中学二年で死ぬから美少女とフラグ立てたらTSした原作主人公だった件について   作:re:753

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前回のあらすじ、ATフィールドにはこういう使い方もある!

ものっそい難産だったゾ(げっそり顔)
正直、アスカヒロインでいいんじゃないかってすらすら書けてるけどもうこれわかんねえな? もうレイちゃんとシンジくんは幸せに溶け合ってハッピーエンドおわり! 閉廷! ほいじゃ解散!! でいいんじゃないかなって。


大切なものが何か再認識した件について

「シンジ……僕を見てよ、ねえ……僕を見てよッッッ!!!!」

「レイ」

 

 レイが布団の上で俺の両手を握りしめ、覆い被る形で俺を見る。

 暗い瞳は吸い込まれそうなくらいに、キレイだった。

 

「僕は要らないの? 僕は必要ないの? なんであいつとシンクロしたんだよ、答えてよ、答えろッ!!」

 

 ボロボロと泣きながらこちらを見るレイに、俺は何も言えなかった。

 

「……僕は……僕は……ッ!!!」

 

 話は今日の夕方まで遡る。

 

 

 

 弐号機から降りた俺とアスカを迎え入れたのは、屈強な軍人たちの抱擁と胴上げだった。

 

「「ぎゃあああああああああああああああ!!!???」」

 

 いくらアスカが鍛えてるとは言え、三人……いや十人の軍人に勝てるわけ無いだろ!! と物量で負け、叫び声を上げながら胴上げされていた。

 まぁ、俺も似たような形で半ば泣きながらされるがままにされていた。

 

「ヤメロォ!!(建前)本当にヤメロォ!!(迫真)」

 

 なお泣き叫んでも三分程胴上げされた俺達はギャグ漫画のように真っ白になっていた。

 

「ペ、ペアルックって……シンジィ、お前やるなぁ!」

「プラグスーツコレしか無いんだ……うっぷ」

「いやー、エヴァの操縦服ってこういうのなのか」

 

 何がやるのかワカラナイが、トウジに反論しようとして、胃の中をひっくり返さないように口に手を当てる。

 て、手加減しろよ、あとメガネ撮るな……撮らんといて、堪忍、堪忍してつかあさい。

 

「シンジくん!! ……どうしたの? コレ?」

 

 血相を変えて飛び込んできたのは、赤木さんだった。

 使徒戦は余裕だったのに、その後の胴上げでこのグロッキーさってさぁ(白目)

 

「リツコちょうどよかったわ。今回の戦闘データよ……まぁオセローが沈んだから詳細なデータは弐号機吸い出ししてからになるけど」

「別にいいわ、それよりもシンジくん、弐号機がATフィールドで海を渡ったってほんと?」

「まぁ、やりましたけど、操縦とかはアスカですよ?」

 

 赤木さんの目が輝いてる気がする、こういう目したときろくな目に遭わないってはっきりわかんだね。

 前も、考えついたわ!! とか言ってなんか変なことやらされたし。

 

「とりあえず疲れたんで帰っていいですか?」

「いいわけ無いでしょ? 詳しく聞きたいわ、アスカもだけど――――」

「リツコ、今日はやめときましょう。二人共シンクロしてかなり負担がかかってるはず」

 

 確かに頭がフラフラするし、アスカに至ってはウトウトしていた。

 ムリもない、初の実戦で曲芸戦闘とプレッシャーで相当参ってるはずだ。訓練はしてきただろうが、それでも実戦は違うはずだ……と先輩風吹かせてみるが言わない。

 んなことアスカに言えばプライドに障るはず、高飛車な癖に打たれ弱いのがアスカなのだ……それにファーストコンタクトが最悪だからコレ以上はマジ、俺の体が保たない。

 

「そう、ね。明日改めて聞くってことでいいかしら?」

「まぁ、それで」

「とにかく疲れたわ……シャワー入って寝たい」

 

 シャワーと言われて思い出す。

 そう言えば俺、服どうした……っけ。

 

「あぁああああああ!!! 俺の服オセローと一緒に沈んだか!?」

「えっ、ちょ、ちょっと私の服も!?」

 

 沈むの忘れてたわけじゃないけど、弐号機のエントリープラグ内に置いとけばよかったぁ!!

 原作のシンジくんは学生服だったが、俺は普段着だったんだよ、返して!! 俺の服返して!!

 ノリで脱ぎ捨てるんじゃなかったぁ……。

 

「サルベージはムリねえ」

 

 二人して崩れ落ちるがあーもうめちゃくちゃだよ。

 そして膝を突いていると足音が聞こえた。

 そこにはレイがいて、こちらを見るとじっと見つめる。

 

「あっ、レイ!」

「……」

 

 そのまま踵を返すとたったったと走って行ってしまう。

 ……えっ?

 

「レ、レイ……?」

「シンジくん?」

 

 心配するミサトさんを無視して、手をのばす。

 呼吸が荒くなり、ぐにゃりと視界がゆがむ。

 やだ、止めてくれ、行かないで、行かないでレイ、レイ!!!

 

「レ――――あっ」

 

 疲れからか、足がもつれてその場に倒れ込む。

 全身に力が入らない。

 心臓が信じられない速度で脈打ってるのがわかる。

 見捨てないで、お願い、お願いだよレイ、俺を一人にしないで……ッ!!

 

「あっ……」

「……」

 

 ふと俺の手を誰かが握ってくれた。

 首だけ動かすと、そこには無表情の綾波が俺の手を握ってくれていた。

 急速に心臓が落ち着いていく、息が整い、体に力が戻っていく。

 

「温かい……」

「あ、綾波……」

 

 縋るようにその手を固く握りしめ、俺は立ち上がる。

 大丈夫、大丈夫だ……まだ、生きていられる。

 

「……綾波、ありがとう、もういいぞ」

 

 呼吸を整えて言うが、綾波は首をかしげて手を握るのを止めない。

 柔らかい感触に、少し心臓がドキッと跳ねる。

 レイと似たような顔立ちしてるせいか、レイと被る……あぁほんと、ゲンドウのことが笑えねえ、やってることほぼ一緒ってさぁ。

 と思考が駄目な方向に行き始めたとき、握っていた手が強制的に離される。

 あっ、と俺と綾波が声を出し、手を離させたアスカを見る。

 先程までの柔らかい表情が消え、憤怒の感情が見える。

 

「――――ねえ、バカシンジ、あんたさ、サードとどういう関係なの?」

「は?」

「答えて」

 

 有無を言わさぬ雰囲気に飲み込まれて、俺は自然と口を開いていた。

 

友達(・・)だよ」

「……へえ、まぁいいわ」

 

 アスカの憤怒が消え、代わりに周りにいる奴ら全員(綾波除く)から溜息を吐かれる。

 

「えっ?」

「ない、無いわーシンジくん」

「今回ばかりはレイちゃんに味方ね」

「シンジ、流石にそれはどーかと思うで」

「僕ですらわかるのに」

「えっ? えっ????」

 

 困惑して首を傾げると、トウジは無言で肩をぽんぽんと叩いてきた。

 ミサトさんとかあー、やってらんなーい! とか言ってるし、赤木さんは俺のこと厳しい瞳で見てるし、おいメガネ、オメーは撮るな、ホントカメラぶっ壊すぞ!

 ひとしきり騒いだところで、アスカがフフンと俺に話しかけてくる。

 

「じゃあバカシンジ、またね」

「……まぁ、なんだ、これからよろしくな」

 

 機嫌が悪くなったり良くなったり忙しいやつやなぁと思うが、とりあえずこれから一緒に戦う予定だし、挨拶はきっちりやんべと手を差し出す。

 アスカはその手を弾くと胸を張る。

 

「フン! 今日は特別に乗せたけど、もうあんたの出番はないわよ! 英雄は今日で終わり、これからはエリートパイロット、惣流・アスカ・ラングレーが代わりになるの」

「……期待してるよ」

 

 十日後に犬神家するゾ、とは口を裂けても言えねえなぁと思う。

 実際、何がどうしたらあぁなるのか実際に見たいけどシンクロアタック出来るか? 俺記憶力よくないし……そもそも音楽の才能ZEROなんだよな。

 アスカは俺の反応が面白くないのか、鼻先まで近づいて睨む。

 

「あんたさ……まぁいいわ、今日のところはこれで終わりにするわ。ファースト、あんたにも言っとく、使徒殲滅は私に任せなさい」

「……そっ」

 

 それだけ言うと綾波は興味なさそうに歩いていく。

 ……アスカの機嫌がまーた悪くなっていくのがよーわかる。

 アニメで見てもわかりやすかったが、生で見るとホント感情豊かだな、コイツ。

 

「何よ、アイツ、変なの」

「安心しろ、俺にもわからん。気長に付き合って行こうや」

 

 実際、なんで俺の手を繋ぎたがるのかよくわからんしな。

 ……手握ったら安心するとかいう身も蓋もない理由じゃねえだろうな、まさか。

 

「まぁいいわ、サードにも言っときなさい。負けないって」

「何を?」

 

 エヴァパイロットとしてなら、俺じゃないの? と思ってしまうが、なぜかアスカの顔が何かに気づいたかのようにハッとして、そのまま振り向くとズンズンと歩いていってしまう。

 レイも含めて、俺を置いてかないでくれよ……。

 その時、ポンとトウジの手が肩に乗る。

 

「シンジ、浮気はダメやで」

「なんの話だよ!?」

 

 と漫才してはや数時間、俺はミサトさんち、まぁもう俺んちと言うべきか、いつものマンションに戻っていた。

 ちなみにミサトさんは弐号機の受領、戦闘報告、各方面への説明のため徹夜とのこと、お疲れさまです。

 まぁ、そんなこんなでキーカードで家に入ると、真っ暗闇だった。

 電気一つ付いておらず、人気もしない……レイが先に帰ってるって聞いたんだがな。

 もしかして昼間色々ありすぎて、レイがもう寝てるのかと思い、電気を付けずにそのまま自室の扉を開いた瞬間、布団の上で体育座りをしているレイを見つけた。

 まるで生気を感じさせないレイに、少し恐怖を覚えるが近くまで歩いていき、声をかける。

 

「れ、レイ――――うわっ!?」

 

 いきなり手を引かれて、バランスを崩した俺は布団の上に仰向けの状態に転がされる。

 痛みはないが、頭をぶつけたせいで身動きが取れずに居たところをレイが覆いかぶさり……冒頭のような状態になった。

 そのままレイは感情のまま、言葉を紡ぐ。

 

「許せなかった、あの女が許せなかった。いきなりシンジを叩いて、笑ってたあの女が許せなかったッ!!! だから同じ目に遭わせてやろうと思ったんだ!!」

「……痛くはなかったよ」

「そういう問題じゃないッ!! シンジは優しすぎるんだよ、僕だけを見て、僕だけに優しくすればいいんだよ!! いいじゃないか、世界なんて!! こんな場所だって要らない、全部要らないッ!! 僕とシンジだけ居ればいいんだ!!」

 

 ぎゅぅううっと俺の手首に力を込めるレイの目には大粒の涙が溜まっていた。

 僕を見て、か。

 最初からレイしか見てないんだけどな……レイがいるからこの世界を守る、レイが生きているから使徒を倒す、レイが危ない目にあってほしくないからエヴァに乗る、ただそれだけだ。

 その過程で守りたいもんが増えていくけど、結局は俺は世界なんかよりもレイのほうが大事なんだ。

 

「だから僕を見て! 僕を見てよ!! 僕を、僕を……捨てないで、お願い、捨てないでッ……もう捨てられるのは嫌なの」

 

 すがりつくように俺の胸に顔を埋めるレイに、俺はゾクリと興奮を覚えた。

 そうだよ、そうだレイ、俺を見て、俺を見てくれ、俺にすがってくれ、絶対に守るから、俺がどんなになっても守るから。

 そんな気持ちが湧き上がる。

 結局の所、俺もレイと同じだ。

 縋って、傷を舐めあって、お互いに必要なのかどうなのか不安だからこうやって定期的(・・・)に確かめないと気がすまない。

 手首の力が抜けていくのを感じた俺は、手を動かしてレイの頭を抱きしめる。

 

「捨てないよ、レイ。だってあのとき約束したろ、守るって」

 

 そう守る(生きる)のだ。俺が俺であるために、レイがレイであるために……。

 絶望しきった俺に生きる希望を与えてくれた物を守る。これはおかしいことだろうか?

 その過程で守るもん増えていくのはおかしいことだろうか?

 

「見捨てない、絶対に見捨てないからレイも俺を見捨てないで」

「……証明してよ」

 

 レイが顔をあげて、どんどん俺の顔に近づいてくる。

 ……何も言わずに、俺はそれを見る。

 

「僕を、受け入れてよ、シンジ」

「……」

「んっ」

 

 レイの顔が俺の視界を覆い、柔らかいものが唇に当たる。

 初めてのキスはしょっぱい味がした。

 

 

 

 

○○○

 

 

 

「……帰らないの?」

「今日はね、今のレイちゃんにはシンジくんが必要だわ」

 

 リツコの研究室で、ミサトはビールを飲んでいた。

 徹夜というのは嘘である。確かに深夜までかかるが帰れないわけではない。

 だが敢えて帰らなかったのは、レイのためだ……というのは建前なのかもしれない。

 リツコはため息を吐きながら、ミサトに指摘する。

 

「違うわね、あの二人はお互いを必要としてる……今日見てようやくシンジくんを本当に理解できたのかもしれないわね」

「……考えてみれば、最初からそうだったのよね」

 

 最初から、エヴァに乗るときにシンジが乗った理由はなんだったのか考えたらレイであった。

 そしてラミエル戦でも、重傷の体で戦場にやってきた理由もレイであった。

 シンジという人間は、碇レイを守るために全力を尽くしている……このときのミサトたちはそう結論付けていた。

 

「碇レイのために命をかける……でもわからないのは、シンジくん、レイちゃん以外にも命かけて守ってる。今回の弐号機のATフィールドだって、護衛艦を足場にすればこんなことにはならなかったのに」

「……彼の友人、鈴原トウジくんだったかしらね。彼の妹、初めての使徒戦で巻き込まれて怪我をしたらしいのよ」

「……トラウマになってるってこと?」

「可能性としては高いわ」

 

 リツコは静かに紫煙を揺らす。

 

「彼にとって、贖罪なのかもしれないわ。誰かを救うってことが」

「ここまでするの? たったそれだけのことで」

「人の心なんてわかりはしないわ……でも子供って繊細なものよ。大人みたいに逃げられないのよ、あなたがお酒に逃げるように、私が猫に逃げるようにね」

 

 リツコの一言に、ミサトは飲んでいたビールを見る。

 逃げる、そうだ、大人になってる気がしても結局コレに逃げている。

 人間はそう簡単に変われない、そんな一言が二人には重くのしかかる。

 ミサトは震える声で問いかける。

 

「……どうしたら、いいの?」

「何もしないのが一番よ」

 

 サラリというリツコに、ミサトは叫ぶ。

 

「見捨てろって言うの!?」

「現状、彼の精神を一番安定できる人物は碇レイしかいないわ。万が一その均衡が崩れてみなさい、ここにいる全員が影響を受けるわ」

 

 うっ、とミサトは言葉に詰まる。

 もはや三上シンジという存在は、エヴァパイロットだけではなく、希望の象徴そのものと捉えられている節がある。

 万が一、三上シンジが倒れたとしたら、士気の低下は免れないだろう。

 ムリもないとミサトは思う。

 ミサトですら、シンジがエヴァに乗った=なんとかなるとすら思ってしまう。

 今回の件はアスカの操縦技術も大きいが、ATフィールドを足場にするなんて発想は開発者ですら思いつかなかったことだ。あれのおかげで戦略の幅が広がったとミサトは感謝していた。

 だが、あのときのシンジを見てその感謝の気持ちが吹き飛んだ。

 こんなに弱かったのかと倒れて縋るように手を伸ばしていたシンジを見て――――ミサトは自分を殴りたくなった。

 まだ十四歳の子供なのだ、どれだけ実績を残そうが、どれだけ人々に希望を見せようともシンジは子供だったのだ。その事実を忘れかけていたミサトは後悔する。

 今日の出来事がなかったら気づけなかったとミサトは思っていた。

 本当はとっくの昔に手遅れで、三上シンジという人間は壊れきってると知るのは、本当にどうしようもなくなったときであることを、ミサトもリツコも知らない。

 それを知らぬまま、二人は決意する。

 

「……で、どうなの? 今回のATフィールドを使った移動補助および攻撃、再現できそう?」

「はっきり言えば無理ね」

「はぁ!?」

 

 ミサトは叫び声を上げるがリツコはしれっと言う。

 

「高いシンクロ率、操縦技術、集中力……多分、アスカですら再現は難しいんじゃないかしら?」

「シンジくんは?」

「最近50%って数値まで上がったけど、彼大雑把だから……土壇場ではやりかねないけどね」

 

 ミサトはビールを飲み干してがっくりと肩を落とす。

 後日、再現実験をジオフロント内で初号機、弐号機が行ったが見事に失敗して犬神家のように湖に突き刺さることとなる。

 

「どーにか出来ない?」

「案はあるわ」

 

 カタカタと何かを打ち込んだリツコのパソコンをミサトは見る。

 

「ATフィールド制御補助装置……?」

「そっ、難しいなら補えばいい。ただどこまで形にできるかわからないわよ」

「なんとかして頂戴」

 

 ミサトは真剣な表情で言うと、リツコはまっかせなさいと言う。

 将来F型と呼ばれるエヴァの強化装備、その産声が上がった瞬間であった。

 

 

 

○○○

 

 

 

「えへへー」

「碇さん今日上機嫌ね」

 

 そんな会話が、教室の奥から聞こえる。

 あの後、正気に戻った俺は風呂に入り、悶絶していた。

 雰囲気に飲まれたからってキスするやつがあるかぁああああああああああああ!!! ああああああああああああああああああああああ!! 柔らかかったけど!! 思わず三回も出ちゃったけど!! ナニがとは言わないけど!!!!

 恥ずかしさのせいで朝、五杯しかご飯食えなかった……登校中レイの顔見れなかったし! ミサトさんが見たらどうなってたかもうこれわかんねえな?

 

「シンジ、どうしたんや朝から悶絶して、ウンコか?」

「毎朝快便だこの野郎、いや雰囲気って怖いなぁって」

 

 きゃーっとレイの周囲を囲んでいた女子たちが黄色い歓声を上げる。

 何言われてるかわかったもんじゃねえええええ!!

 

「何盛り上がってるのか知らないけど、仲直り出来たんだ、碇さんと」

「……まぁ、な」

 

 仲直り、なのかな?

 まぁ、レイの機嫌は良くなってるし、俺の精神も回復したしいいか……問題はレイだけじゃなくて、綾波の顔も見れなくなったことだけど、レイとダブって、キスした感触を思い出しちまう。

 にしてもキスって柔らかいもんなんだなぁ、カップルとかがちゅっちゅやってるがそら夢中になるわな。

 

「にしても昨日は大変だったのう」

「昨日?」

「忘れたとは言わせないぞ、水上八艘飛び!」

 

 …………あっ。

 トウジとメガネにそう言われて煩悩がどこかに吹き飛ぶ。

 待って、そう言えばアイツくるじゃん、いつだっけ? いつ来るんだっけ? 頼む、今日じゃないでくれ、今日はレイの機嫌が良いんだよ、夜は大盛りのカレー作ってくれるって約束してくれたし!!

 

「おっ、先生来たな、シンジまたあとでな」

 

 トウジがそういうと教室の扉が開き、先生が入ってくる。

 

「みんな席に着きなさい、今日は転校生を紹介する」

 

 俺はこの場から逃げ出したかった。

 頭の中で原作シンジくんが逃げちゃダメだ連呼してるけど自分、逃げていいっすか?

 ソイツは堂々と歩きながら、チョークを握ると達筆な字で何かを書いていく。

 そして書き終わると満面の笑みで、教室を……いやあの視線俺だわ。

 あと背中からすっごい圧力カンディル……周りの生徒達がヒィッって声出してるよ、見たくなーい僕知らない!

 

「惣流・アスカ・ラングレーです。三上シンジくん、昨日ぶりね」

「お姉さん許して、教室壊れるわ」

 

 ホ、ホホホァーッ!! と叫ばなかった俺の精神力を褒めてほしい。

 ニッコリと笑うアスカは俺の前に立つと、耳元でささやく。

 

「よろしくぅ、バ~カ~シンジ」

「……もう、これわかんねえな?」

 

 瞬間、教室から歓声が上がる。

 あぁ、ドウシテ、どうしてですかねえ……。

 

 そして俺はすっかりと原作知識が抜け落ちており、次の使徒戦のアレを忘れていた。

 まさかアレがレイとアスカの仲を少しだけ改善するとはこのとき、俺もミサトさんたちも思わなかったに違いない。

 ……まぁ、そんなこと知らず、にこやかな笑みでバチバチ火花を散らしていたアスカとレイをどうにかするのに躍起になっていた俺には関係がないことだった。

 




やっと大人組がシンジくんの地雷発見するけどダミーっていう地獄。大人組にとって、シンジはエヴァに乗るところからしか知らないからなんか落ち込んでるやん! 民間人傷つけたからトラウマになってるんやぞ。あっそっかー、じゃあレイちゃんと一緒ならヨシ!(ミサト&リツコ猫)なお数カ月後ドウシテと電話猫になる模様。
あとATフィールド攻撃便利すぎるので暫く封印、マジでアスカ無双になっちゃう。
シンジ理解するにはこの世界の結末インストールしてて、世界に絶望してるって気づかないといけないから、ミサトさんたちじゃ無理久保なんですけど……肝心なレイちゃんはもうシンジに縋りきってるから、さらにシンジの精神壊す原因になってるんやで。お姉さん許して、(主人公が堕ちて)壊れるわ。
そしてF型装備フラグ、ただこれどうやってATフィールド推力に使ってんの? と調べてもわからないのでANIMA買わんとダメかなぁと思って買ったけどんにゃぴよくわかんなかったです。

ほんへ完結後、ifストーリーやその後の話とか見たい?

  • いいゾ~これ(両方ともIKEA)
  • (ifストーリーだけ)INしてください?
  • (その後の話だけ)はい、よういスタート
  • どうしてやる必要あるんですか?(現場猫)

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