メテオっていうチート魔法があるからねぇ。
ゴルベーザはテラのメテオ耐えてるし、ジェクトは次元喰いの攻撃を剣を盾にして耐えてるしスコールのガンブレードの爆破に簡単に反撃してるし、この二人結構耐久力高くないすか?
三メートル近い黒い鎧と白兎のような小柄な少年はジェクトとはまた違った意味で目立つ。
ゴルベーザは奇異の視線など気にせずに歩みを進め、ベルは視線を気にしながらゴルベーザについて行く。
どちらとも、迷宮都市には初めて入る。
故に地理など知らないはずであるが何故だかゴルベーザは知っているかのように歩き、それを信頼してベルはそれについて行っていた。
そして着いたのがオラリオの中心ともいえる【ギルド】という施設。
象徴という意味合いでは【バベル】が適当であるだろうが実質的な中心はここだ。
ここに訪れた理由は簡単に現在のファミリアの事情や都市の事情、入るファミリアを選ぶためである。
「‥‥‥ククク」
「どうしたんですか?」
突然の聞きなれないゴルベーザの笑い声。
鎧の奥から擦り鳴らすように聞こえたそれにベルは慄きながら聞く。
「いや、新鮮でな」
弟とは和解したがすぐに離れ離れになったし、その後に再び会う機会もあったが忙しかった。
何よりもベルのような少年と異世界で冒険をする、なんとなく新鮮であったのだ。
「変なゴルベーザさんですね」
「すまないな、入ろう」
コツコツと、ガシャンガシャンと、足音をたててギルドの中に続く両開きの扉を開ける。
外と同じく、いや外より密度が高く様々な種族が中にいた。
ベテランから
まあ、ゴルベーザを超えるものはいないように見えるが。
それでもベルの目は輝きっぱなしであったのだ。
英雄の生まれる街、冒険者の都、ずっと憧れていたその場所にやっと来ることができたのだから。
そんな純粋なベルを見ていて、ゴルベーザは何とも新鮮な気分に浸っていた、弟に似た雰囲気をベルから感じとれたのだ。
「‥‥‥ん?あれはジェクトか」
ベルが感慨に耽り、受付に向けて歩きだそうとしているとゴルベーザの目に何かがとまったようであった。
驚きと喜び、負の感情は混ざっていないように思える。
「ベル、受付に行ってファミリアのリストを貰ってきてくれ。恐らく、知り合いがいる」
「ああ、はい。分かりました」
赤いバンダナ、胸の入れ墨、肉体、全てが合致するとベルを受付に行かせた後にその人物のもとに足を向ける。
「ん?お前さんは、」
「久しぶりだな、ジェクト。まさかここで会うとは思っていなかった」
ジェクトは目を見開かせたように見えた。
事実驚いているのだろう、それと同時に安堵も見える。
「ゴルベーザ、なんでお前もここにいるんだ?」
「分からん。気づいたらこの世界にいた」
お前は分かるか?と聞くがジェクトはゴルベーザと同じく分からないらしい。
陣営でいえば同僚、肉親をもつ身としてなんやかんやで気もあった。
ゴルベーザはセシルに兄さんと呼ばれて嬉しかった、ジェクトは『シン』の体内で会った時、息子の顔が見れてもう満足した。
「ジェクト、もうお前はファミリアに入ったのか?」
「おう、入ってる。【ヘスティア・ファミリア】ってとこだな」
「【ヘスティア・ファミリア】、か」
ゴルベーザを考えるような仕草をとる。
普通に考えて、ここはジェクトのいるファミリアに入るのが適当だろう。
知り合いだし、この世界にとっては二人とも異端者だし、そして【
今のベルもジェクトもゴルベーザも爆弾のようなものだろう、ベルの祖父、もうまどろっこしいな、ゼウスにもそう言われた。
黒竜討伐の時にいて欲しかったとも言われたのは僅かながら嬉しかったがそれはそれである。
「お前も入るか?」
入ってから数日、三ヶ月間勧誘して団員はジェクト一人。
はっきり言ってお先真っ暗であろうがいまでは立派な
そこにゴルベーザとベルが入れば、有名にはなるだろう。
様々な問題と主神のストレスと引き替えに。
「そうだな、そうした方がいいか」
メリットとデメリット、それらが噛み合わないだろうが仕方ないと割り切ることにした。
「えっと、ジェクトさん!よろしくお願いします!」
「おう、よろしくな。ボウズ」
ジェクトは笑みと共に緊張で縮み上がったベルの頭を豪快に撫でる。
あうっ、という
本拠まで案内してくれ、ゴルベーザの無言の訴えにジェクトは頭をかく。
「じゃあ、行くか。見ても帰んなよ?」
「覚悟は決めている」
「え、えっと、どんな場所でも大丈夫です!」
「おー、いい威勢だな」
ジェクトの案内のもと、三人は移動する。
都市南西部の居住区、その外れに【ヘスティア・ファミリア】の本拠である廃教会が存在している。
ゴルベーザもジェクトも野宿には慣れているため、そんなに苦には感じないであろう、ベルも結構逞しいところがあるので大丈夫だろうが。
「これは、なにか趣があるというか‥‥‥」
ベルが言葉に困る、ゴルベーザは何も喋らない。
ジェクトはニヤニヤしたまま何も話さない。
「秘密基地っぽくていいですね!」
そして何とかベルは言葉をひねり出す。
数分の静寂はベルには重すぎたようである。
「こういうの、男の浪漫っていうんですよねっ!僕も作りたかったなぁ‥‥‥!」
「ベルは分かってるじゃねぇか。俺もこういうの好きなんだよな」
「‥‥‥住めはするか」
小さく漏らした失礼な言葉をジェクトはわざと流してベルとゴルベーザを中に入れる。
中も外の光景と違わず酷いもので細かい、酷い損傷に雑草などここを修繕するのはかなりの時間がかかるであろう程のもの。
ジェクトは二人を待たせて地下室に降りる。
信用できるとはいえ簡単に本拠に入れる訳にはいかないのである。
『ヘスティア。入団希望者連れてきたぞ』
『なにィ!?でかしたよ!それでその入団希望者は上で待たせてるのかい?』
『ああ、呼んでくるか?』
『もちろんさ!ボクも行くよ!』
慌ただしい足音とともに地下室の扉から出てきたのはツインテールの幼い体の女の子。
確実にこの子が女神ヘスティアであろうとゴルベーザとベルは理解する。
「君たちかい?入団希望者は」
「あ、ああ。そうですよ、女神様」
「そうなりますな」
ゴルベーザの珍しい敬語とベルは動揺しながらもヘスティアに返事をする。
「よーし、歓迎するよ!」
「先に行くなよ。で、入れるでいいんだな?」
「もちろんだよ!早速恩恵を刻むから降りてきてね」
へいへい、とジェクトは大はしゃぎして階段を降りていくヘスティアについて行き、その後ろとゴルベーザとベルがついて行く。
天井にゴルベーザがぶつかるのではないかと密かにベルは心配していたが一応問題はなかった。
正直、リヴェリア様の魔法もジェクトなら耐えられそう、ゴルベーザもバリアで防げそう。
二人の戦闘方法はディシディアNTを参考にします。