妹オーディションの説明はつつがなく行われた。
ちなみに、山百合会から提示したつぼみの妹の条件は以下の通りである。
・一、誰の妹にもなったことがないこと
・二、山百合会の仕事を行えること
・三、二の活動において所属部活動、同好会の了解を得ること
・四、何より、つぼみを尊敬し支えられること
そして、このオーディションで必ず妹になれるのではなく、また、妹を必ず決めるのでもないことを最後に付け加えておいた。
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「それでは始めてください」
咲来の掛け声で始まったのは一次試験とも言える学力テスト。ちなみにこのテスト、絢子さま監修のもと蛍さんが作成のテストであり、難易度は非常に高い。
入学時の実力テストで上位の結果であった咲来が試しに問題を解いてみて、四十点を取るのがやっとだったというから恐ろしい。
それを踏まえて、点数が二十五点以上であれば一次試験は通過となる。もちろん、生徒会活動も姉妹関係も学力ですべてが決まるわけではないので、このテストの点数が高かったとしても、それは一つの指標に過ぎない。まあ、蛍さんあたりは点数の高い子に興味が向くのは想像に難くないけれど。
制限時間は一時間。集まった生徒は十七名。空き教室の許可申請を提出して使用している。
「……蛍さん、この問題はやりすぎよ」
「そう? 応用問題は解き方さえ見つければ、中学一年生でも解ける問題ばかりよ?」
「その解き方を見つけるのが難しいんじゃない」
「そんなこと言ったら、山百合会の仕事なんて解き方も答えもないのだからもっと難しいわ」
ああ。そうだった。
紅薔薇姉妹は、答えが決まっている問いに対して正解を導き出すことなんてなんら苦労を感じない人種だった。
この中に蛍さんの妹になる一年生がいるとしたら将来は大変だろう。
この紅薔薇姉妹。姉妹揃って学年トップの成績だというのだから手に負えない。絢子さまに至っては学年どころか、全国トップなのだから別格ではあるものの。
「……妹が姉に似るのか、姉が自分に似た妹を選ぶのかどっちなのかしらね」
「そんな鶏と卵みたいな話をしても仕方がないでしょう?」
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学力テストの結果、残念ながら二十五点に満たない子が二名いた。今回のテストに関しては難易度が異常なので、そんなに悔いる必要がないことを告げてケアをしておいた。学力テストで人間性を測ることはできないが、今回のオーディションはそういう基準が設けてある。
ちなみに平均点は四十点。最高点は八十点である。
「このテストで八十点って凄いですね」
「会田麻耶さんですか……彼女には興味があります」
蛍さんが口にした。興味とはどういうことだろうか?
「十五名ですので、明日から三日間で五名ずつ面接していきたいと思います」
面接と言っても、最初は全員でゆっくりお茶をしながら、その後、一対一で話をするという流れとなる。