惚れ込んでいる蒼士との幸せを成就させようとしている。
勿論、葉山の気持ちを知っていた蒼士は行動として応える。
「では、今宵は寝かせませんよ」
蒼士は真夜に近付くとお姫様抱っこをして彼女の寝室へと連れていく。この家でお世話になっていた期間があるので家の中は把握済みであり、真夜の部屋の中も同様に。
「お姫様抱っこ、私初めてされたわ、蒼士さんは私の初めてを何個も奪って罪な人ね」
蒼士の首に手を回して密着する真夜。不機嫌さは消え失せ、上機嫌の真夜は蒼士の頬に手を添えてうっとりしている。
「よい、一夜を」
頭を下げて二人を見送る葉山。
葉山自身も真夜の幸せそうな表情を見れるとは思っていなかった、蒼士と出会うまでは。最初の出会いこそ最悪だったものの今では四葉真夜を幸せにしてくれる唯一の存在として梓條蒼士を信頼している葉山であった。
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「達也さんと深雪さんは元気かしら?」
「元気だよ、真夜から直接の連絡はしてないのか?」
「えぇ、葉山さんを通してはしているのだけど、あの子達にどんな顔で会えばいいか、分からなくてね」
「手伝おうか?」
「いえ、これは私の問題だから私自身の手で決着をつけないと、でも貴方には私が不安になった時には支えて欲しいの」
「勿論、支えてあげるし、二人との関係が上手くいかないならいつでも手伝うよ」
「ありがとう、ねぇ、やっぱり私が養ってあげるから一緒にいて欲しいわ、お金もあげるし、何でも言うこと聞くわよ、私の体だって好きにしていいのよ」
「なんとも人を堕落させる魅力的な提案だけど遠慮するよ」
「そう、でもいつでも蒼士さんなら受け入れるわ」
「じゃあその分はちゃんと愛しますよ」
蒼士の腕を枕にして彼に寄り添う真夜。そして真夜は内心で思いを巡らせていた。
出会った当初は侵入者か暗殺者の類だと思い、全力の殺し合いをしていた仲なのに、彼に治療されて穢れた体を治して貰ったことで過去の因縁が少しだけ晴れた気がして救われ、蒼士にこの世界のことを教えて接しているうちに惚れてしまった真夜。
いい大人の自分にまだ乙女のような気持ちが残っているとは思っていなかったので最初は気持ちの整理ができずに蒼士と顔を合わせるだけで顔を真っ赤にさせて動揺していたが、信用している葉山からの言葉で自分が蒼士のことを好きなのだと自覚することができ、そして自分の思いを告げて真夜の方から蒼士を襲って男女の関係になっていた。
「好きよ、蒼士さん」
男女の関係になってからは蒼士に対しては本音を多少は話せるようになって、人に甘えることを蒼士で実践していたりする。
「今だけは私を愛してね」
異世界人や年下など関係なく、一個人として蒼士のことが好きであり、蒼士を独り占めしたいなども思っているが、蒼士自身がモテるのは一時期だけ一緒に暮らしていて十二分に分かっていた。そして女性から求められたら断れない彼の性格も。そんな彼でも好きであった。惚れた弱みなのかもしれないが。
「私を見ていてね」
だから彼が複数の女性と関係を持つのを見て見ぬ振りをしている。ちゃんと相手のことは把握して、真夜と同じ純粋に彼のことを好きな者であればそのまま継続させ、変な野心を抱く者は裏で始末する面持ちであった。だが、真夜が動かなくとも蒼士の部下達がそういうことは管理していたので真夜は協力する関係になっていた。
四葉家当主としての責務や責任があるが蒼士に甘えられる時は当主としてではなく、一人の女として彼に甘える四葉真夜であった。
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蒼士は真夜と一晩過ごしてから直接九校戦で宿泊するホテルに向かうことにした。荷物などはメイド達に任せて現地で受け取ることにしている。
一緒に住んでいるほのか、雫、真由美には一緒に会場に向かえない事をとりあえず謝っておき、昨夜のことは直接本人達に告げることにした蒼士。
先に一人だけ到着した蒼士はホテルのロビーで一高が到着するのを待っている間に到着していた九校戦に参加している各校の生徒と会話をして友好関係を築こうとしていた。これから戦うことになる相手とは仲良くしたくないと冷たく当たる者たちもいたが友好的な人も多く居たので、それぞれ各校生と会話をして仲良くなっていく蒼士。他校の女子生徒と連絡先まで交換しているコミュ力お化けと化した蒼士を止められる者は一高生でなければ無理であった。
「
「えぇ、お母様と同じなのよ」
「きっと一色さんに似て綺麗な人なんだろうね」
「私よりもお母様の方が綺麗だわ」
「それはそうかもしれないけど、一色さんも見惚れてしまうぐらい美人さんだよ」
一色と呼ばれた女の子は頬を赤くさせて、笑顔で見つめてくる蒼士の視線から逃げるように顔を逸らしていた。
「のぅ、
「相手が一条くん以上の美男子だからじゃないかしら」
一人目は古風な口調の女の子、二人目は冷静な口調の女の子、二人が今の状況を述べていた。
ロビーのソファに座って蒼士は三高の女子生徒の三人と計四人で友好を深めていた。蒼士から話しかけて最初は無視をしようとしていた一色だったが、同じ学校の一条将輝にも並ぶほどの美男子であり、少しだけならと蒼士と会話をしていくうちに口数も増えていき、ロビーのソファに腰を据えて仲を深めていった。三人の中でリーダー的な存在の一色に従う形で他の二人も付き合っている。
「
彼女は
「一条の御曹司とは会ってみたかったけど、もう部屋に行ったようだね」
「なんなら私が呼んで来ましょうか?」
蒼士の隣で話す愛梨の述べた言葉に遠慮する蒼士。この後には懇親会があるのでその時にでも挨拶をすればいいという考えだから。
「それに今は一色さんたちと話をしていたいしね」
「そうなのね、じゃあ少しならいいわよ」
またしても蒼士の視線から逃れるように顔を背ける愛梨。
「愛梨はチョロすぎじゃな」
「そうみたいね」
テーブルを挟んで座る沓子と栞は愛梨の行動の不自然さや頬が赤くなっていることから察する。
「二人とも聞こえてますよ!」
強い口調で目の前に座る沓子と栞に怒る愛梨であったがその口調は心を許している友達との馴れ合いのような気軽な言葉であった。笑顔の三人の触れ合いに蒼士も笑顔を浮かべていた。
「三人とも仲良しでいいね、やっぱり美少女が笑顔で触れ合ってるのは見栄えるね」
自分の本心を述べていた蒼士。そんな蒼士の言葉に知り合って間もない男の子の前で素のやりとりを見せてしまったことに思わず恥ずかしがる三人であり、蒼士が見せた綺麗な笑顔にも思わず顔を背けて頬に熱が集まっているのを感じて、愛梨のことを言ってられないな、と沓子と栞は思ったようだ。
「良ければ三人とも連絡先を交換しないかい? 他校との交流なんて滅多にないからさ」
蒼士の提案に三人とも特に気にすることなく連絡先を交換した。交換してからも蒼士と会話をしつつ仲良くなっていたが、この後の懇親会に参加するための身支度などを考えて蒼士から会話を終わらすことにした。
「さてと、三人とも部屋に戻って懇親会の身支度があるかもしれないからここまでにしようか」
蒼士の言葉にすんなりと従う愛梨と栞であったが、沓子だけはもっと話そうと不満そうにしていたが二人に言われて従うことに。
「今年の三高は強そうだけど、一高が優勝して三連覇させてもらうよ」
彼女らの中でリーダー格の愛梨に握手を求めるように手を差し出して告げた。宣戦布告のような発言に愛理や後ろにいた沓子と栞も驚きはしたが、愛梨は彼の手を握ると述べた。
「この九校戦で優勝するのは第三高校よ」
自信に満ちた表情で挑戦的な笑みを浮かべて蒼士と握手する愛梨。背後にいる沓子も栞も愛梨の言葉に満足そうに笑顔を浮かべていた。
三人と別れてから蒼士は背後の死角に隠れている人たちに挨拶しに行った。
「いつまで隠れているつもりだ」
蒼士は隠れている人たちが誰かを気配で分かっていた。蒼士の視界に入ったのはいつものメンバーであった。
「おっ、やっぱりバレてたか」
「ほら、やっぱりバレているじゃないか、エリカ!」
「えぇー、だってあんな面白そうな現場に割り込めないわよ」
「蒼士さん、こんにちは」
レオ、幹比古、エリカ、美月が隠れていた人たちだ。
そんな四人から話を聞くと四人とも九校戦の応援で来てくれたようで、千葉家のコネで関係者として選手たちと一緒のホテルにも泊まれることになっていたようだ。他にも裏方として手伝いやコンパニオンとして接客対応をすることをエリカが語ってくれた。
「やっぱりああいう熱い展開は良いものね」
「珍しく同じ意見だな、これから戦う相手に正々堂々真っ向からって展開はいいな」
エリカとレオが先ほどの三高の愛梨とのやりとりを聞いていたようだ。二人だけでなく幹比古も美月も聞いていたようで頷いていた。
「戦争でもない限り全力で魔法を放てる機会なんてないからね、全力を尽くして挑んできて貰いたい」
魔法科高校生の実力を確かめる九校戦でもあるが、自分の限界や実力を確かめられる機会であり、全力で挑んでもいい環境が整っているこういう機会は二度とないかもしれないので互いに死力を尽くして欲しいと願う蒼士であった。
その蒼士も自分が開発した術式や新たなCADのお披露目の絶好の機会だと思っているので気合いが入っていた。
四人と多少の会話をしてから裏方の手伝いなどの説明があるということでエリカたちと別れてロビーで一高の到着を待っている蒼士。すると携帯端末に一高のバスが事故に巻き込まれそうになったという報告を受けた。事故処理などをHSA社が引き受けたことや実行犯の素性や何処かの組織が関わっているなどの事情を探ることの報告を受けて、部下に礼を述べつつ、また荒れるな、と内心で呟く蒼士であった。
純愛ってなんだろうと感じるこの頃。
R-18も交互に書いているせいか、エロい雰囲気に書いてしまっている。
次の投稿は明日25日です。